「関ジャム 音楽のプロが本気で選んだ2022年マイベスト10」ガチ予想 ②選曲分析編
「関ジャム 音楽のプロが本気で選んだ2022年マイベスト10」ガチで予想します。30曲完答目指す。
記事は三部構成です
①2016-2021総復習編
②2016-2021選曲分析編←イマココ
③「2022年マイベスト10」ガチ予想編(1/20(金)更新予定)
今回は「②2016-2021選曲分析編」。3人の選者の音楽遍歴&選曲歴から彼らの音楽との出会い方、聴き方、重視するポイントを分析します。
2022年の選者は
・蔦谷好位置
・いしわたり淳治
・佐藤千亜妃
の三人。蔦谷・いしわたりの安定二人組に加えて今年は2019年に活動停止したロックバンド・きのこ帝国の佐藤千亜妃が参戦。
今回の記事では
・蔦谷・いしわたりの過去の選曲
・佐藤千亜妃の音楽遍歴
を振り返り選出基準を考察します。
毎年好評!業界も大注目の人気企画!音楽のプロが選ぶ2022年の年間ベスト10は?お馴染みのいしわたり淳治、蔦谷好位置に加え、今回は佐藤千亜妃が初参加!2022年に発表された楽曲の中から、独自の目線でランキングを作成!ヒット曲の音楽的スゴさや知られざる名曲が続々!!さらにブレイク必至のアーティストが丸わかり!複数のプロが選んだ新星アーティストも!!今回のランキングにはいったいどんな曲が登場するのか!?
目次
【蔦谷好位置】
過去の選曲・コメント抜粋
※各年代をクリックすると選曲とコメントが見れます
1位 なんでもないや / RADWIMPS
この曲はいろんな要素が詰まっている曲。歌い出し8小節をアカペラにできる凄さ。
人の耳を惹きつける”ヨナ抜き音階”(④ファと⑦シを使わない)と、その中に一瞬違う音を使い変化をつけている。韻を踏んだリズムのある歌詞と定番のコード進行、繰り返しのメロディの中で、サビの部分であえて違和感のあるコードをぶち込んできている、その発想がすごい。このコード進行が、「君の名は。」のストーリーともリンクしてグッとくる名曲。
2位 Die Young / KOHH
KOHHはアンダーグラウンドな側面はあるけど人気もカリスマ性もあって時代を象徴する人。音楽の技術があるとか知識があるとかそういうことじゃなくて、とにかくKOHHのエネルギーがスゴい。
3位 鯨の唄 / Mrs.GREEN APPLE
曲を聴いたときスゴかった。バンド自体は知っていたが、全然僕は情報を知らなかった。ただラジオで初めて聴いた時に一聴きぼれ。一目惚れならぬ一聴き惚れしたくらい良い曲。自分の曲?と思うほど好きなサウンド。一度聴いたら忘れられない声。
10代とは思えない歌詞の世界観が凄い。
5位 majority blues / チャットモンチー
「マママママジョリティー」とつい口にしたくなる歌詞。さらに「みんなと同じものが欲しい だけど」「みんなと違うものも欲しい」という部分がすごく良い。たぶん彼女たちが上京してきた若い頃の気持ちを歌っていて、同世代の女の子がオシャレで輝いて見えるけど、自分たちは皆とは違うミュージシャンで輝きたいともがいている。それを今手にした彼女たちが歌っているのがスゴイ。曲も、誰もがやれる事をやっているけど「チャットモンチーらしさ」が出ている。
6位 No Problem / Chance the Rapper
今回おそらくグラミー賞の最優秀新人賞をとるんじゃないかって思ってます。CDリリースがなくても音楽ビジネスとして成立しているのがスゴイ。
7位 In My Face / SALU
8位 C'est la vie feat.七尾旅人 / Kan Sano
ジャズやピアノ演奏の技術や知識のある人がポップスに来て、ジャズやヒップホップ、ポップスの垣根が無くなった曲
9位 LOSER / 米津玄師
曲もすごいがMVはもはや誰も真似できない領域。米津くんは世界の新しい音をいつもチェックしてるんです。必ず自分のフィルターを通して日本のリスナーに届ける為にってすごい考えてる人でMVに関してもそうだと思う。ダンスと音楽は密接な関係があり、みんながやりたくなるやつとは全く別の、みんなができないマネできない独特なものを作り続けている。
10位 はきだめの愛 / T字路's
声がすごい。圧倒的。人と違う声を持ってる人はそれが最大の武器になる。
1位 灰色と青 (+菅田将暉) / 米津玄師
流行と王道の見事なバランス感覚とメロディセンスに脱帽。
米津玄師はぶっちぎりの1位です。今、日本で一番自由を手に入れて成功しているアーティストだと思います。イントロから、ボコーダーという、声をシンセと合成して和音にできる音が入っており、これは「デジタルクワイア」というここ数年流行のサウンド。今流行しているものと、彼が尊敬しているBUMP OF CHICKENやRADWIMPSから取り入れたサウンドをうまく融合させて、彼のフィルターを通して表現している。
2位 Tell Me Baby / Official髭男dism
去年(2017年)車を路肩に停めて聴いた曲。
ラジオから流れてきたイントロを最初に聞いたとき、ブルーノ・マーズの新曲かと思った。岡村靖幸さんの流れも感じるような色気もあって、日本のポップスの未来も明るいなと感じた曲。
3位 ノンフィクション / 平井堅
あのヒットメイカーの新境地。
アコギだけでいきたいという平井さんのアイデアもあったようで前半部分の緊張感がものすごくいい。ギターを弾いている石成正人さんは、日本屈指のギタリスト。なのに、わざと荒い感じに弾いているところが赤裸々な歌詞とさらけ出すような平井さんの歌と合っている。
4位 残ってる / 吉澤嘉代子
朝帰りというとネガティブなイメージがあるが、一人の女性の心情をこんなにも美しく切なく描ける才能と、それを表現しきる歌唱が素晴らしい。
まるで映画のワンシーンを切り取ったような歌。イントロが井上陽水の「帰れない二人」とそっくりで、おそらくオマージュとしてわざと似せていると思う。
5位 君はセクシー / 奇妙礼太郎
ストーリーテラーのような不思議な声を持ったシンガー。
声自体に憂いを帯びていて、この人が歌うだけで空気が変わる感じがする。
6位 Best Part of Us / AmPm
日本を超えて先に海外で火がついたアーティストでSpotifyで爆発的にヒットした曲。
日本のチャートではなく、ワールドチャートに入っている。
新しいサービスを利用して自分たちで発信して世界へ出て行った。こういう海の越え方もあるんだという、一つの方法を提示したアーティスト。
7位 愛を伝えたいだとか / あいみょん
歌詞に注目されることが多いシンガーソングライターだけど、メロディメイカーとしての才能も光っている曲。Just The Two Of Us進行と呼ばれる有名なコード進行を使った曲で、コード進行自体の色が強いので メロディーが負けてしまい平凡な曲になりがちな諸刃のコード進行。その中で、自身の声の魅力をいかした印象的なメロディーを作れるところが彼女の強みの一つだと思います。
8位 Space Brothers / MAHBIE
MAHBIEは、2017年最も驚いたトラックメイカーで、
サンプルや音色のチョイス、ビートのグルーヴ感、ミックスバランス、どれも非常にセンスが良く気持ちいい。
9位 Cho Wavy De Gomenne / JP THE WAVY
インスタグラムやツイッターを中心にいろんな人が踊ったり真似して替え歌したり、PPAPに近い現象が起きた。トラック自体は今アメリカのアトランタを中心に流行している「トラップ」と呼ばれるすごくテンポの遅いトラック。
都市型で若者中心ではあるが、2017年かなり話題になった曲。
10位 絶対君じゃ嫌なんだ / SEVENTEEN AGAiN
去年一番笑った曲。ただ相手が「嫌」だと連呼している歌。
なのにポップで綺麗な切ないメロディー。綺麗なメロディーを嫌いな人のために使っているのがバカバカしくて面白い。
1位 飛行船 / 三浦大知
