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分析と爆発のあいだ

【前半】2022年ベストソング100

2022年、何度も何度も聴いた100曲をまとめました

この記事は上半期編:50曲です。
毎日10曲ずつ更新していきます。

目次

#1. 東京(From THE FIRST TAKE)(feat.長屋晴子)/ SUPER BEAVER1月度ベストソング

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一見して東京のことをうたったものとは読めない歌詞。「東京」という言葉は一度も出てこない。だからこそ「東京」というタイトルをほかの街に置き換えても通用する懐の深い曲だ。

でも僕は東京で暮らしているからこそ、「東京」と名のつく曲にはどうしても敏感になってしまう。「東京は寂しい空」「狭い夜空」「何でもあるけど何もない」なんて歌う曲も切なくていいのだけれど、ときどき「そこまで言わないでよ」っていう気持ちになる。確かに上京してきて人波に揉まれているあなたにとっては「東京=悪者」かもしれないけど、僕にとっては地元なんだから、と。

だけど渋谷龍太は東京もちゃんと血の通った街だと歌ってくれる。なんだかちょっと救われた。そして同時に、東京にも愛が存在する。こんなことを渋谷龍太が思っていてくれたことがすごくうれしかった。

 

#2. 原罪と福音 / 東京事変1月度ベストソング

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前奏、伊澤一葉の少し揺れるピアノがいとおしい。そんな生命のリズムのような打鍵は、キラーフレーズに誘われて、壮大な鼓動となる。

それにしてもどうして亀田誠治ってこんなにもメロディメーカーなんでしょうね。人が死ぬレベルのキラーフレーズをふんだんにまき散らして僕らの心臓を奪ってしまう

 

 

#3. サンシャワー / reGretGirl

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《足りないものはなかった 余計なものがずっとあっただけ》

この歌詞を読んだとき、reGretGirlのヤバさを悟った。バラードに乗せてメンタルをグサグサ突き刺してくる。これ、別れ際に言われてグサッとくる言葉第1位だろ。

でもそれだけじゃなくて、この曲、ほんといろいろおいしいところがあって。なかなか説明しきれないけれど、もう一つだけ紹介しておこうと思う。

《部屋の隅で干される下着はなんだか今の私みたいだ シワになったまま乾いていく》

濡れた洗濯物はシワを伸ばさないまま干すと、洗濯機からとりだしたままの形でカラカラになってしまう。取り出した直後の洗濯物みたいに涙でびしょびしょになった昨日の私は、そのまま泣きつかれて眠ってしまった。翌朝起きたとき、涙は乾いていたけれど、そこにいるのは昨日の形のままの私。泣いてはいないけれど、「あなた」を忘れられないままという皮肉。

 

P.S. この曲は三か月連続リリースの『ルックバック』『車の中から』と一緒に“煙の行方” という映像作品の一部になっている。ぜひ最初から最後まで見てほしい。reGretGirlは映像作品がよく似合うバンドだ。映画の筋書きみたいな歌詞が、画を持ってきてくれる。

 

 

#4. Stand / UEBO

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Voyage / UEBO(1月度ベストソング)を「聴く"ほうじ茶"」と形容したが、こちらは「聴く"コーヒー"」。ちなみにco-composerのモリシーは永福町でコーヒースタンドを経営しています。いい店です。ぜひにどうぞ

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#5. 冷たい渦 / キタニタツヤ(2月度ベストソング

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「ボカロP・キタニタツヤ」「ベーシスト・キタニタツヤ」「ボーカリスト・キタニタツヤ」が三人同時に襲ってくる。そう、キタニタツヤとは3つの顔を持つ "ケルベロス"......

