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分析と爆発のあいだ

東京事変の花金ナイト-ビヨンド - アジトなう。書き起こしvol.2

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東京事変の花金ナイト-ビヨンド - アジトなう。」(2021/12/22 21:00~)全文書き起こしです。

見逃してしまった方、アーカイブの代わり......とはなりませんが雰囲気を楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

バックナンバーはこちら↓

vol.1:オープニング~タイトルコール
vol.2:1. 群青日和~4. スーパースター(イマココ)
vol.3:5. 修羅場~7. キラーチューン
vol.4:8. 閃光少女~10. 生きる 
vol.5:11. 女の子は誰でも~13. 落日
vol.6:14. うるうるうるう〜16. 緑酒
vol.7:17. 原罪と福音・18. 仏だけ徒歩
vol.8:19. 選ばれざる国民・エンディングトーク

 

〈vol.2 index〉

〈凡例〉
刄:刄田綴色亀:亀田誠治伊:伊澤一葉浮:浮雲

1. 群青日和

作詞 : 椎名林檎 / 作曲 : H是都M

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亀:いきなりグダッとなりましたけども!
刄:すいませんでした!
亀:はい、いいんです!何せはじめてのベストアルバムですよ。
浮:そうですね。
亀:ベストアルバム、なんちゅーの、ただ集めただけじゃないもんね今回も。みんな音聞いた?なんかいい感じじゃない?音が変わったのは何でだろう?
刄:(井上)うにさんの仕業ですよね。
亀:そう。今回は『総合』用に全曲、井上うにさんが、もう一回ミックスダウンをやり直しています。うにさん自信あるって言ってたね。
浮:ね。言ってましたね。
伊:いやぁ、素晴らしかったですね。我々みんなで聞いたじゃないですか。もうね、同じように救われたじゃないですか。この空白の何年間も。さらに上乗せで超えてこられて。なんか思い出したりしたもんね、聞きながらね。さらには新しいという。
刄:あと、笑わせるしね。(笑)
亀:そもそもあれだよね、いまかかってるけど『群青日和』の新ミックスを聴いた時びっくりしたよね。
刄:びっくりしました!
亀:なんかね、初期メンバーでやってんだけど、しかも17年前なんだけど、全然他の曲と比べて同じ、若返ってるみたい。
刄:最初、(『総合』の)曲順が『仏だけ徒歩』『群青日和』っていう感じで進めてて、もうおんなじ音像で来たから、「なにこれ俺『群青日和』録りなおしたっけ?」って思って。
亀:そうそう、としちゃん言ってた。17年前だって。『群青日和』ってさ俺ら今でもよくライブでやるじゃん。で、わっち、よくギター弾いてない?
伊:それはもう、ヒイズミ(マサユ機、H是都M:東京事変の初期メンバー。キーボーディスト。)さんをリスペストしてるんすよね。やっぱ、あの領域......
亀:ひーちゃんのね。
伊:そうそう。彼が弾く鍵盤の...まあ他(の初期曲の鍵盤)は弾いてますけど、この『群青日和』に関しては私は一旦、一旦、一旦横にいたほうがいいんじゃないかなと思う、そういうのもありまして、ギターを。
亀:去年の夏、配信でライブやったじゃん。あの時の一曲目だよね。違ったっけ?
刄:あってます!
亀:あってる?こういうのファンの人の方が詳しかったりするんだよね(笑)で、あのときにみんな「竿、竿、竿、かける竿」みたいな感じで。としちゃんはドラムだったんだよね。
刄:まあでも言ってみればスティックも竿みたいなもん...(手でドラムを叩く素振り)
亀:おっ!いいこと言うねぇ〜
刄:ヤッタ‼︎
亀:あれは?コレハ?コレハ?(釣り竿のリールを巻く素振りをする)
刄:リールはついてないやつだね。(笑)
浮:お得意のね。
伊:お得意の。
亀:まあでも、あのライブの光景とか思い出すわけ。どんな形でも行けるんだなって、今の事変のメンバーって。
伊:名曲ですもん。ほんと一曲目にして。素晴らしい。

 


