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分析と爆発のあいだ

NO MORE MUSIC / OKAMOTO'S【千夜千曲・第7夜】

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新しい音楽を発掘したい、そんな方の助けとなるべく始まった「千夜千曲」計画。一日一曲、音楽発掘のきっかけとなるような曲をspotifyプレイリストに追加しています。たまに選曲理由などを記事にします。今日は第7夜。

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【第7夜】NO MORE MUSIC / OKAMOTO'S

youtu.be

曲名は「NO MORE MUSIC」。「もう音楽なんていらない」というセンセーショナルなタイトルで、2017年当時の日本に強烈なメッセージを突き付けた。

日本では2015年にApple musicやAmazon Prime Musicなどストリーミングサービスが始まった。好きな曲を好きなタイミングで聴くことができるようになったことはもちろんいいことではある。のだけれど、世界中に音楽が溢れかえり、新曲が毎分毎秒リリースされる目まぐるしい状況で、リスナーは何を聴いたらいいかわからなくなっているし、何が好きなのか、何が《Good Music》なのか、わからなくなっている。

逆に作り手の立場から見ると、音楽を作り続けているし新譜もどんどん出ているのを目の当たりにするけれど、ふと目を向けると、カラオケでは40年ぐらい前の曲が未だに歌い継がれていたりする。そこを塗り替える作品が出ているのか、またそのような作品を出せるのか。若干の諦観にも近い感情と向き合わざるを得なくなった。「いったんこの世界のミュージシャンが全員ニューリリースをやめたらいいのに」。この発想が「NO MORE MUSIC」に凝縮されている。

でも、この曲はただ後ろ向きな感情を吐き散らかして終わるわけではない。やっぱりいい音楽を出せばきちんと評価してもらえるチャンスはある。だから《NO MORE MUSIC》という気持ちを塗り替えるものを出すしかない。そんなスタンスで曲を作り続けていくと宣言している。そしてその宣言通り、この曲は素晴らしい出来上がりになっている。

 

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