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分析と爆発のあいだ

【フジロックライブレポ】Vaundyのことしか考えられなくなった【文字起こしあり】

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FUJI ROCK FESTIVAL '21......OKAMOTO'SにミレパにKing GnuにオーサムにVaundyにKOTORIに君島大空に......と好きなアーティストがたくさん出演するのに参戦できないこの状況に憤死しそうだったんですけど、YouTubeで今年も無料生配信......ほんっと感謝しかありません。

 

画面越しでもVaundyのヤバさがゴリゴリに襲ってきたのでレポします

※セトリ、ネタバレを含みます。というかネタバレしかないです

目次

0. Opening

前回のワンマンライブ「KATARIBE」と同じ演出でVaundyが登場する。オーディエンスから期待と羨望のまなざしで迎えられる。

1. 不可幸力

湧く会場、激しく脈打つ乾いたドラム。RED MERCURYで極限まで熱されたたくさんの魂が「愛で」の瞬間に空に放たれる。現地に赴く決断をした人、泣く泣く参戦をあきらめて画面越しに見つめる人、すべての人のモヤモヤとか心のわだかまりがスッと溶けていく奇跡を目の当たりにした

2. 泣き地蔵

公演当時は音源化されていなかった新曲「泣き地蔵」。これを二曲目、しかも「不可幸力」の直後に持ってくるところに、Vaundyのこの曲に対する相当な自信を見た。

フレーズ間に挟まれた「シクシクシク シクシクシクシクシク」が会場のボルテージを一気に頂点まで高めていく。どこがサビなのかわからないような、ずっと熱に浮かされたような不思議な感覚に襲われる

3. <MC>

さっきまで泣き地蔵演ってたとは思えないユルさ。「ギャップ萌え」超えて「ギャップオぇ」。「振れ幅でゲロ吐く」っていうのが僕の口癖なんですけど、やっとぴったりの用例が来たかって感じですね......バカにしてないから。怒らないで......

Vaundy「こんばんは、バウンディです。(拍手)......いっぱいいますね、ハイ。ハァ、疲れちゃった、フゥ。ハァ~!本当にありがとうございま~す!(拍手)緊張......むちゃくちゃ緊張します.......メガネが曇っちゃって何にも見えないすけどw え~なんだっけ、あ、そうだ、ちょっと声出せないと思うんですけど、あの、大丈夫なんで、全力で体を動かして、拍手いっぱいしてください!楽しんでってください!」

会場が拍手に包まれ、またしても新曲を披露する。

4. benefits

音が鳴らされた瞬間、RED MERCURYは一気に20世紀イギリスへとタイムスリップする。「teamバウンディ」がNIRVANAに見えてくる。Vaundyはさしづめカート・コバーンといったところか。歌詞もメロディも音作りもすべてが「安心安全のVaundy産」。計算されつくしたえげつなさ。聴衆殺しにきてる。心臓えぐられてどっか持ってかれました......カエシテ...カエシテ......こんなにローテンポなバラードなのに動悸と汗が止まらん。

5. 融解sink

大名盤の1stアルバム「strobo」後のリリース曲が全曲そろって粒ぞろいの大名曲。「strobo」の存在感を、いい意味で薄れさせるというか、 Vaundyが確実に前を向いて進んでいることが分かりすぎる。

その中の一曲、「融解sink」。普通ライブ行った時ってバリバリにノレる曲は体動かしまくって腕振りまくって、大人しめの曲の間にちょっと座って休憩したりするじゃないですか。Vaundyのライブはそれができないんすよ。「ノレる曲」しかない。休む暇がねぇ。次の日の幸せな体の痛みがそれを証明する

6. napori

音のスキマがあるのに心地よさが超越してる。これを箱で演って、会場を音で埋め尽くせるのがすげぇ。本当に音楽の神に愛されているとしか思えないパフォーマンス。いやもはやVaundy自身が神なのかもしれねぇ......邦楽界で「Vaundy」というジャンルを確立してしまうような奴は人間なんかじゃねえだろ(失礼すぎる誉め言葉)

7. <MC>

Vaundy「ありがとうございます!改めまして、Vaundyです。あの、すいません、あのめっっちゃ私用なんすけど、今日僕の母ちゃんの50歳の誕生日なんすよw(拍手)はい、ありがとうございます多分大丈夫です、はい、ありがとうございます、まあ多分大丈夫でしょうこれでw」

ここで、恒例になりつつある温度確認。これもともとMCの原稿に入ってねぇだろと思ってしまうが彼がやるとサマになってしまうのが憎い。好き。

Vaundy「みなさん、こないだ僕あの北海道行ったんですけど、北海道行ったとき、僕だけすごい暑かったみたいで......みなさん、寒い方っていらっしゃいます?(わずかに手が挙がる)あっ大丈夫だ今日は......じゃあ、大丈夫っすね?暑い人?(ゆっくりと手が挙がる)今ちょっとゆっくりだったな、こっからはアツくいきましょう、みなさん新曲とか知ってたりしますかね?いきましょう、『花占い』」