2. 遭難

作詞 : 椎名林檎 / 作曲 : 椎名林檎

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伊:これ椎名さんの曲ですね。
亀:『遭難』。
刄:事変で初めて(椎名林檎が作曲した)ってこと?
伊:"そうなん"だ。
刄:んあ〜、今日そう言う日?(笑)
一同:(笑)
・亀:ウォイ!ウォイ!
刄:30点〜!
伊:低い〜(笑)
刄:いや低いでしょ今のは(笑)
亀:昔さ、としちゃんポケモンの「ソーナンス」のマネしてくれなかった?
刄:ソーナンスを真似て)ソ〜〜ナンス!
亀:(嬉しそう)
伊:いや違う違う、掘り下げるとこ違う、違う(笑)
亀:なんで「そうなん」でこんな引っ張ってんだオレ(笑)
刄:昔よりちょっと音域下がっちゃった(笑)

伊:YouTubeのチャットを見て)「結成に至るまでの思い出」。
亀:結成に至るまでの思い出?
伊:亀田さんととしちゃんは先輩じゃないですか我々の。
亀:あ〜!
浮:バンドの結成メンバーだからね。
伊:雙六?雙六?
刄:もともと、林檎さんのソロのライブ、4年活動休止してたのかな、そのソロのライブが「雙六エクスタシー」(3rdアルバム『加爾基 精液 栗ノ花』を引っ提げて行われたライブツアー)......亀田さん絶対忘れてる(笑)
亀:(爆笑)。口がポカーンやったね今ね(笑)。着物着てたやつ?
刄:そうです。しかもモヒカン、またやられて。
亀:あーやったやった、武道館でやった。
刄:で、椎名さんバックバンドっていうかサポートミュージシャンにバンド名つけるじゃないですか、その名前がもう「東京事変」だった。
浮:そうだったんだ。
亀:そうだったっけ?!なんで覚えてないんだろ。
刄:だから、東京事変のメジャーデビューより前に、サポートメンバーとして「東京事変」があった。
亀:東京事変」から東京事変が生まれてきたんだね。
伊:椎名林檎with...(東京事変)」とか?
亀:「with」とか絶対ついたことない。
伊:(笑)。
亀:「with」の「ウ」の字もなかった。
刄:CDの昔のジャケットもみんな、バンド名ついてるじゃんあの人。......なんで亀田さん(覚えてないの?)(笑)
亀:俺ね、でもね、そのあと1年くらいテスト期間みたいなのがあったような記憶ある。ライブハウスとかで対バンでライブやって、エレカシさんとかね。でメーカーの偉い人たちが後ろの方で見てる感じ。「これほんとに行けっかな」みたいな。
刄:(手を挙げる)
浮:刄田さんにビールください。
亀:(苦笑)。

浮:東京事変にも下積み時代があったんだね。
亀:あったあった!ね!いろいろライブやったよね。
刄:(新宿)LOFTでもやりましたし。
亀:エレカシとかミッシェルガン(エレファント)とか、いろいろやったよね。で、その後はもう『教育』録ったんだっけ?
刄:そのあとはまだ、フェスとか出てましたね。大阪行って。そのときは僕もモヒカンだった気がするなぁ。
亀:いろいろね、体はいじったね。
浮:体いじった?(笑)
刄:体張ったってことですね。
亀:体張ってた。
刄:こういうの詳しくないからなぁ、いつがメジャーデビューなんだろうって思いません?
亀:そうね、いつなんだろうね。『群青日和』じゃない?群青日和

 

3. 秘密

作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

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刄:(話の続き)いやでもみんなもそうだろうけど、すごい人の後ろでピアノ弾いたりしてたでしょ?
伊:いや僕は素人でしたから、本当の。
刄:いやでも一応メジャーアーティストの後ろでサポート.....あれ、この前...俺デジャヴ打ってるな、こんな質問どっかでしたな。「どっからが紅白出場回数ですか?」みたいな。「どっからがメジャーデビューですか?」みたいな。だから.....まあ、その辺いいか!