日本人の作るポピュラー音楽における芸術性を近年最も感じた曲です。「球体」という三浦大知の単独公演のために作られた曲たちは どれも前衛芸術と言えるような素晴らしいクオリティのもので、その中でも この「飛行船」を初めて聴いたときは息を呑みました。
Nao’ ymt による詞・曲・サウンドは世界中のどこにもないもので、三浦大知という希代のパフォーマーのポテンシャルを100%引き出しているし、三浦大知が Nao’ ymt という希代の音楽家の才能を引き出しているという相乗効果の大成功例だと思います。
2位 きっとね! / 中村佳穂
ピアノ弾き語りやライブの映像を見たときに、なんと自由に音楽を奏でる人だろうと感じました。言葉をスゴく大事にしていて、言葉選びが独特だが上手い。今、一番ライブを観たいアーティストです。
3位 Pop Virus / 星野源
これほど音楽愛に満ち溢れた曲を聴いて衝撃を受けたのは そう多くない体験でした。
trap(2010年代にブームになったHipHopサウンド。高速連打のスネアや派手な電子音が特徴。)以降のビートやサウンド感を自身のメロディーに落とし込むセンス、適材適所に その道の一流を配置するセルフプロデュース能力の高さ、あえて このサウンドを星野源がやる意味、その全てにやられた曲です。星野源本人が、生涯完治することのないPop Virusに侵された宿命を背負っている音楽人なのだと思い知らされました。
4位 ほころびごっこ / indigo la End
1曲の中で まるで各セクション別々に曲を作ったように、目まぐるしく展開と転調を繰り返しているのに、一度聴いたら忘れないメロディーと言葉を残せる才能に脱帽。川谷絵音という人の才能を改めて感じました。
5位 まっしろ / VICKEBLANKA
音楽好きをうならせるような細微なギミックなどトリックスター的印象の強いアーティストでしたが、J-POPど直球の中にも彼らしいメロディーセンスが光るバラードを届けてくれました。作詞作曲、歌、楽器と何でもできる人が技術に偏重せずに こういう曲を作ると間違いなく良い曲ができるんだと実感。
6位 Prayer X / King Gnu
もともとズバ抜けた音楽センスでしたが、この曲はそれに加え、あまりにも美しいメロディーを持っています。
しっかりとした基礎を持ちながら、奇想天外な発想ができる音楽集団が、強いメロディーを持ったら無敵なんだなと実感した曲です。
7位 どうしよう / Tempalay
通常は2小節や8小節という偶数で進行するところを、この曲のサビは3小節進行。
独特な浮遊感を持ったメロディーとあいまって、ずっと焦らされているようでもあり、酔っ払っているようでもあり......
「シュワシュワ夢の真っ最中 どうしよう」という表現がぴったりの不思議な感覚になる曲。
8位 わたしを離さないで / Have a Nice Day!
ライブでは暴動に近い程の盛り上がりを見せるバンドですが、純粋に楽曲のスケール感とメロディーの中毒性が素晴らしい。
独特な多幸感と虚無感を併せ持ち、どこを切っても過剰なほどポップでエモーショナル。今、東京で一番踊らせるバンドだと思います。
9位 脳裏上のクラッカー/ ずっと真夜中でいいのに。
幅広い音域を可能にさせるボーカル ” ACAね ” のハイトーンの伸びが癖になります。ボカロ、アイドル、アニメ音楽など日本的な音楽文化の要素をたっぷりと詰め込んだ内容で、アレンジという面でも非常にハイクオリティ。
10位 HONEY / RIRI
洋楽に近すぎたり本格派すぎる音楽は敬遠されがちな日本の音楽市場の中で、信念を持って続けているシンガーです。「こういうのだったら洋楽でいいや」とは思わせない、彼女の実力と魅力が沢山詰まった曲だと思います。
1位 Pretender / Official髭男dism
2019年の邦楽を語る上で絶対に外せない1曲です。
メロディーの階段、反復、跳躍というJ-POPのヒット要素がこれでもかと詰まっていながら全くテクニック的に聞こえず、ただただ素晴らしいメロディーと歌詞に心奪われていく時間が過ぎていきます。
間違いなく何年先にも残っていく超絶名曲です。
こういう曲がちゃんと評価されて多くの人に届く時代でよかったと心から思います。
2位 あなただけ / 長谷川白紙
才能を持った若い世代が今非常に多いですが、その中でも飛び抜けた才能を爆発させているのが、長谷川白紙です。
不協和音、変拍子、独特な音色選びなど、こういったアブストライクな要素を持った音楽は内向的になりがちですが、長谷川白紙の音楽はまるで彼の脳内から広がっていく景色を見ているように外へ外へと眩い光を放っているように感じます。
3位 遠視のコントラルト / 君島大空
車のラジオから流れた瞬間に鷲掴みにされ、歌い出しから最後まで路肩に停めて聴いてしまいました。
彼の美しく透き通った音楽は一体何を聞いて、何を見てきたんだろう?と非常に気になる存在です。
4位 inside you / milet
日本語でこの声で歌える女性ボーカルをずっと待ち望んでいました。
独特な低域とハスキーな要素を持った声で、やや英語寄りの日本語の発音が不思議な響きをしていて、ずっと聴いていたくなります。
5位 Face My Fears / 宇多田ヒカル&Skrillex
2019年は海外のトッププロデューサーやアーティストとコラボする日本人アーティストが多かったですが、その中でも傑出した作品でした。
Skrillexの強力なサウンドプロダクションの中でも全く負けることなく、それどころかSkrillexのサウンドの新たな一面を引き出している宇多田ヒカルのボーカルが圧倒的です。
6位 Do you remember? / 宮本浩次
説明無用のボーカリスト宮本さんとパンク界の生ける伝説・横山健さんがコラボしたらこんなものが出来上がるのかと。
エレカシではほとんどやってこなかったパンクサウンドの中にも、宮本さんと健さんの「節」が満載でお互い長いキャリアを重ねてきたからこそできた最高のコラボレーションだと思います。
聴きながら笑い泣きするような感情が沸いてくる楽曲です。
7位 Blanco / Omoinotake
ストリートライブから話題が広がったバンドですが、サウンドメイキングセンスが非凡です。
ブラックミュージックを基調としたサウンドメイクの中にも、この曲は和風でノスタルジックなサビのメロディーが非常にマッチしている。
これからの楽曲にとても期待したいです。
8位 sabotage / 緑黄色社会
高いポップセンスで以前から注目されていましたが、この曲でバンドとして大きく突き抜けたと思います。
メロディー、音色選び、展開の妙、どれを取っても極上にポップな1曲。
王道の中に見え隠れする「ひねくれ要素」がたまらなく気持ち良いバンドです。
9位 東へ西へ / iri
この作品には実力のある様々なアーティストが参加して素晴らしい仕上がりでしたが、その中でもiriによるカバーはとても異彩を放っていました。
彼女のとても低く艶のある声がこの曲にピッタリで、気鋭のプロデューサーYaffleによる息を飲むようなアレンジ展開も最高です。
10位 RIDING ON TIME / YOSHI
洋楽的なフロウや歌の節回しをしている日本のアーティストはたくさんいますが、ここまで上手い人はなかなか聴いたことがなく、これはリアルタイムでこういう音楽を聴いて育った人にしか出来ないと思います。
1位 極彩 | IGL(S) / ROTH BART BARON
2020年の幕開けはコロナウイルスによりたくさんの命や価値が奪われ、私たちの日常を大きく変えてしまいました。そんな中、この曲はすべての祝われなかった命へのレクイエムであり、何があろうと圧倒的に生を肯定する応援歌に感じました。
2位 大東京万博 / Tempalay
