Drifter / キリンジ【千夜千曲・第3夜】
新しい音楽を発掘したい、そんな方の助けとなるべく始まった「千夜千曲」計画。一日一曲、音楽発掘のきっかけとなるような曲をspotifyプレイリストに追加しています。たまに選曲理由などを記事にします。
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【第3夜】Drifter / キリンジ
キリンジといえば「エイリアンズ」と大半の人は言うかもしれないが.......僕はこっちを推したい。不朽の名作でありキリンジの代表曲。邦楽の遺産。エイリアンズだけで終わらずに、Drifterにもぜひ手を出してもらいたい。お願い。
(なんでそんなにキリンジに肩入れしているかというと、もともと兄弟で始めたバンドで、経緯もジャンルも違えどOasisとちょっとダブる部分があるからである。僕はOasisが大好きだ。その話は追ってまた書くことにしよう......)
堀込高樹(兄)が堀込泰行(弟)を誘って2人で結成したのがキリンジである。エイリアンズを作詞作曲したのは弟の泰行だ。対してDrifterは兄・高樹の作詞作曲。2曲ともお互いの良さがでている曲なのだが、どちらもキリンジの世界観を作り上げてきた両輪のような曲だ。エイリアンズが人気になるならDrifterも注目されなければいけない。
猟奇的な愛を歌う「エイリアンズ」とは裏腹に、Drifterは全編通して切なさい愛をテーマとする。矛盾も間違いもないはずなのに負い目を感じる主人公がとにかく切ない。けれどその中に確かな愛があるのがたまらない。「愛してる」という言葉を一度も使わずに愛情を表現する一見回りくどい表現にも味がある。
キャッチーかつスルメ曲で、「J-popとは何ぞや」ということを定義し直してしまったといっても過言ではない。ぜひメロディーも歌詞も味わってほしい。
(追伸)この2曲とも冨田恵一のプロデュースなのだが、興味のある人は、彼がやっているソロプロジェクト「冨田ラボ」もどうぞ。アルバム「Shipbuilding」は彼にしかない独特な世界観と豊かな音楽性を存分に感じられるのでオススメ。