 

#6. 時のいたずら / 緑黄色社会

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《歌を歌えば君が笑う
君が笑えば僕が歌う
歌を歌えば君が笑う
君が笑えば僕は嬉しくて泣いた》

このCメロはかなり贅沢な音符の使い方をしている。一見音符が余っているようにも感じるけれど、このフレーズはこの譜割りじゃないと成り立たなかったと思う。壮大すぎる情景。生命の対話。むしろ4行では足りないぐらいだ。一音一音、時を踏みしめるように、鳴っている音を聴いていたい。

 

#7. 告白 / 崎山蒼志・石崎ひゅーい(2月度ベストソング

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崎山蒼志の"インディーズ"の部分と石崎ひゅーいの"ポップ"の部分。今年の崎山蒼志は本当にすごかった。彼はまた後でも登場します。

 

#8. Boots / KICK THE CAN CREW

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10年前、フリースタイルが日本のHIPHOP界を席巻し始めた。トラックに乗せて即興で相手をdisることこそが "HIPHOP" で、音源にこだわるのは野暮とまで言われていた。しかし彼らはそんなときもスタイルを変えず、今の今まで音源で勝負し続けてる数少ない存在。今でこそCreepy Nutsが"ポップ"とHIPHOPの架け橋みたいな捉え方をしてるけれど、HIPHOPが「ポップ」に昇華され得たのはKICK THE CAN CREWのおかげだと思ってる。

だけどKTCCの曲はサウンド・メロディだけじゃない。歌詞にも仕掛けが多くて聞き逃せない。たとえば...

《笑いあってりゃ希望も倍増 あったかくなる思考の回路》

「思考の回路」=「至高のカイロ」とかけている。"あったかくなる至高のカイロ"。後の歌詞に《ポケットに手を入れシャカシャカ》と出てくるのはこのカイロのことだろう

《まるで底に残った粒コーン》
《思い出は甘いミルクココア》
《ガードレールand缶ビールで震える身体ちゃんと感じる》

「つぶコーン」「ミルクココア」「缶ビール」=すべて「CAN(缶)」の飲み物。この3つの飲み物が三人のリリックに一つずつ登場する。アツすぎる。

 

#9. 中二 / あっぱ

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東京事変the HIATUSでの「助演・伊澤一葉」もいいけど、「主演・伊澤啓太郎」が素晴らしすぎる。というのが端的に表れている一曲。「伊澤啓太郎」を知りたければ『中二』を聴け。これはマジ。15曲の中で一番推したい。"ウニャライズ" もいい仕事してます。今年は絶対に伊澤一葉のライブに行く。

 

#10. 燦燦と降り積もる夜は / 秋山黄色

前の記事で "脳が「良い......」以外の感想を失う" とだけ書いて絶命してたんですけど、僕の脳がどこを「良い」と感じるのか言語化してみようと思う。

ギターリフ。イントロからグググっと引き込まれる。別に超絶技巧というわけではない。けれどどこか新しい。まったく聴いたことがない、"耳新しい" フレーズに心奪われる。そしてその流れを引き継いだままバースに突入していい声でいいメロを聴かされるから、ドーパミンが出ない瞬間がない。

サウンドはバンドの骨格そのまま。ソリッドで、一見無骨なバンドアンサンブル。だけどその一つ一つがいい。いらないものがない。極限まで無駄をそぎ落とした、人間が「気持ちいい......」と感じる部分だけ抽出した、聴く「エスプレッソ」

 

彼は宅録でデモを録ることで有名だけど、もしかしたらそれが作風に影響してるのかな、と思った。自分一人で、まず自分が一番気持ちいいものを作るところから製作がスタートするなら、僕らが気持ちいいのも納得だ

 

#11. Ordinary days(From THE FIRST TAKE)/ milet×Cateen

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かてぃんに嫉妬しすぎて以前こんな記事を書いた。ひどい記事だなオイ。 

almost.hatenablog.jp

にしても、最初から最後まですごすぎてもう笑ってしまう。えげつない熱量でぶつかい合いながら、miletがCateenを、Cattenがmiletを引き立ててる。原曲のオケをなぞりつつ、時に寄り道して2人が進んでいく様子はまるでランデヴー飛行.....気持ち良すぎてFly Highしてしまいそう,,,,,

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#12. ミックスナッツ / Official髭男dism