この曲は「心地良さと違和感」「美しさと不気味さ」が見事に融合していて明らかに特異な音として2020年に輝いていました。コロナ以前に作られたはずですが、2020年の混迷を予言していたかのような歌詞と奇妙なサウンド。それはおそらく「AKIRA」をモチーフにしていた部分も大きいと思われますが、完全に彼らのオリジナルとして不気味で怪しくてポップな楽曲になっています。
3位 Heaven's Drive feat.vividboooy / (sic)boy,KM
(sic)boyとプロデューサーのKMが2020年に作り上げたCHAOS TAPE(アルバム)という怪作の中の1曲。USのエモラップとの呼応を感じるサウンドながらも、独自性があるのは動きが大きくメロディアスでラップとも唄ともとれるような不思議なスタイルであるということだと思います。
4位 HOPE / TENDRE
サウンドデザインのセンスが素晴らしく、いつもそのセンスに耳を奪われていましたが、この曲のサビの「ファミレド」を聴いた時に、TENDREがポップスのメロディーとしっかり向き合っていく「覚悟」のようなものも伝わり、よりアーティストとしての凄みを感じました。
5位 優しさ / 藤井風
作詞作曲、歌唱、演奏パフォーマンス全てにおいて非常に高いポテンシャルを持っている藤井風ですが、この曲のイントロを聞いたときに彼の和声感のセンスに感服しました。彼が好んで聴いて演奏してきた経験から生まれた美しいボイシングだと思います。
6位 とろける / Lucky Kilimanjaro
昨年はとても精力的なリリースがあり、そのどれもが素晴らしいクオリティでしたが、アルバムの中から、見事なラブバラードに心を奪われました。シンセを駆使したエレクトロポップサウンドが中心ですが、6/8拍子のバラードでもこんなに心躍らせるセクシーな曲を作れる才能に脱帽です。
7位 やさしいままで / never young beach
ティン・パン・アレー(細野晴臣、松任谷正隆らのユニット)を彷彿とさせるようなサウンドと、PC上できれいに修正されていない歌い方が胸に迫ります。必要最小限のアレンジと音の配置だけで、楽曲の魅力を最大限に引き出している素晴らしい作品です。
8位 One Day / Omoinotake
ボーカルの藤井レオ君は元ドラマーであり、その経験がメロディーの符割りや歌のタイム感にも現れていて、グルーヴがあり心を躍らせてくれます。時代の流行をしっかりと取り入れたサウンドが特徴ですが、この曲はコロナ禍にあっても打ち込みで完結せず、メンバーでリモートレコーディングを行うなど、非常に有機的でバンド感がしっかりあります。
9位 The Moment / Ryohu
冨田恵一プロデュースによる実力派ラッパー待望のデビュー曲。ゴスペル調の慈姑や(聖歌隊)をサンプリング的に纏った冨田恵一さんによる見事なトラックに乗るRyohuのラップは、しっかりとしたバックグラウンドがありながらジャンルを超えた様々なコラボをしてきた彼にしか出せない大きなスケールを感じます。様々な壁を壊してその先にいる誰かに手を差し伸べてくれそうな、そんなアーティストだと思います。
10位 nadja / どんぐりず
元々はYouTubeで面白系のカバー動画やオリジナル曲を動画にしていた2人ですが、類い稀なセンスと成長速度でラップをベースにした独創的な曲を量産、これからの活動から目が離せません。
1位 アポトーシス / Official髭男dism
言わずと知れた
日本のトップをひた走る
4人組バンド
「生きる事と愛する事の美しさを描いた2021年最高傑作!!」
「コロナ禍のこの約2年の中で誰もが命について少なくとも一度は考えたと思います。そんな中、この曲は歳を重ねていくパートナーの生死について生々しく描写しながら、生きることと愛について歌っていて、それを1曲の中で様々な創意工夫と技術を駆使しながら完璧に表現しています。」
「すべてのスピードが速くなっていく世の中で、この曲は1年かけて作ったらしく、時間をかけ丁寧に思考錯誤を繰り返して磨き上げた2021年J-POPの最高傑作だと思います。」
「『蔦谷、またヒゲダンかよ』(2017年2位 Tell Me Baby、2019年1位 Pretender)と思われるかもしれないですけど、もう、ちょっと本当にすごいなと思いました。『アポトーシス』はプログラム細胞死という意味。歌詞の中にもあるように、来年また美しい葉っぱをつけるために落ち葉になって枯れていくとか、オタマジャクシがカエルになるときにしっぽを自ら殺して大人になっていくとかそういう意味らしいんですよ。その意味を知った上でこのイントロのフレーズなんですけど、(ピアノで実演)」
「すごいきれいなフレーズですよね。ただイントロの音色がすごく不思議な音だったと思いません?最初『アポトーシス』って意味が全く分からず『なんか変な音だなー』と思って聴いてたんですけど、その意味を知ったうえで聴くと、細胞を顕微鏡で覗いたときのなんか不思議な映像とか、お母さんの体の中をエコー写真で子供が動いてるような風にも見えるし、すごく神秘的に聴こえたんです。
その理由は音色にもあると思うんですけど、最初聴いたとき、二胡かな、シンセでもないし...ボイスサンプルか何かか...?でも何だろう...と思って(藤原)聡(Official髭男dism Vo.)に訊いたんですよ。そしたらボイスサンプルをコンピュータで魔改造して世の中に全くない音を作ったらしいんです。
(イントロの)キーはA(イ長調)の1コード。その中で音階をやってるだけなんですけど、(実演)じつはこの中に何かが隠されていて......(実演)......音階を下がっていってるんですよ。キラキラと下がっていって、新しい命が舞い降りてくるような感じに僕は聴こえたんです。落ち葉が散っていくようにも聴こえるし。すごく神秘的な音階に聴こえたんですよね、それを知った上で聴くと。
これ(イントロ)、ピアノだけでやれば普通にきれいなメロディーなんですけど、これをあの音色でやる意味が絶対あったと思うんですよ。」
「で、このイントロを経て、Aメロに行くんですけど、(実演)Aメロ頭では3つ音階を上り、Bメロ頭ではさらに3つ足して6つ上ったんです。3つ上ってるんだけど、実は転調していてキーは3つ下がっている(A→F#)。さらにサビで9つ上る。また3つ足されてるんです。これがまさに人生を重ねていくかのように、2人の人生の年輪を重ねていくかのように聴こえる。キーはさらにまた3つ下がってるんですよ(F#→E♭)。3度下に転調するのはジャズでよくある転調なんですけど、比較的ポップスに組み込むのは難しい転調なのにそれをいとも簡単にこの曲の中でやっていて。
キーは3度ずつ下がりながら音階は少しずつ足されていくのが、まるで生死の対比のようにも感じるし、パートナーの男女の対比にも感じるし。人生でいろいろ起こる喜怒哀楽だったり、そんなところを歌詞とともに音楽でも表現しているように僕は感じたんです。」<
「さらに、また”階段”があるんです。(実演)サビでは今度は和声で階段があるんです。最後にドーンと希望が溢れる音で解決(E)するんですけど。この作曲の技法っていうのは1年かけて本当に壊れそうな精巧なものを丁寧に丁寧に美しいものを作り続けた感じが伝わるんですよ。
今は『毎月リリース』とか『3週間に一度リリース』とかそういうのがトレンドで、リリースのスピードがどんどん速くなっていくかつ3分以内の曲がトレンドの中で、1年かけて、しかも6分半あるんですこの曲。めちゃくちゃ抗ってると思うんです実は。
そういう意味で、この曲はヒゲダンのなかでも実は再生数はけっこう低いんですけど、それでも彼のこの曲を作りたかったって気持ち、芸術家としての心意気みたいなものにも感動したし、メンバーの持つ音楽的な力強さとか優しさとか、いろんなものを感じて僕は本当に感動しました。もう1位に選ばざるを得ないですこれは。」
2位 勿忘 / Awesome City Club
2021年 紅白歌合戦 初出場!!
