「勿忘でしょ！」で無限にモヤってる奴【祝・紅白出場】
「オーサムが好き」。そう話すと二年前くらいまでは周りの反応が「？」だったのが、最近は「知ってる！」となるのが少しうれしい。紅白出場も決まり、そう言ってもらえる頻度はまた高くなるだろう。しかしその嬉しさは三秒でモヤモヤに置き換わる。
「勿忘でしょ！」
いや、そうなんだけど。あってるけど。あってるけども。いや、いいんだ。別にいいんだよ。いいんですけど。いいんだけども、なんか無限にモヤってしまう。めんどくせーヤツだな俺。
さらにモヤモヤはつづく。
友「何の曲が好きなん？」
俺「最近は『夏の午後はコバルト』とか『ブルージー』とかかな」
友「あ、あぁ...昔の曲......？」
ファ――――――――www 勿忘縛りやんけ。お願いだから勿忘しか答えちゃいけない雰囲気出さないでくれ。オーサムミュージックを聴いて聴いて聴き込んで耳が肥えまくったコアなファンを満足させるべく5人（今は3人だけども）が生み出した渾身の曲たちなんだよ。
「オーサム＝勿忘」と思っている奴らの頭の中ではほぼ間違いなく「オーサム＝けだるい感じでシティポップやってる男女混合ユニット」の数式が成立してしまっている。今日は日本国民の頭の中にあるそのくだらねえ幻想を一人ずつ、ぶち壊して回りたい。
間違いなくAwesome City Clubはただの三人組じゃねえ。聴いた人間を沼に引きずり込む何かがそこにはある。"Awesome Works" を次から次へと紹介していく。
1. 強制踊らせダンスナンバー4曲
『ダンシングファイター』『アウトサイダー』『Don’t Think, Feel』『今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる』……
俺を踊り狂わせるダンスナンバー。正直公共の場所でオーサム聴くのは不可能。自然と体がクネってしまう。さしずめ気分はフラッシュモブのダンサーなわけで、耳にシメジ挿した男のキモキモ踊り大披露会は誰にも止められない
2. ロックナンバー3曲
『GOLD』『トビウオ』はれっきとしたロックナンバー。バンドの可能性、振れ幅の大きさを感じざるを得ない。atagiすげぇ。そしてここまで落とし込んだメンバーもすげぇ。甘い女性ボーカルが入ってここまで「骨太」な曲作れるのはオーサムだけだと思う。
『Lullaby for TOKYO CITY』は普通であればミドルバラードに分類するべきなのかもしれないが、バンドとしての肉体感を確実に感じてここに入れた。「Awesome City Club」という1人の人間が、力強さとしなやかさを併せ持っている感覚。
3. シティメロウポップナンバー4曲
もはや「オーサムの専売特許」とまで言える「シティポップ」「メロウポップ」。
『ワンシーン』『タイムスペース』『最後の口づけの続きの口づけを』『ブルージー』。
シティポップといっても一括りにはできない個性がちゃんとある。「オリジナリティ」と言ってしまうと陳腐だが、どのポップナンバーにも、上述のような粗い「骨格」が垣間見える瞬間があったり、体が動いてしまうようなグルーヴ感が備わっている。それでいて高級感、安定感すら兼ね備えているわけだから、いわばオーサムは「音楽界の星野リゾート」。最高の立地、端正な内装、入った瞬間から体を襲う高揚感。緻密なバランス感覚。
4. ジャンル：「青春の胸騒ぎ」
そして、『青春の胸騒ぎ』。
どのジャンルにも分類したくない。もうジャンル「青春の胸騒ぎ」でいい。JRは冬のCMソングに今すぐこの曲を起用しろ。back numberの『ヒロイン』『クリスマスソング』、[Alexandros]の『SNOW SOUND』に匹敵するレベルの殺人的 "クリスマスソング"。
5. 最近のオーサム
4月に『color』、7月に『夏の午後はコバルト』、11月に『you』と、すごくスピード感のあるリリースをしている。感じたことをすぐに言葉と音に落とし込む、そして世に出す。だからこそ時代背景や世の中の匂いをそのまま曲に取り込める。そういう意味で彼らの曲は"世界の真空パック"であり"時代のものさし"なんじゃないかとすら思う。
芯のある曲を8年間世に出し続けてきた実力があるからこそできる丁寧で機敏な音楽制作は彼らの強烈な個性であり強みだ。
改めて勿忘を聴く奴
以上だ。このことを踏まえてもう一度『勿忘』を聴いてみてほしい。全然違う曲に聴こえるはずだ。俺ももう一回聴こーっと...
......やば......勿忘......良すぎん......？オーサムのいいとこ全部乗せじゃん......重量感と華やかさ、肉体感としなやかさのバランス。令和にしか生まれ得なかったであろう歌詞とサウンド......
？？「オーサム？知ってるよ！勿忘でしょ！」
その通～り......
今回紹介した曲たちで妄想セットリスト作ったのでぜひご贔屓に……