伊:(『秘密』の話へ)これもう、我々が入ったとき、2期になってます。
亀:浮ちゃんはもともと、椎名さんのデモとかでも弾いてたりしてたん?
浮:さっきの『遭難』でも弾いてます。
亀:え、「テンコンテンコンテンコンテンコン」(『遭難』のイントロ)って浮ちゃんが弾いてたの?!
刄:あれ浮ちゃんらしいですもんね。
亀:ほんとだね。
浮:でもちょっと違う。でもあんなニュアンスの(フレーズ)。
亀:これね、わっち誘いに行ったの覚えてる。
伊:あー、あのライブに...
亀:「あっぱ」(伊澤一葉が主宰するバンド)で、わっちが自分のバンドでライブやってて、珍しく林檎さんから連絡あって、「一人、どうしても呼びたいキーボーディストがいるけど、すごく大事に話をしてきたから、今日は見るだけね」って。
浮:いいですね。素晴らしい。
亀:で林檎さんと見に行ったんだけど、俺もうなんか急に見たらめちゃくちゃわっちのピアノがいいなと思っちゃって、すぐ「ねぇ、一緒にやろうよ!」って言っちゃったんだよね。
一同:(爆笑)。
亀:めっちゃ前のめっちゃったんだよ俺。
浮:台無しにしちゃった(笑)。
伊:半年くらい林檎ちゃんは気を遣ってくれて、何も...
刄:そこまでグイグイ来ず...
伊:でも即答でしたよね、「わかりました」っつって。怖かったけど。その半年間があったから。

亀:で、すぐ『アダルト』...でも『アダルト』でもみんなプリプロいっぱいしたんでしょ?他人事だけど(笑)。
刄:そうですよ。亀田さん意外といなかったから。
亀:(笑)
伊:亀田さん忙しかったから。
浮:忙しかったからねぇ。
伊:一番忙しい時期。
刄:今でもめちゃくちゃ忙しいじゃん。
亀:だって、し&@!※$€£%...聞いて、今『アダルト』の話。(強制的に話題を戻す)ごめんね。ごめんね。
刄:(笑)。そうそう。

亀:いろんなバージョンのみんなのプリプロデモみたいなのが送られてきたもん。
伊:この『秘密』とかもそうですよね。何回 も...
刄:『秘密』は一番練り上げたんじゃないですか?
伊:6バージョンくらいあった。途中三拍子とかにしちゃったしね。
亀:アレンジでね。
刄:あったあった。
浮:この曲は我々(浮雲・伊澤)が入る前からある曲ですよね。
伊:そうそう。だからライブで演奏...(亀田を見て)wwww
浮:wwwww
伊:もう全然亀さんはちょっとw(記憶力が)ダメですw
亀:俺のハードディスクはもう全部...w
刄:丸サディ(『丸の内サディスティック』)っぽい感じで演奏してましたよ。
亀:ほんと?
浮:「ほんと?」って(笑)。
亀:(爆笑)。俺もう『アダルト』のレコーディングだけしか覚えてない。
伊:丸サディぽいっていうか、もっと重たい感じだったよ。
刄:丸サディじゃないかー。
伊:ずぁっちゃー、みたいな。結構重たい系な感じだったよね。
亀:ライブでやってたってこと?
伊:イヤッハッハー(笑)。
亀:やばいやばい。
浮:神回だ神回。

刄:これだって、「わっちの曲だ」って知らない人(編注:伊澤作曲と誤解している人)がいるくらいだよね。
伊:俺の曲じゃないからこれ(笑)。
刄:でしょ。でも『秘密』はわっちの曲だって思ってる人いっぱいいる。
亀:俺たちこの間、インタビューで、「わっちの曲で、わっちが本当にアレンジ何パターンも考えてきて...」っていうより先に(林檎さんに)「わっちの曲じゃなくて、私の曲です」って言われたもんね。
一同:(笑)。

亀:あの頃ってさ、浮ちゃん何かあんの?思い出とか、「うわっ!」とか。
浮:どうなんだろうねぇ。
亀:俺一回、タバコ吸いすぎてて「やめてください」って言われた。
浮:うわ、言った!言った!
伊:すごい(笑)。
浮:すごいヘビーだったんですよね。
亀:すごいヘビーだったの。その後腱鞘炎になってタバコやめるんですけど、あの頃すごい吸ってて。

 

4. スーパースター

作詞:椎名林檎 作曲:亀田誠治

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浮:(話の続き)それで灰皿に(吸いかけのタバコが)ずっと置いてあるから、ずーっと(煙が)来るわけ。
伊:ハッハー(笑)。
刄:ごめんね。
亀:今じゃあり得ない、ほんとに。
刄:(井上)うにさんもそうだから、うっきーがもう結構ね。うきちゃんだけ吸ってなかったもんね。
浮:俺だけで、そう。後全員吸ってたんじゃない?
亀:特にうにさんと俺がすごかった。「うにかめ」。
刄:チェーンどころか、二重チェーン。ダブルチェーン。
亀:前の(タバコ)終わってないのに(次のタバコ)吸ってたもんね。
浮:こうやってさ、うにさんがミックスしながら、煙がボワ〜ッて。灰がボロボロって落ちてあちっ、みたいなの何回も見た気がする。
亀:はい、良い子は真似しないでくださいね本当に。
刄:マジで、酒とタバコは。