男女混声3人組バンド
「J-POPの可能性を感じさせてくれる偉大な曲!!」
Awesome City Club:幅広いルーツをMIXした音楽性を持つ、男女ツインヴォーカルの3人グループ。2015年4月に1stミニアルバムをリリースしiTunesロックチャートで1位を獲得するなど話題を呼んだ。第63回日本レコード大賞「優秀作品賞」を受賞、さらに第72回 NHK紅白歌合戦への初出場を果たした。
「一聴して誰もが名曲と感じる曲だと思いますが、サビは4563進行(Am7→B→C#m7→E/G#)という典型的なJ-POPのフォーマットで作られています。しかし、まったくそう感じさせないのは、メロディーの運び方、一音一音の音色のチョイス、全体のアレンジ力にあると思います。」
「俳句の五七五のように、ある程度のルールが決まった中でいかに新しく、面白く、美しいものをつくれるかというのは、誰も体験したことがない新たな型を作ることと同じように至難の業だと思います。」
「(『勿忘』は)本当に典型的なJ-POPですね。頭の方はちょっと難しいコードを使っているとはいえ、典型的な曲なんですよ。」
(同じく4563進行を使った楽曲:『紅蓮華』『Swallowtaik Butterfly~あいのうた~』『春よ、来い』『戦場のメリークリスマス』『小さな恋のうた』)
「だけど、全くそう聴かせないのは、やっぱり一音一音のチョイス。こういう曲っていうのはやっぱり昔から結構あって、例えばYEN TOWN BANDの『Swallowtaik Butterfly~あいのうた~』なんか特にすごく似てるんですよ。コード進行も一緒だし、使ってる楽器もドラム・ベース・ギターにウーリッツァー(ビンテージのエレクトリックピアノ)とストリングス。すごく似てるんだけど刻み方も違うしメロディーラインも少し違って、サウンドのアプローチはちゃんと2020年代のサウンドにアップデートされていて。そういった点で、こういうメロディーってやっぱり日本人に普遍的なもので、今の世代でも、ちゃんと今の装いにしてあげればヒットするんだなっていうのがわかって。純粋に日本の歌謡曲としてめちゃくちゃいい曲だなと思いました。」
3位 しわあわせ / Vaundy
作詞作曲からアレンジ
デザインから映像ディレクションまで
すべてをこなすマルチアーティスト
「非凡な才能が遺憾無く発揮された超大作!!」
「常に高い完成度でジャンルレスな幅広い楽曲を発表し続けているVaundyの中でも、彼のJ-POPのエモーショナルな部分が爆発した曲です。」
「多彩な歌唱表現で自身の歌声の魅力を最大限に活かしたメロディーラインになっており、Vaundyの作詞、作曲、プロデュース、そして歌唱表現とあらゆる総合力の高さ、非凡さが遺憾なく発揮された超大作です。」
「先週(いしわたり)淳治君が言っていたことが凄くわかる。すごく何でもできるから、何が本当のVaundyなのかがわからなかったんだけども、そういうところもすべて乗り越えて、俺のど真ん中のヤツが来た。サイコー、すげー!と思った。」
4位 Presence 全作品 / STUTS & 松たか子 with 3exes
2021年を代表する
メディアミックス作品
『Presence』:「大豆田とわ子と三人の元夫」主題歌として、MPCプレイヤーSTUTSがプロデュース。5人のラッパーをフィーチャリングに迎え、毎週変わるエンディングが話題に。
「ヒップホップとオルタナティブとお茶の間の架け橋!!」
「最前線のHIP HOPプロデューサーとラッパー陣が出演俳優と競演したバージョンを週替わりでエンディングに放送するという、2021年最高のメディアミックス作品でした。『よくぞ、このメンバーを集めてくれた』とうなったリスナーも多いのではないでしょうか。これを可能にさせているのは脚本家の坂元裕二さん、松たか子さんという国民的作品を作り続けながらオルタナティブであり続けている存在が大きいと思います。」
「これはもちろん楽曲もよかったんですけど、この企画自体が非常に面白かったと思って。テレビって見なくなっちゃってる人も増えてきてるじゃないですか。(世の中に)刺激が多くて。例えばNetflixで『イントロをスキップ』してしまうくらい。Yaffleくんが先週言ってくれたように「隙間をどんどん省いていって余白がないものが(今のトレンド)」。どんどん刺激を求めているなかで、テレビで毎週「来週どうなるんだろう?」とこれだけワクワクさせてくれる。それにしかもラッパーが参加して、POPプロデューサーのSTUTS君が、さらに最高の劇伴・坂東(祐大)君の曲をサンプリングして使うっていうのは、あらゆる層がたまらなかったと思うんですよ。ドラマ好きも、松たか子さんのファンも、俳優のファンも、HIPHOPのファンも。」
「ドラマの劇伴を担当している坂東祐大って、米津(玄師)さんとかの作品にも参加しているようにポップスもやってるんですけど、メインは現代音楽のバキバキのアーティスティックな方向の作曲家さんなので、その人が作った劇伴に対してSTUTS君がストリートのアイコンとしてのヒップホップをぶつけて、そこにいろんなラッパーを呼んでいくっていうっていうのもそうだし。STUTS君の場合"flow"っていうか『始めがあって終わりがある』、そこに流れているから意味があるような音楽っていうか。だから(韻のように)語尾を切り取るっていうような音楽じゃないんですよね。っていうのも素晴らしいなと思って聴いてました。」(Yaffle)
坂東祐大:ドラマの劇伴を担当。東京藝術大学 作曲科を首席卒業。同大学院 修了。2014年 第83回 日本音楽コンクール 作曲部門 第3位。米津玄師の作品に共同編曲で参加。
5位 爆ぜる色彩 / 浦上想起
業界で注目度が急速に高まる
多重録音・打ち込み音楽家
「天才の脳内世界に包まれる、鮮やかな快作!!」
浦上想起:2019年 音楽活動を開始した多重録音・打ち込み音楽家。くるり 岸田繁など様々なアーティストからの評価を受ける。
「2021年、一番ワクワクした曲です。浦上君の曲は、まさにタイトルにある通り色彩豊かで才能が爆発しており、リスナーの世界を信じられないほど華やかに彩ります。バックグラウンドにジャズがあるのは間違いないですが、オーケストレーションの多彩さから、ラヴェルあたりのクラシックやミュージカル的要素もありそうで、一度会って話を聞いてみたい人です。」
「浦上さんは本当に複雑なコードをいっぱい使うんですけど、聞き取れなかったんですみません(解説を)諦めます!!w」
6位 太陽 / ちゃんみな
人気トリリンガルシンガーが
新たな一面を見せた楽曲
「自由な境地を感じさせる、力強く愛ある楽曲」
この曲は昨年リリースのアルバム「ハレンチ」に収録。蔦谷曰くどの曲もそれまでのイメージを超える新たな挑戦がなされていたというが、中でも度肝を抜かれた曲がこの曲だという。
「トラップ調ハイハットは入りつつも『太陽だ』からのUKロックのような展開、J-POPらしい言葉のチョイスとメロディーへと発展する中でのちゃんみなの歌唱は美しく、敢えて若干前めで歌うタイム感も含め素晴らしい。これまでのキャリアを通して、己で切り拓いた自由な境地を感じさせてくれる力強く愛ある曲です。」
7位 Bada Bing Bada Boom feat. Zag SO-SO REMIX / Doul
18歳の若き女性アーティスト
世界トップのビートボクサーとコラボ
「世界を視野にした若き才能の化学反応」
Doul:福岡県出身の18歳。作詞作曲・スタイリング・映像など、すべてを自己プロデュース。全編英語の歌詞で、デビュー曲は世界90以上の国や地域で再生された。
SO-SO:1999年生まれ、ヒューマンビートボクサー。2019年、ポーランドで開催された世界大会「Grand BeatBox Battle」SOLO LOOP部門でトップ4入り。昨年、同世界大会のTAG TEAM LOOP部門で世界1位。
「20歳のBillie Eilish、18歳の The Kid LAROI、Olivia Rodrigoら世界を席巻する若手アーティストと日本のアーティストが肩を並べる日もそう遠くはないと思わせてくれるのがDoulです。」
「原曲にあったギターの音色以外は、すべてSO-SOによるビートボックスで、その技術は当然のことながらアイデアと全体の構成力には脱帽です。」
「どんなトラックになっても圧倒的な存在感を示すDoulの歌唱には、想像できないような大きな未来が広がっているように思えてなりません。」<<
8位 ライムライト / 宗藤竜太
繊細な歌声&文学的な歌詞!!