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SPY×FAMILY』OP。「ミックスナッツ=寄せ集めの家族」「ピーナッツ=アーニャの好物」「ピーナッツの花言葉=仲良し」とかアニメとパラレルになってるのもすごいけれど、何よりヤバいのはこの曲の「無効化」特性。本気で考察して前提知識ガン積みしてからこの曲聴いても結局聴いた後には「すげぇ......」しか残ってない。考察解釈分析批評全部「無効化」されてアーニャおうちかえりたい

 

#13. ジェネリックラブ / Klang Ruler

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シンフォニックでどこかに連れていかれそうなイントロ、Yonkeyとすだちひろの掛け合いが気持ち良すぎるAメロ、コーラスが多幸感半端ないBメロ、オク違いユニゾンで「デ・ジ・タ・ル」「フィ・ク・ショ・ン」「ディ・ス・タン・ス」が中毒性振り切ってるサビ。どこ切り取ってもニヤけてしまう魔物曲。

P.S. 昔からかわいいなーと思ってみてたGyoshiさんってYouTuberがいるんですけど、Klang Rulerのギターになんか似てると思ったらマジにKlang Rulerの人でした。ひっくり返ってます。

 

#14. いけないbaby / eill(3月度ベストソング

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タイトル・サムネ・イントロからは想像できないほど爽やかなサビで心臓撃ち抜かれる。《はじめてのねつに戯けたまま/君に夢中な僕を許して》とかeillにしか書けない

 

#15. パッと咲いて散って灰に / Creepy Nuts3月度ベストソング

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《今のお前にゃ誰一人 控えめに言っても敵わない》
《今のお前らは誰一人そこで収まるようなタマじゃない》

汚い言葉のなかに美しさがある、斜に構えたまっすぐな大応援ソング

 

#16. Get Back / LUCKY TAPES(2月度ベストソング

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「イントロからサビ予想つかなすぎグランプリ2022」受賞作品。イントロ・Aメロ・Bメロで積もり積もった不安感がサビで一気に解決する快感。サビにだけ登場するストリングスが希望をちらつかせる。一回味わったら抜け出せない沼曲

 

#17. 恋風邪にのせて / Vaundy(3月度ベストソング

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この記事で "「酔」を漢字一文字を極限まで噛み砕いて歌にしたのが『恋風邪にのせて』" てことを書きました。

でももっとヤバいのはリスナーを「酔」わせてしまうこと......

 

#18. One Way feat. YONCE / Ryohu

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冨田ラボ × YONCE(Suchmos)× Ryohu。音楽ファンなら流涎通り越して胃もたれするくらい最高なタッグ。ホーンセクションを贅沢にちりばめた冨田恵一のアレンジ、YONCEの「いるだけで”Tokyo Friday Night” になる」魔法、そしてRyohuのリリック。旨いもの全部乗せの"Ryohu丼"、一瞬で完食しました

 

#19. イカ大王体操第2 / 槇原敬之3月度ベストソング

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《なぜ なぜ うまくイカないの⁈》
イカ イカ イカ イカ イカ大王》

この韻踏み、この世で一番単純かつ爽快 BUT 使う場面が存在しないんですけど、槇原敬之が歌うことで日常に溶け込む「圧倒的ライフソング」になる

 

#20. まつり / 藤井風

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「秋の風まつり」を彩った最強 "ダンスナンバー"。普通のダンスナンバーと違うのは、 この曲は "盆踊り専用" だということだ。「藤井風のライブ」という"祭り"においてこれ以上のダンスナンバーはない。

2nd AL『LOVE ALL SERVE ALL』のライナーノーツで書いていたように、この曲はアルバム制作の最終版に作られた。だからこそ「今できる音楽を、今言える言葉を全部詰め込んだ」曲になっている。そしてそれが、歌詞からものすごく伝わってくるのだ。ちょっと見てみます