8. 花占い

まさか、本人が「花占いダンス」を......?............違うか。踊ってねえか......。いつもどおりVaundyが暴れ狂ってるだけだった。でも、これがあの摩訶不思議なダンスの完成形なのかもしれねえ......あと間奏のシャウトやらせて......会場で叫ばせてくれぇぇぇぇええええ

9. 東京フラッシュ

ここで「不可幸力」と並んで彼を一躍有名にさせた「東京フラッシュ」。ふと気付いたのだが、彼のライブでは、ほとんど必ずといっていいほど曲間を一定間隔空けている。間髪入れずに次の曲へ!ということがない。あの「間」は大粒ぞろいな曲を一番いい形で届けるためのベストな間隔なのかもしれない

そんなことを考えていたら、あっというまに曲はCメロに突入。こんなに何億回も聴きに聴きまくった曲なのに、毎回新鮮な気持ちで聴ける魔法

10. 怪獣の花唄

Vaundy「フジロックいけるか?いくぞ!」ここで会場のボルテージは最高潮に達する。冒頭から彼のライブにおける最大の持ち味ともいえる声の裏返りがセクシーすぎて直視できねぇ。怪獣に向けられた拳銃がぶっぱなたれたようなスネア、心臓を引っ張たくバスドラ、歪んだ止め処ないギター、利口に見えて所々で裏切ってくるアブないベース。「teamバウンディ」のすべてがドストライクすぎる。文章がとまらねぇ

間奏。

Vaundy「まだまだいけるでしょ?!」観客を煽る。

はやくこれも「落ちてく過去は鮮明で~過ぎてく日々には鈍感な君へ」ここ会場でオーディエンス全員で大合唱シャウトしたい。叫びながらボロ泣きする自信ある。

Vaundy「ねぇ、もっと!」

絶頂した。そもそもこの曲を絶頂せずに最後まで聴けたことなどないが。だいたい2番以降の記憶がない。

Vaundy「いくぞー!」

はい逝きました。ごちそうさまです......

11. <MC>

息切れしながらMCに入る。

Vaundy「ありがとうございます。(拍手)フゥ、ありがとうございます。本当に。えー、これから、たぶん、まだまだ戦いが続くと思うので、できないことばかり数えず、できることをみんなで数えていきましょう。(拍手)フジロック出させていただきありがとうございました!(拍手)一日目、今日楽しめたでしょうか?(拍手)(観客の反応をみて)楽しめた?そうだよね。俺もめちゃくちゃ楽しかったです。またどこかでお会いしましょう。『しわあわせ』。」

12. しわあわせ

Aメロの空気感強い切ないのに芯があるのもヤバい、ヤバいしか言葉出てこないくらい好きだし、Cメロで毎回確実に虐殺される

《重なるひびを僕達は/流るるひびも僕達は/思い出すこともなくなって/そんな》

くるぞ......備えるぞ......失神しないように身構えるんや......

《し~わ~あわせェでェ~!!》

失神。卒倒。

「......ありがとうございました。」

ほんとこっちが「ありがとうございました」だわ。こっちがお礼言いたい。こんなん無料で見ていいんか?

最後「しわあわせ」はアンコールを求める拍手が鳴りひびくが、そのまま演奏は終わりを告げた。

 

まとめ

正直、Openingと一曲目に「不可幸力」というセレクトがZepp Hanedaの"KATARIBE"と一緒だったことだけで「あ~KATARIBEの続きみたいな感じね」と謎に音楽有識者ぶってしまったことをクソほど反省した。2曲目に「泣き地蔵」持ってきた時点でもう土下座。これはKATARIBEの続きなんかじゃなかった。どんどん名曲を作って世界にぶっ放していくというVaundyなりの決意表明であり、アプローチの中間報告。

そして最後の曲「しわあわせ」もKATARIBEと同じだった。が、前回以前とは明らかに違う意味を持って聴こえた。「しわあわせ」を演るとき、KATARIBE以前では「新曲聴いてください」という意味合いが強かったが、今回は「セトリの一員」として完全に馴染んでいた。確実に一歩ずつ、というより三段飛ばしくらいで階段を駆け上がっていくVaundyに必死についていかざるを得ない。

 

合計9曲。Vaundyのヤバさをゴリゴリに摂取した45分だった。ゲロ吐いて心臓取られて筋肉痛という満身創痍で、ひとまず筆を置く......イテ

〈SetList〉

0. Opening
1. 不可幸力
2. 泣き地蔵
3. <MC>
4. benefits
5. 融解sink
6. napori
7. <MC>
8. 花占い
9. 東京フラッシュ
10. 怪獣の花唄
11. <MC>
12. しわあわせ

 

Spotifyプレイリスト