弾き語りのみで活動するシンガーソングライター「弾き語りで紡ぎだす2度と出会えない音楽」
宗藤竜太:2014年、"もののあわい"名義で弾き語りを開始。ギターサポート、ゲストボーカルとしても活動していたが、2018年、名義を"宗藤 竜太"に改め、弾き語りでのみ活動。
「歌詞の中で『こんな素晴らしい音楽は二度と出会えない』とありますが、まさにそんな気持ちにさせる美しい楽曲です。細かな転調や複雑な和声の中にも流れるような美しいメロディーと言葉を乗せることで、全く難しく聞かせず宗藤竜太の音楽世界に没入できます。途中の#11thのメロディーにアラン・メンケンを聴いてきたという彼のルーツも見えて、非常に興味深いです。」
「狭い空間で目の前で歌いかけているような録音も素晴らしい。」
「すごいシンプルな音楽なので、音像が豊かな感じではないけれど、マイク一本で録ったような音の臨場感も含めて、逆に目立つ。インタビューとかを見ているとアラン・メンケン(2年連続アカデミー賞、「美女と野獣」「アラジン」など多くのディズニー映画音楽を手掛ける作曲家。)を聴いていたという。#11thの音は(5thに)半音で当たってるのですごい緊張感がある。そして(ドミナントで)緩和。半世紀も前からあるようなもので、目立つから使うとバレちゃう。たしかに"ひとりで待ってたんだよ"の部分を聴くと、一瞬アラン・メンケンっぽさを感じる」
「アラン・メンケンは天才的な作曲家で、メロディーは美しいまま自由自在に転調したりする。彼もそういうのを受け継いでいる感じ。本当に細かい和声のチェンジがある。」
「シンプルな音楽が2010年代ずっと続いていたんだけど、SNSとかが成熟してきて、ジャズシーン・ヒップホップシーンとかいろんなものが密接につながり合うことによって、どんどん複雑な音楽とシンプルな音楽がつながってったりとか。星野源の『不思議』とかOfficial髭男dismの『Cry Baby』とか複雑な曲が普通にポップスになる。なんかそういう流れも感じる。」<<
9位 MUSIC / LEX
英語&日本語を巧みに操る!!
若者から絶大な支持を得る19歳のラッパー
「ルールを塗り替える新基準のラップスター!」
LEX:神奈川県出身、19歳のラッパー。
最新アルバム「LOGIC」収録曲。
「どんなジャンルでもその成長過程において「こうあるべき」みたいなルールが出来て、当初持っていた自由を失っていき、しきたりのようなものが生まれてしまいがちですが、そのルールやしきたりを軽々と塗り替える新たな基準と価値を生み出しているのがLEXです。
この曲では見事なメロディーセンスと歌唱を聴かせていて、ラップでも歌でも自由自在にLEXにしか表現できないまさに「MUSIC」というタイトルがぴったりの曲です。」「"ラッパー"のイメージが変わってきてると思う。ドレイクあたりから歌うのが当たり前になってきている。LEXの場合は、歌も本当に上手いし、声の出し方も多彩。ビブラートの使い方も独特だし、シャウトに近い歌唱をしたりとか、とにかくカッコイイ。」
10位 New Day (feat. Sweet William) / kiki vivi lily
様々なアーティストとコラボも!!
甘い歌声の女性シンガーソングライター「2020年代の象徴的シンガーソングライター!!」
kiki vivi lily:福岡県出身。スペインで公演を行うなど、グローバルに活動の場を広げる。2020年nobodyknows+との「ココロオドル」コラボも話題に。
「70年代から80年代のニューミュージックを彷彿させるようなクセになるソングライティングが魅力的ですが、一方でHIP HOPなどどんなサウンドにも調和する親和性が、とても今の時代の雰囲気を纏っていると思います。現在日本屈指のトラックメイカーのSweet Williamによるジャジーなビートに、歌ともラップともとれるような歌唱が最高に気持ち良い楽曲です。」
選曲傾向分析・蔦谷好位置
・「王道」に敢えて「ひねり」を
「定番」「王道」の中に、敢えて不調和なもの・ひねりを入れる遊び心・ギミックが大好き。しっかりした基礎を持ちながら奇想天外な発想ができるミュージシャンを高く評価している
・サウンドデザインに敏感
彼自身も世界の新しい音をかなり貪欲に吸収して楽曲に取り入れている。そのせいか、同じように「世界の音」を自分のフィルターを通して自分なりに昇華した耳新しいサウンドには目がない
・メロディー、サウンド、言葉遊び
いしわたりさんに比べると歌詞よりメロディー・サウンドに重きを置いている。歌詞というよりは韻やラップといった「言葉遊び」が好物な印象
・音楽は単なる「音の羅列」ではない
音楽に対する愛情、音楽の使命、音楽との向き合い方、ミュージシャンと世の中の関係......そういったものをものすごく深く考えているプロデューサーだなと改めて感じる。だからこそそういう曲を世に出す、その勇気に尊敬の意を強く示す。
・移動中にはラジオを流している
移動中にラジオを流していることが多いという。実際に、2017年2位の『Tell Me Baby』(Official髭男dism)はラジオで出会っている。またtwitterでも「めっちゃかっこいい曲ラジオから流れて来たと思ったら......」の枕詞で名曲との出会いをよく呟くことからもラジオのヘビーリスナーであることが伺える。
めっちゃかっこいい曲ラジオから流れて来たと思ったらライムスの新曲だった。future is born、mabanuaプロデュース。
— 蔦谷好位置 Koichi Tsutaya (@KoichiTsutaya) 2017年8月30日
初めてラジオから流れてきたときブルーノマーズの新曲かと思ったわい
— 蔦谷好位置 Koichi Tsutaya (@KoichiTsutaya) 2017年8月25日
ちなみに蔦谷さんはタクシーで「ニオイ攻撃」を受けやすいという特性を持っています(閑話休題)
タクシーの運転手の口臭がヤバすぎる!