《愛しか感じたくもない》

→愛への回帰
《優しさでよかった ただそれだけで》/『優しさ』
《なんのために戦おうとも動機は愛がいい》/『きらり』

《何もかも既に持ってるのにね》

→「足るを知る」の精神
《ああ すべて与えて帰ろう ああ 何も持たずに帰ろう》/『帰ろう』
《特にない 渇きなどない わたし 満たされてる》/『特にない』

《その閉じた心 今こじ開けな》

→心の解放
《閉ざした扉 叩いて》/『もうええわ』

《生まれゆくもの 死にゆくもの 全てが同時の出来事》

→生と死の循環
《花は咲いては枯れ》《人は出会い別れ》/『ガーデン』

《あれもこれもが有り難し》

→"当たり前" の価値
《当たり前なんてない 自分のものなんてない》/『調子乗っちゃって』

《苦しむことは何もない》

→恐怖心からの解放
《あぁマジで何も怖くない》/『燃えよ』

《好きにしてください》

→俗世・執着からの解放
《もうええわ 自由になるわ》/『もうええわ』


どうでしょう......わかりました?『まつり』は「これまでの藤井風」を結集した最強ナンバー。

そしてスタジアムライブのテーマソングとして、オーディエンスに「これから」も見せてくれる。そう、これはまさに "第2のデビュー曲" ......

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#21. Ashes / MASS OF THE FERMENTING DREGS

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今年聴いてて一番気持ち良かったロックナンバーの一つ。洋楽でいうとGreen Day、邦楽ならSIX ROUNGEみたいに「クールに聴こえるけど芯で炎が燃えさかってる」。

 

#22. wake up call|待つ夜、巡る朝 / Laura day romance

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別れた相手を心のどこかで待ちつづける悲しい歌だけれど、聴いた後に残るのは「幸せ」の感情。その理由はきっとこのバンドが持つサウンドにあると思う。どこか幸せを纏った音色。9割の悲しみの中に1割の "幸せ" を孕む音の表情は、狙って出せるものではない。収録アルバム『roman candles|憧憬蝋燭』のジャケットのように、黄金色に染まった秋の原っぱにいるみたいだ。ゆるりと流れていく音の波に合わせて、かすかな幸せが聴き手である僕らの周りを包んでいく。

 

#23. OOOL / tricot

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Vo. 中嶋イッキュウの書く詞はいつだってミステリアスだ。いま深夜のファミレスで歌詞と睨めっこしている僕の頭の上にも「?」がいっぱい載っているに違いない。けれどなぜか情景だけは浮かぶ不思議。この秘密は彼女の立体的な声にある、と思っている。「紙=平面に書いてある歌詞」と「立体的な声」の次元の違い。きっとそこに何かがあるんだろう。何があるか知りたいような、知りたくないような。

 

#24. キャラバン / サカナクション

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キャラバン (caravan /kǽrəvæ̀n/)
1 砂漠を隊を組んで通行する商人の一団。隊商。
〈略〉
デジタル大辞泉

この歌詞は砂漠を行く行商人を描いた歌に見えて、実は2020年代の僕らに焦点を当てたものかもしれない。「砂漠=コロナ禍」と置き換えてみるとどうだろう。僕らは「コロナ禍」という砂漠を行く行商人。いつ終わるのかもわからないコロナ禍に飽き飽きしながら、生き延びるためにとりあえず前に進み続ける。"砂嵐"のなか、季節を感じられないまま春夏秋冬が一周してしまった(=《春夏秋冬は呆気ない》)。家に籠りきりで孤独を感じたり、感情が鈍って(=《この日々は不感症》)しまったり。そんな中でも《夢の里》を目指し歩き続けているんだ。そう、サカナクションという 《ラクダ》 に連れられて。

 

#25. わたしたちへ / カネコアヤノ

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「若かりし頃のわたしたち」と、「大人になったわたしたち」へ向けての愛の歌。この歌の歌詞は単独ではなかなか読み解けない。ミュージックビデオと詞で物語が完成する......これについてはちゃんと書きたいので、また必ず記事出します。とにかく言いたいのは、この曲は最高だということです。

 

#26. さよならロックスター / ザ・リーサルウェボンズ

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聴く「ルー大柴」ことザ・リーサルウェボンズだが、『さよならロックスター』は2020年6月に亡くなった伝説的ギタリストEddie Van Halenにささげた曲。《You are my hero 80年代 paradise》、こことかまさに「ルー大柴」味が深くて響き大好きなんですが、込められた意味を知ってから聴くとエディへの愛と尊敬が伝わってきて割と耐えられない。We can't stop the music ありがとう......