伊:いま『スーパースター』かかってますから。亀田さんこれ、どういうイメージで曲を作られたんですか。
亀:できちゃったんだよ。
一同:(笑)。
刄:ご子息が、とか....
亀:それはね、それはちゃうねんな。
刄:あ、違う曲ですか。
亀:あのー、『透明人間』だ。(編注:『透明人間』は亀田と椎名がそれぞれのご子息を想って作曲・作詞した。)
刄:これは単純に。
亀:これはできちゃってて。林檎さんの中でストーリーがあって。
伊:イチローさんの。
刄:ずっと「俺のことだ」と思ってたやつだ。
亀:アッハッハッハッハ。
伊:すげえな。
刄:「スーパースター、俺のことか」って。
亀:自分のこと歌われてるって思ってたの?!素晴らしいね。でも、あるよね。
刄:がめつい(笑)。
亀:「獲りに行く!」みたいな。
伊:「原罪問い懺悔」。
刄:いや、全員のこと書いたのかなっていうね。
浮:みんながみんなそう思えれば、いいことだよね。
伊:そういう歌詞やっぱ多いっすよね、林檎ちゃんの歌詞は。抉るような、「対1人」っていう、対面してる感じの。
亀:あとさ、俺らがポロっていった一言とかよく覚えてて、そこからストーリーを作ってない?

刄:いま、林檎さんが「めっちゃかっこいい、スーパースター。」って。
一同:ありがとう!(笑)
刄:亀田さんに対してでしょうね。
亀:としちゃんだ、としちゃん。
刄:え、そうかな。
浮:なにこの......(笑)
刄:話飛んじゃった。
浮:いやいいですよ、いいです(笑)。
亀:お互い褒めあってる感じね。

亀:ほんとに「お前......」(忘れてるんじゃないの?と)みんな心配になってるんじゃない?『スーパースター』も『アダルト』だったっけ?あの頃ね、まずわっちが腱鞘炎で、録音の時に3人で録ったりとかしてたんだよね。わっちはみんなと録ると手に負担がかかるからって言って、その後ゆっくり(1人で録音した)みたいな。
伊:そう、すんません。
亀:だから、加入と同時にいきなりコントロールルームでミキサー卓の前で「ちょっと亀ちゃん、〇〇して」みたいな。
一同:(笑)
伊:そんなこと言ってないわ!俺めっちゃ端っこにいました。だって入っていきなしコイツ病欠かよ!って。もうなんの人かわかんないじゃないっすかだって(笑)。きつかったわーほんと。
刄:でも『教育』から『アダルト』への変わり様を考えたら、わっちがそんな風にしてるって思ってるリスナーさんもいると思う。「アイツ変えまくりやがって雰囲気を.....」みたいな。
伊:いやそうですよそれは。
刄:入ったんだもんね。変わって当たり前だもんね。
伊:迷惑かけたんですけどね。ごめんねほんと。ゴ〜メンナサイヨ〜!
浮:すごいですね(笑)。

亀:わっちいっつも譜面の束持ってきてたの覚えてる俺。スケッチブックみたいな。
刄:亀田さんに書き譜聴かす人っているのかって思いましたもん。ありましたその当時?
伊:絶対ないよ、だって大プロデューサーだもん。ねぇ?
亀:伊澤だけだよ伊澤だけ(笑)。
一同:(笑)。
浮:真っ黒なやつね。
亀:真っ黒なやつ!!しかも「このトーンで弾いてください」っていうか、ちょっと盛り上がって(ルート以外のところに)いっちゃうと「ルート欲しいんですけど...」って...(笑)今でもそれでも言われるもんね(笑)。
伊:世間知らずもいいとこですよほんと。
亀:「師匠もうちょっと下弾いてもらえませんか?」って。
伊:それ言ってたよ。
亀:(笑顔で)いいことですよ。

 

vol.3につづく......

 

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