— 蔦谷好位置 Koichi Tsutaya (@KoichiTsutaya) 2015年2月3日
窓空けたら寒いし帰国してさっそく受難… pic.twitter.com/q1DxzKqwzH
タクシーの運転手がだいぶ臭い屁をしたようでツラい
— 蔦谷好位置 Koichi Tsutaya (@KoichiTsutaya) 2016年3月15日
【いしわたり淳治】
過去選曲・コメント抜粋
※各年代をクリックすると選曲とコメントが見れます
1位 Have a nice day / 西野カナ
西野カナという人は天才だと思います。彼女の歌は単なる自己表現では終わっていなくて「こんな歌があったら、誰かの暮らしがちょっと良い感じになるんじゃないか」という視点を常に持っている感じがして素敵です。
「行ってきます」「行ってらっしゃい」とか、誰もが普段口にする言葉を歌に盛り込むセンスも素晴らしく、“キャッチーの金太郎飴状態”というか、どこを切ってもキャッチーが見え隠れする名曲です。
流行語が歌から生まれなくなっているように感じる昨今、ミュージシャンは自分の気持ちを歌って表現するところがゴールになってしまっている。その曲が世の中でどう機能するか、誰の生活のBGMになるか、まで考えが及んでいないことが増えているように感じる。西野カナさんの特別なところは、その視点が絶対的にあるところ。どうやったら誰かの暮らしのBGMになるかを常に考えて曲が作られている。
例えばLINEのスタンプで考えてみると、LINEスタンプの「ありがとう」「了解」「今行きます」などを打つ時に、その人の頭の中でBGMが流れるかもしれない。そういう曲があればいいのに、と思ってしまう。
それを考えてこの曲の歌詞を見てみると、「ドンマイ ドンマイ」「これも運命」「がんばれ私!」「がんばれ今日も」「行ってきます」「行ってらっしゃい」「いい感じ!」。LINEスタンプになりそうな言葉が溢れている。この曲が一日の誰かの生活の中で流れるチャンスは意外と多く、世の中でとても機能する曲だと感じた。
2位 みんながみんな英雄 / AI
昨今のミュージシャンは作詞や作曲を自己表現だと思っている人が多くて、もちろん それも間違いではないけれど、そういう自我みたいなものが逆に世の中に流行歌が生まれにくくしている一因かもしれないな、とも思います。
この歌は“世の中で広く聴かれる歌”という意識の下で、誰もが口ずさめるメロディーにシンプルで力強い歌詞が書かれていて、とても新鮮に聴こえます。
広く世間に流れてみんなが笑顔になる歌を作ろうと思ったとき、なかなかに難しいことだと実感する。それをできるミュージシャンが減ってきていると感じる中で、この曲は同じauのCMとして作られた「海の声」も作詞した広告代理店出身のCMプランナー 篠原誠さんが作詞している。
なので、広告のキャッチコピーのように多くの人に触れることを強く意識して言葉が並んでいるのが伝わってきて、他の広い歌より心に入ってくるように感じた。
「前前前世」なんていう“これまでに存在していなかった言葉”をサビの頭にする凄さ。しかも これまでになかった言葉なのに、誰もが意味が分かる言葉を見つけるセンス。野田洋次郎のそんなキャッチーを見つける才能が素敵です。
4位 STAY TUNE / Suchmos
2016年を象徴しているアーティストかもしれません。アーバン(都会的)でオシャレな音楽。SNSが全盛の昨今、オシャレなご飯を、オシャレな風景を、オシャレな写真加工アプリで、オシャレに見せたい。Suchmosのブレイクは、そんな「オシャレへの憧れ」みたいな感覚が ついには音楽にも及んだからなのかもしれないな、と思いました。
5位 蝶々結び / Aimer
誰でも知っている蝶々結びを作る手順・特徴をそのまま歌詞にして歌うという衝撃。
だけど、その「蝶々結び」が人間関係における何かの隠喩であることを聴いているうちに何となく察して、気がつくと歌の中に引き込まれているという素敵な表現技術の歌詞。
6位 ラヴ・イズ・オーヴァー / JUJU
現代は“良い曲が見つけにくい時代”なのかもしれません。
過去に名曲がたくさんあることは知っている。だけど どこからどうやって聴いていいか分からない人にとって、有名アーティストが過去の名曲をカバーすることで現代の音楽の視点とは違う歌謡曲ならではの良さが再発見されるのは、とても良いことだと思います。
7位 PREFECT HUMAN / RADIO FISH
ミュージシャンたちに課題を突き付けた一曲。お笑い芸人のように頻繁にテレビに出て喋るわけにもいかないミュージシャン達にとって世間に対して広く自己紹介するのは、いい曲を痛るよりも時間と手間がかかる作業です。その点、オリエンタルラジオはすでにお笑い芸人として自己紹介が終わっているわけですから、キャッチ―な曲を作ったら、このようにバズる(ネットで拡散)ということではないのかと思いました。
8位 金の愛、銀の愛 / SKE48
この曲は「金の斧と銀の斧」という誰もが知っている童話を恋愛の物語に落とし込んで、説明をしなくても主人公の心理描写が展開されている。このモチーフを見つけるのが難しい。
9位 魔法って言っていいかな? / 平井堅
サビの「君を笑顔にする魔法はいくつか持ってるんだ」の後に続くエピソードの部分が好きです。
「帰り道の犬の鳴き真似 あの日の本音 君の寝言の話 そして大好きのキス」
曲は誰かの暮らしの中で機能することが大切です。この曲を聴いた恋人たちが、サビの後半の部分を個人的なエピソードに”替え歌”することができるような気がして素敵です。初めて聴いた瞬間、恋人たちの日常の「素敵なツール」になる可能性を秘めているような気がしました。
10位 My Boo / 清水翔太
ラブソングは、「私のこと どれくらい好き?」という質問に対する答えのようなものだと思っています。この質問は非常に難しい質問です。でも、それがラブソングの肝だと思います。
この歌は「今まで色んな人と会って 自分がどういう男かって本当の意味で理解させてくれた子はいない 君以外」という部分がそれに相当すると思うのですが、大げさ過ぎず狭すぎず いい感じで「愛してる」の感情が歌われていて好きです。
1位 呼吸 / 菅田将暉
いつからか日本の音楽は、アーティストと呼ばれる人たちの自己表現の場になってしまいましたが、かつては「役を演じるプロ」である俳優ならではの歌というのがたくさんありました。菅田将暉の歌を聴いていると、忘れかけていたその感覚が帰ってくる感じがします。
演じるという意識が入ったちょっとキザな雰囲気、ざらざらした声の質感、凛とした立ち姿、そのどれもが今の日本の音楽には新鮮に映ります。彼の歌や佇まいには、日本の若い世代に対する新しい音楽の可能性が詰まっている感じがします。
2位 TT / TWICE
本来なら声に出して読むはずのない「TT」という泣き顔の絵文字を
声に出して読んだらこんなにもキャッチーに聞こえるんだという衝撃。
その逆転の発想に驚きました。
3位 魔法のように / SHISHAMO
「鏡の中の私は きっと誰よりもかわいい」で終わるのではなく「そう思えますように」で終わるところが素敵です。
ほとんどの若者は、みんなが顔文字をつけて文章を打ちます。その意味で、この「そう思えますように」は、ある種の言葉の顔文字のような役割をしている気がします。
4位 避雷針 / 欅坂46
アイドルなのに文学的。
サビで3回「ネガティブ」と連呼した直後に「僕が盾になるしかない」とポジティブに切り返してからの「そばで立っててやるよ 悪意からの避雷針」というたたみ掛け方、作詞技術として見事です。
サビラスト数行で一気にポジティブに帰結しているセンスとテクニックがすごい。
5位 少しでいいから殴らせて / DADARAY
川谷絵音という人は、意識的にキャッチーを作るのが本当にうまい。この歌詞も「殴らせて」だけじゃ簡単に怖いだけ。彼はそこに「少しでいいから」とつける。
それによって「少しでいいから」と「殴らせて」の間にちょっとした人間味が生まれている気がします。川谷絵音という天才の凄さを再確認した一曲です。
6位 残ってる / 吉澤嘉代子
多くの人が経験があるだろう、朝帰りのあの感じ。
帰りたくない、隣で眠っていたい、と直接的、感情的に書くのではなく、素直に帰りながら「まだあなたが残ってる」と表現するセンスに彼女の美学を感じます。
この「あなたが残ってる」という言葉は、聞き手がそれぞれの「あなた」像をしまえるしっかりした造りの棚になっている気がします。
7位 ステップアップLOVE / DAOKO×岡村靖幸
近年のJ-POPの歌詞は、歌詞の内容を問われる時代が長らく続いていたような気がします。でも昨今はHIP-HOPの勢いが増していて、J-POPの歌詞も徐々に言葉遊びや韻の面白さというのが再びスポットライトを浴び始めている気がします。