 

#27. 雨(feat. (sic)boy)/ AAAMYYY

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森を駆けていくような細かいビートの上、AAAMYYYが一音一音丁寧に、一歩一歩踏みしめるように音を載せている。そしてAAAMYYYの背後からsic(boy)が英詞を使って一気に追いかけていく。緩急差エグすぎる。これは邦楽界のダルビッシュ有

 

#28. あの笑み feat. ano / AAAMYYY

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今年聴いたメロディラインの中で一番と断言してもいい。Aメロで積もり積もった不安感がサビで一気に解決する。そしてが猟奇的なサビのコード進行。「E→B6/D#→E7/D→C#7/C#→F#m→F#m11/F→F#mM7/E→F#m7/B」ときて一回目は「B」だが、二回目は敢えて収まりが悪い「D6」をぶち込んでもう一度不安に戻っていく。このDコードがすごくいい働きをしていて、Aメロの「現実= "ディストピア" 」と「サビの虚構= "私の宇宙" 」を自由自在に行き来できる「潤滑油」になっている。

P.S.「あの笑み」=「あの(ano)」+「えみ(AAAMYYY)」なのもちょっとオシャレ。

 

#29. 未来時代 / mega shinnosuke

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『未来時代』というタイトルだが、むしろサウンドは'80sのシンセポップ、つまり「過去」のもの。つまりこれは過去の自分たちから見た「未来」についての曲.....こんな解釈はどうだろうか。

 

#30. YOUNG TOWN / PEOPLE 1

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PEOPLE 1を一言で言い表すなら「ミクスチャー」。

まずはジャンルの「ミクスチャー」感。ボーダーレスさ。音の鳴らし方、響かせ方一つとってもルーツがいろんなところにある。いいと思ったものをどんどん取り入れてミクスチャーしていく様子はまるで「怪獣」。

そして曲自体の「ミクスチャー」感。「PEOPLE 1」というバンド名には「人間は結局一人で孤独だ」という意味が込められている。リリックメイカーのDeuも孤独感、自己矛盾と闘っている。そしてそれが表れた歌詞も孤独感半端ない。なのにメロディは底抜けに明るい。真逆の感情が1つの曲にパッケージングされているから曲聴いてると感情も身体もミクスチャーされて「もしかして俺って実はPEOPLE 1だった?」となる魔法。

 

P.S. Vo./Gt. Itoが「OK、ギター!」って言いながら間奏のギターソロになだれ込むシーンがある。だけどギターを弾くのはIto自身だからフリも回収も全部自分で自己完結。さとり世代かな?でその「ギターソロ」だが、実はギターソロではない。Deu曰く「ギターっぽい声をだしながらエフェクターかまし、アンプを通したものを録音」したものらしい。どこまでも遊び心あるPEOPLE 1、その掌の上でまだまだ踊らされていたいです......

 

#31. Leon / 由薫

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この曲には2つの大事な"小道具" が存在する。一つはタイトル『Leon』。これは名作映画『Léon -凶暴な純愛- 』のことだろう。孤独な殺し屋・レオンが家族を殺された少女マチルダを保護し、同居生活をするなかで二人の間に愛が生まれていく。もう一つは歌詞中の『lover』。Taylor Swiftのスローバラード『lover』のことだろう。女性から男性へ宛てられた"甘々"なラブソングだ。

2つの作品を知らなくてもこの曲は十分美しいけれど、知ってからもう一度聴くと言葉に乗り切らなかった感情や表しきれない情景、言い足りないことを過去の名作が代弁してくれているのがわかる。なんてオシャレな仕掛けが隠された歌なんだろうと思った。

 

#32. AIDA / ano

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ヘッドホンで聴くと、この曲の音圧にびっくりさせられる。鼓膜も脳もどっかいっちゃうと思った。だけどそのなかにanoが確かにいる。音圧マックスのバンドに負けない女性シンガーがあと一体何人いるだろう。

 

#33. School / Chilli Beans.

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ため息のようなhiF#からバースに突入する。《はあついにやっちゃった》でグッと引き込まれる。the・'90sなオルタナ全開のサウンド、反抗期を世界一かわいらしく描写する歌詞にイチコロ(古いか?)。そしてこのバンドのオカシいところは3人全員が「ソングライター」かつ「Vo」であるということ。全員書ける、全員歌える、全員もれなくうまい。ロックバンドなのに歌割りを楽しめる。デビュー1年目でここまで完成してるバンドいましたっけ......?本気で期待してるバンドです。

 

#34. グッドラック / TOMOO

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彼女の曲を聴くと、手紙を読んでいるような感覚になる。特別なことは言っていない。だけど素直で、まっすぐで、不器用な言葉が、僕宛てに届くような。優しいのに情熱的なピアノに乗ってすっと心に入ってくる。

 

#35. たぶんMaybe明治(feat. あ、たぎれんたろう) / レキシ

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atagi(Awesome City Club)の掛け合い、相変わらず世界一。相手を最高の状態に仕上げてしまう。きっと普段からオーサムでやってる経験が生きてるんだろうなと思った

 

#36. 熱海 / Kroi

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Kroiの楽曲には「音が音としてだけ存在する瞬間」がある。その快感はまるで「熱海温泉」。最近毎日この曲で踊り狂ってます

 

#37. Cry Now feat. 佐藤千亜妃 / Ryohu

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二人の「声」を極限まで楽しめる贅沢な「ハーフ&ハーフ」

 

#38. 宝探し / くるり

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《宝探しに夢中になった/だから私は大人になった》最初から矛盾したようにみえる歌詞だけれど、聴き終わった後にはなぜか納得してしまう。人生という宝探しにおいて、最高の伴奏歌。

 

#39. ふぞろい feat. Tani Yuuki & ひとみ from あたらよ

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音楽プロデューサー 蔦谷好位置の変名プロジェクト・「KERENMI」。

Tani Yuukiもひとみも完全に"役者"。男と女を演じきってた。ナルシスティックで強引な色気をまとう男と、それに振り回されて惑い続ける女。曲1つで物語が完成しているすごさ。蔦谷好位置のプロデュース作品はヒットを生み続けるけれど、でもそれはまだ本物の彼ではないのかもしれない。もっともっと濃い、純度100%の蔦屋好位置を間近で見せてくれるのがこの「KERENMI」。最高です。

 

#40. HOPE for US feat. 磯野くん(YONA YONA WEEKENDERS), AAAMYYY(Tempalay), TENDRE, 吉田沙良(モノンクル), Ryohu(CANDYTOWN)/ 冨田ラボ

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TENDREとAAAMYYYの息ぴったりで仲良さそうな姿にちょっとグッときちゃった。AAAMYYYはTENDREのサポートシンセ/コーラスでずっと長く一緒にやっていて勝手も知ってる謂わば「盟友」。そんな彼らが二人ともTomita lab.に呼ばれて一緒に作品を創ってることがすごくうれしい。

もちろんほかのメンバーも変態揃い(誉め言葉)。よなよな磯野くん、モノンクル吉田沙良、そしてRyohu。これだけ強烈な個性を五人集めて、めちゃくちゃなトラック数のコーラスもものすごく美しくまとめてしまうあたり、やっぱり冨田ラボすごい。繊細な仕事ぶりはまさに「ラボ=研究所」だよなあ、といつも思う。