随所で美しく生まれた韻、特にサビの「いろは」と「異論反論」歌詞の展開、歌いっぷり、超一流のセンスを感じました。
8位 おとなの掟 / Doughnuts Hole
大人だから当然、恋愛の酸いも甘いもわかっている。でもだからと言って物分かりがいいわけではない、というトーンで最初から最後まで意味深に進む歌詞。
好きだの嫌いだのと白黒つけない、文字通りのグレーな感情を、グレーのグラデーションだけで一曲書き上げてしまう技術はさすがの一言。
9位 君はロックを聴かない / あいみょん
「ロックを聴かない人」と「ロックを聴く人」は明らかに違う人種だという実感のある世代が書いた歌詞という感じがして、新鮮に聴こえました。
たくさんの要素を、たった一言で表現できていて、この言葉を見つけて歌にした彼女の感覚が素晴らしい。
10位 ルポルタージュ / 高橋優
優しい歌と激しい歌が全く並列で同居している珍しいタイプのシンガー。この歌は彼の激しいサイドの曲。
ものすごい筆圧で、綺麗な心で汚い言葉を書いている感じがします。言葉にも歌にも、まるで一筆書きのような緊張感が漂っていて素敵です。
1位 かわE / ヤバイTシャツ屋さん
サビの「かわE 越して かわF やんけ!」「恥ずかC 越えて 恥ずかD やんけ!」という言葉遊びが爽快です。
「〇〇E 越して 〇〇F やんけ!」「〇〇C 越えて 〇〇D やんけ!」という言葉は日常生活で使えるシーンも多く、これが世間に広まれば音楽が流行語を取り戻す可能性を秘めた一曲だと思いました。
サビの歌詞が、まるでどこかのファッションビルの広告コピーのよう。無駄のない美しい言葉が素敵だと思いました。また、サビの歌詞はネガティブなのに全体の物語はふわっとしたポジティブな話。この主人公が どのような悩みを抱えているかあえて書かない。
このようなサビの歌詞はAメロ Bメロで主人公の悩みや何が起きたかを書くのが長年のスタンダードとされてきたが、この曲はそれをやっていない引き算的なアプローチが粋に感じます。
3位 初恋 / 宇多田ヒカル
昨年を振り返ったとき真っ先に思いついたのが この曲でした。これまで どこか悲しげな歌詞が多い印象でしたが、最近の彼女の歌は力を抜いて たくましく前を向いている。そして真正面から日本語と向き合う覚悟や心意気のようなものを感じます。
4位 This Is Me / Keala Settle & The Greatest Showman Ensemble
初めて聴いた時から今日まで、何度聴いても鳥肌が立ちます。「This」「Is」「Me」(これが私なの)という英語の基礎中の基礎、小学生でも分かる3つの単語をシンプルに並べただけで、これほどの強いメッセージを作り上げた、奇跡のような一曲だと思いました。
5位 ちいさな英雄 / 木村カエラ
「いいのかなー いいのかな せーんせいにーいってやろー」にも似た誰もが一度聴いたら覚えてしまうこのメロディーに、シンプルに「あそぼ あそぼ ちいさな英雄 あそぼう」とのせるセンスが素晴らしい。
6位 平成の男 / 清竜人
いつからか日本の歌謡曲ならではの、哀愁漂う粋でキザな歌は消えてしまいました。「俺じゃなきゃ 貴方を守れないと せめてもの勘違いさせてはくれないか」こんな角度の愛のメッセージは他のアーティストでは聴くことができません。
7位 あなたとトゥラッタッタ ♪ / DREAMS COME TRUE
「もらい泣き」「笑い」「怒り」ときて、最後に「もらいっ恥じ」と来る。これが凄い。人間の喜怒哀楽を動作に置き換えるとき笑い(喜)、怒り、泣き(哀)まではいけても「楽」で行き詰まってしまいがち。楽を「恥」に置き換え、「恥をかくのもあなたとなら楽しい」という愛のメッセージとして記したラブソングはこれまで無かったのではないでしょうか。
8位 悲しみのそばに / Hump Back
音楽を自己表現のツールとして使う人も増えた昨今、彼女たちはちゃんと音楽というものに憧れている。だからか どんなに後ろ向きな言葉を書いても、彼女たちの音楽からは果てしない希望を感じます。心が洗われるような清々しい音楽です。
9位 別の人の彼女になったよ / wacci
普通ならば口に出すことのないであろう「別の人の彼女になったよ」この言葉を見つけたセンスが素晴らしいです。
10位 花火の魔法 / 杏沙子
サビの「花火の魔法にかかってしまえ わたしの病を患ってしまえ」という表現、「あなたのこと火傷させたいです。」というサビの仕舞い方、とても上手いと思いました。
1位 us / milet
彼女の歌う日本語は特徴的で聴いた時の言葉の意味が薄くて、言葉が音としてだけ存在している感じです。彼女の時代の幕開けを感じます。
2位 だっせー恋ばっかしやがって / 忘れらんねえよ
自虐的失恋ソングの傑作。「これぞモテない男性の心情」。痛快なメロディーと痛烈なフレーズが頭の先から心を貫くように突き刺さって、明日の支えになる。
最近はここまで恋愛にしっかり寄せたデュエットソングはなかった。歌の中の2人の関係性が切なく、「まだ名前のついていない恋愛模様」が描かれているようで素敵です。
4位 愛にできることはまだあるかい / RADWIMPS
作詞には分かっていることをあえて疑問形にすることでインパクトを出す効果があります。切なくて悲しいからといって「切なくて悲しいよ」とストレートに書けばいいというわけではなく、「どうして空は青いの」と遠回しな方がより表現できたりする。
この「愛にできることはまだあるかい」というフレーズが「今でもまだ愛しているよ」という表現では、凡庸な歌になっていたと思います。
彼は同じ意味であっても、言葉の角度を変えて耳新しさを出す天才です。
5位 ロマンチシズム / Mrs. GREEN APPLE
自分の峯の中にある恋心から壮大な人間賛歌まで1コーラスわずか10秒で一気に駆け上がる。聴き手を飽きさせない、スピード感のある展開、それでいてその"急展開"に違和感がないのが凄い。
6位 ズルいよ、ズルいね / =LOVE
指原莉乃の作詞家としての才能の凄さを知らしめた楽曲。物語を創る力、映像描写のカメラワーク、展開、言葉のセンス、たまに書き込まれる哲学的視点。指原さんは作詞家として凄く才能があると思います。出発点とゴールがちゃんと見えている人の歌詞。「ここを聴かせたい」が凄いわかる・秋元康さんイズムという感じ。
7位 兵、走る / B'z
「ゴールはここじゃない まだ終わりじゃない」という言葉が、日本代表の姿と重なって、勝つたびにこの曲がヒットチャートを駆け上がる。それが今の時代らしいヒットの仕方だと思います。そして、いつも斜め上をいくB'zのタイトルセンスには脱帽です。
8位 未来になれなかったあの夜に / amazarashi
彼は本物の詩人だなとつくづく思います。
ひとつひとつの音符に、丁寧に真摯に置かれていく鋭い言葉を聴いていると、いつも日本語の可能性の向こう側を覗いているような清々しい気持ちになります。
9位 HAPPY BIRTHDAY / back number
自嘲気味にハッピーバースデーを言う寂しさと片想いの虚しさの1+1の足し算が3にも4にもなっている感じがします。
こういった優れたシチュエーションの足し算をみつける感覚も素晴らしいのですが、「くだらない話は思いつくのに 君を抱き締めていい理由だけが見付からない」といった印象的なフレーズうぃ紡ぐセンスも凄い。
10位 だらん / 槇原敬之
「何度はぐしても君の両手がだらんと下がったまま」という2人の関係を象徴するワンフレーズをビシッと見つけてさらりと書くセンス素敵です。
1位 ハルジオン / YOASOBI
メロディーやアレンジ、声の美しさはもちろん素晴らしいのですが、作詞家的に彼らに一番衝撃を受けたのは、歌詞が小説とリンクしている点です。一つの小説にオートクチュールで歌を作るというこのスタイルは、これまでの多くの人に似合う既製品の服を作るような楽曲制作とは全く別のベクトルの新しい"発明"だと思いました。
2位 何なんw / 藤井風
大人っぽいメロディーとアレンジ、少し脱力な歌詞と歌唱のバランス感覚が素晴らしいです。一人称は「僕」や「俺」ではなく「ワシ」、そして「あの時の涙は何じゃったん」など方言のフレーズにしたことで生まれる言葉のリズム感を上手く使っています。
3位 パレード / MIZ
この曲は日本語のような、外国語のような、あるいは異世界の言葉のような。耳慣れない不思議な言葉で歌われています。これは彼らの出身地、八丈島の方言だそうであたたかく、どこか懐かしい音楽に仕上がっています。
4位 浮気されたけどまだ好きって曲。 / りりあ