 

#41~50のレビューは12/27にアップ予定ですm(__)m

#41. 痛い / wacci

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#42.  ばかまじめ / Creepy Nuts, Ayase, 幾田りら

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#43. 雨燦々 / King Gnu

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#44. Talking Box(Dirty Pop Remix)/ WurtS

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#45. 世田谷代田 / Cody・Lee(李)

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#46. Somebody(Acoustic Session)/ milet

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#47. プラネテス(THE FIRST TAKE)/ キタニタツヤ

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#48. 旅の途中(feat. Kan Sano)/ Shin Sakiura

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#49. 異世界混合大舞踏会(feat. おばけ)/ 星野源

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#50. チキンライス - 2020 ver. / 槇原敬之

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メリークリスマス。

 

後半はこちら

almost.hatenablog.jp

 

まとめ

#1. 東京(From THE FIRST TAKE)(feat.長屋晴子)/ SUPER BEAVER(1月度ベストソング)
#2. 原罪と福音 / 東京事変(1月度ベストソング)
#3. サンシャワー / reGretGirl
#4. Stand / UEBO
#5. 冷たい渦 / キタニタツヤ(2月度ベストソング)
#6. 時のいたずら / 緑黄色社会
#7. 告白 / 崎山蒼志・石崎ひゅーい(2月度ベストソング)
#8. Boots / KICK THE CAN CREW
#9. 中二 / あっぱ
#10. 燦燦と降り積もる夜は / 秋山黄色
#11. Ordinary days(From THE FIRST TAKE)/ milet×Cateen
#12. ミックスナッツ / Official髭男dism
#13. ジェネリックラブ / Klang Ruler
#14. いけないbaby / eill(3月度ベストソング)
#15. パッと咲いて散って灰に / Creepy Nuts(3月度ベストソング)
#16. Get Back / LUCKY TAPES(2月度ベストソング)
#17. 恋風邪にのせて / Vaundy(3月度ベストソング)
#18. One Way feat. YONCE / Ryohu
#19. イカ大王体操第2 / 槇原敬之(3月度ベストソング)
#20. まつり / 藤井風
#21. Ashes / MASS OF THE FERMENTING DREGS
#22. wake up call|待つ夜、巡る朝 / Laura day romance
#23. OOOL / tricot
#24. キャラバン / サカナクション
#25. わたしたちへ / カネコアヤノ
#26. さよならロックスター / ザ・リーサルウェボンズ
#27. 雨(feat. (sic)boy)/ AAAMYYY
#28. あの笑み feat. ano / AAAMYYY
#29. 未来時代 / mega shinnosuke
#30. YOUNG TOWN / PEOPLE 1
#31. Leon / 由薫
#32. AIDA / ano
#33. School / Chilli Beans.
#34. グッドラック / TOMOO
#35. たぶんMaybe明治(feat. あ、たぎれんたろう) / レキシ
#36. 熱海 / Kroi
#37. Cry Now feat. 佐藤千亜妃 / Ryohu
#38. 宝探し / くるり
#39. ふぞろい feat. Tani Yuuki & ひとみ from あたらよ
#40. HOPE for US feat. 磯野くん(YONA YONA WEEKENDERS), AAAMYYY(Tempalay), TENDRE, 吉田沙良(モノンクル), Ryohu(CANDYTOWN)/ 冨田ラボ
#41. 痛い / wacci
#42.  ばかまじめ / Creepy Nuts, Ayase, 幾田りら
#43. 雨燦々 / King Gnu
#44. Talking Box(Dirty Pop Remix)/ WurtS
#45. 世田谷代田 / Cody・Lee(李)
#46. Somebody(Acoustic Session)/ milet
#47. プラネテス(THE FIRST TAKE)/ キタニタツヤ
#48. 旅の途中(feat. Kan Sano)/ Shin Sakiura
#49. 異世界混合大舞踏会(feat. おばけ)/ 星野源
#50. チキンライス - 2020 ver. / 槇原敬之

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