この「浮気されたけどまだ好きって曲。」という事実を事務的に並べたようなぶっきらぼうなタイトルは、心に空いた穴の大きさ、虚無感や放心状態をとてもよく表していて素晴らしいと思いました。サビの「汚れた君は嫌いだ。君を汚したあいつも嫌いだ。」という短いワードで、主人公の若さや純粋さを上手く表現しているのも秀逸だなと思いました。
5位 Make you happy / NiziU
親しみやすいサビのフレーズがこのグループを象徴。オーディション密着番組によって、デビュー前から多くの人は彼女たちの人柄に「親しみ」を持っていたと思いますが、サビの「あ~もう!笑ってほしい」というフレーズはそんな彼女たちの「親しみやすさ」を象徴するような素晴らしいワードだと思いました。
6位 ボイスメモ No.5 / ちゃんみな
日記や写真など、恋愛において心を搔き乱す"引き金"になる小物はこれまでも歌の中にたくさん登場してきましたが、スマホの「ボイスメモ」を用いたのには新しさを感じました。
誰でも似合うワードではないですが、ミュージシャンである彼女のキャラクターにクールなワードがよく似合っていて、歌としての真実味を醸し出していて素敵です。
7位 ラブアース / 50TA
これまでJ-POPにも「体の中から力が湧いてくる」という歌はたくさんありましたが、「感じた事ない力が 体中から あふれてくる」と歌いきった後で「何コレ?すっごーい!」とその湧いてきた力に対して感想まで歌った曲は初めてではないかと思います。
8位 背中合わせ / GOOD ON THE REEL
サビの「背中合わせ 合わせられる距離なら 向かい合えるはずだった」というフレーズが好きです。とても大切なことを、とても簡潔に、美しく表現できていて素敵です。個人的に「無意識でふと口ずさんでいたフレーズランキング2020 1位」だったような気がします。
9位 ポケットからキュンです! / ひらめ
音楽は誰かの毎日の中で機能するのが一番大事だと思います。この歌が、何気ない日常の中にある「キュン♡」な瞬間のBGMとして若者たちの毎日の中で機能している様子は、弾き語りからポッと生まれた小さな音楽の1つの幸せなゴールを見ているような感覚がしました。
10位 サーチライト / 秋山黄色
世の中は段々複雑な音楽が主流になってきましたが、シンプルなロックってやっぱり気持ちが良いものなのだと改めて思いました。こういう青い春の風の中を前だけ見て駆け抜けるような音楽は、いつどんな時代であっても必要な気がします。
選曲傾向分析・いしわたり淳治
・音楽は単なる自己表現で終わってはいけない
「曲は誰かの暮らしの中で機能することが大切」という信念。これがこの企画を通して彼が一番伝えたいことなのだと思う。「誰かの暮らしのBGMになってこその音楽」。
・作詞家の目線
今までの歌詞では歌わなれかったような新しい視点・言葉の定義・景色の切り取り方・喩え方を讃える。「今まで歌われてこなかった」ということは「発見されていなかった」ということでそれを見つけるのはかなり難しい
・音楽から流行語を
彼は作詞家としてだれよりも「"キャッチー"の大事さ」を感じている一人。だからこそ音楽から新しい言葉が、ひいては音楽から流行語が、生まれ出てほしいと願い、その原動力となるポテンシャルがある曲やアーティストを高く評価している
・ミュージシャンたちの課題
芸人の曲や一般人がSNSに投稿した曲がバズることが増えてきた。これを「今までのミュージシャン」への課題と捉え、彼らにも変化を求めている。
【佐藤千亜妃】
音楽遍歴
佐藤千亜妃は割とラジオやYouTube、SNSで好きな音楽について言及していることが多いので、比較的調べやすかった(去年のYaffleはマジで大変だった......)。
音楽のルーツ
・スガシカオ
・山崎まさよし
・宇多田ヒカル(『First Love』『サングラス』)
・椎名林檎
・19
・Alicia Keys
・Lauryn Hill
・Donny Hathaway
・THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
・黒夢
好きなアーティスト
・ゆず
・paionia
・小田和正
・ハナレグミ
・くるり(『春風』)
・toe
・CONDOR44
・65daysofstatic
・Portishead
・Bibio
・Girls
・The Radio Dept
・ACO(『悦びに咲く花』)
・田渕ひさ子(ギタリスト)
・Abe Laboriel, Jr.(ドラマー)
・NakamuraEmi
・BUMP OF CHICKEN(「Ever lasting lie」)
本人がSpotifyで作成していたプレイリスト
『Selected by 佐藤千亜妃:夜の散歩に聴きたい曲』
01. Special Voice / 佐藤千亜妃
02. エイリアンズ / KIRINJI
03. Sukidakara / UMI
04. Spartacus / INO hidefumi
05. Lovin'You / 佐藤千亜妃
06. Coincidence / KID FRESINO
07. ナイトクルージング / フィッシュマンズ
08. LAST DANCE / きのこ帝国
09. Probably Up / Lawrence
10. I Fall In Love Too Easily / Chet Baker
11. 愛のままに feat.唾奇 / BASI
12. サーカスナイト / 七尾旅人
13. 眠りの森 / 冨田ラボ&ハナレグミ
14. Spangle / 佐藤千亜妃
15. 異例のひと / 片平里菜
16. lak / 佐藤千亜妃
17. ジムノペディ 第1番 / エリック・サティ
18. 夜を抜けて / 君島大空
19. グライド / Lily Chou-Chou
20. nano / Spangle call Lilli line
21. PLANET / 佐藤千亜妃
(https://s.awa.fm/playlist/official.select.satochiaki.20191113)
Selected by 佐藤千亜妃:ほろよい気分で聴きたい曲(AWA プレイリスト)
1. 今夜はブギー・バック nice vocal × 水星 / kZm × 佐藤千亜妃
2. 何なんw / 藤井 風
3. RED / EOW
4. S.S.S. / 佐藤千亜妃
5. MAGIC LOVE / フィッシュマンズ
6. 微熱 / UA
7. 真夏の蝶番 / 佐藤千亜妃
8. 私以外も私 / ゲスの極み乙女
9. 愛を伝えたいだとか / あいみょん
10 .琥珀色の街、上海蟹の朝 / くるり
11. 夜をループ / 佐藤千亜妃
12. Baby UFO / 戦慄かなの
13. Dreaming Night / JO1
14. 東京フラッシュ / Vaundy
15. サーカスナイト / 七尾旅人
16. PAPER MOON / 佐藤千亜妃
17. HAYATOCHI-REMIX / 宇多田ヒカル
18. rhythm / iri
19. Summer Gate~edbl Remix~ / 佐藤千亜妃
20. tonight / 平井 大
(https://s.awa.fm/playlist/official.select.chiakisato.20220825)
『今後【VOICE】シリーズで歌っていきたい楽曲たち』(Apple Music)
1. 流星群(album version)/鬼束ちひろ
2. えりあし / aiko
3. First Love(Remastered 2014) / 宇多田ヒカル
4. 蝶々結び / Aimer
5. If I Ain't Got You / Alicia Keys
6. 木蘭の涙 / スターダスト☆レビュー
7. 飽和 / Lily Chou-Chou
8. ギプス / 椎名林檎
9. to U(Salyu ver.)/ Salyu
10. 片想い / 柴田淳
11. 痛いよ / 清竜人
12. ひこうき雲 / 荒井由実
13. サヨナラCOLOR / SUPER BUTTER DOG
選曲傾向分析・佐藤千亜妃
・R&Bがルーツ......女性ならAlicia Keys、男性だとDonny Hathaway。Alicia Keysや最近だとyamaのように「低い声をかっこよくコントロールして歌える女性への憧れ」がある。
・シティポップが大好きなんだな、という印象(それは作風からもうかがえるが)。
・「声フェチ」。インタビューによると「気になった歌い方を繰り返し聴いたりするのが昔からクセ」らしい。特に声が好きなのはJón Þór “Jónsi” Birgisson(ヨンシー)とハナレグミ。「ささやきボイスだけどちゃんと抜けてる」声を好む。
・「ライブの音響にこだわっているバンドが好き」。
まとめ
次回は ③「2022年マイベスト10」ガチ予想編、1/20(金)更新予定です。