【後半】2022年ベストソング100
2022年、何度も何度も聴いた100曲をまとめました
この記事は後半50曲(#51~100)です。
毎日10曲ずつ更新していきます。
前半はこちら:
目次
- #51. ひとりごつ / ハチワレ(CV:田中 誠人)
- #52. 恋だろ / wacci × 松下洸平(THE FIRST TAKE)
- #53. HAVE A NICE DAY / TENDRE
- #54. It's All For Us / Nulbarich
- #55. 月曜のダンス / YONA YONA WEEKENDERS
- #56. NIGHT DANCER / imase
- #57. 飛行船(THE FIRST TAKE)/ 三浦大知
- #58. What's up / Rin音、クボタカイ、asmi、A夏目
- #59. ナンバー / ポルノグラフィティ
- #60. オセロ / TOMOO
- #61. 体温 / 松下洸平
- #62. 潮風の人 / Laura day romance
- #63. ユメ ユメ ユメ / Awesome City Club
- #64. ジャージ / サバシスター
- #65. We Are The Future / KOTORI
- #66. Sauna / VULFPECK
- #67. 余韻愛好性 / 以津真天
- #68. Q / Tempalay
- #69. 紋白蝶 feat. 石原慎也(Saucy Dog)/ 東京スカパラダイスオーケストラ
- #70. mabataki / Vaundy
- #71. 夜をループ / 佐藤千亜妃
- #72. ラリー、ラリー feat. Pii, meiyo / MAISONdes
- #73. MELODY(prod. by BREIMEN)/ 岡野昭仁 × 井口理
- #74. 雲雀 / Pii
- #75. アイラブユー / back number
- #76. 돌고 돌아(Circles)/ SEVENTEEN
- #77. 光るとき feat. 君島大空(THE FIRST TAKE)/ 羊文学
- #78. あいまいでいいよ(THE FIRST TAKE)/ 羊文学
- #79. MOON / TENDRE
- #80. grace / 藤井風
- #81. Radio Star / Subway Daydream
- #82. 国(INSIDE THE FIRST TAKE supported by ahamo)/ 崎山創志
- #83. さよなら / 井上苑子, yonkey(原曲:オフコース)
- #84. おかしな気持ち / 小原綾斗とフランチャイズオーナー
- #85. 可愛くてごめん(feat. かぴ)/ HoneyWorks
- #86. アク / 秋山黄色
- #87. プレミアムワールド / 広瀬香美
- #88. 白 / 山内総一郎(フジファブリック)
- #89. 単焦点 / Penthouse
- #90. 生きろ / Mr.Children
- #91. 春は溶けて / indigo la End
- #92. 優しい手 ~ Gentle Hands / Original Love & TENDRE
- #93. ふつうとは / 東京事変
- #94. Landscape / 緑黄色社会
- #95. 惑う糸 / 菅田将暉(作詞作曲・Vaundy)
- #96. Subtitle / Official髭男dism
- #97. 鳴り響く限り / YUKI
- #98. Set Me Free / Klang Ruler
- #99. 888月 ~夏にも程がある~ / リサイタルズ(エース(しばゆー)/スター(としみつ)/カリスマ(てつや))
- #100. The sun and the moon / 藤井風
- 年末のご挨拶
- まとめ
- Spotifyプレイリスト
#51. ひとりごつ / ハチワレ(CV:田中 誠人)
#52. 恋だろ / wacci × 松下洸平(THE FIRST TAKE)
#53. HAVE A NICE DAY / TENDRE
#54. It's All For Us / Nulbarich
#55. 月曜のダンス / YONA YONA WEEKENDERS
#56. NIGHT DANCER / imase
#57. 飛行船(THE FIRST TAKE)/ 三浦大知
#58. What's up / Rin音、クボタカイ、asmi、A夏目
#59. ナンバー / ポルノグラフィティ
#60. オセロ / TOMOO
#61. 体温 / 松下洸平
俳優であり、シンガーソングライターでもある松下洸平が、初めての写真集『体温』を作っていく中で生まれた曲。彼自身も「俳優と歌手はモノづくり、クリエイトという意味では一つのこと」と話している通り、演じることと歌うことがまさにひとつの物語の上にのっている。俳優が歌う歌には「説得力」があるけれど、まさにこういうことなんだろうなと思う。写真集と曲がお互いの足りないところを補い合って完全体になっている。写真集に詰め込めなかった音と呼吸が、この曲にはパンパンに詰まっている。
#62. 潮風の人 / Laura day romance
間奏のギターがえげつなくカッコいい。クセが強すぎるメロディーなのに、ちゃんとカッコいい。
#63. ユメ ユメ ユメ / Awesome City Club
Awesome City Club・Atagiの書くバラードの何がいいかって、メロディーはもちろんだけどやっぱり歌詞。「切なさ」を咀嚼して咀嚼して咀嚼して咀嚼して極限までかみ砕いた言葉は誰にも真似できない。切ないバラードをたくさん生み出してるのに一つとして似通ってないのはAtagiの中の「切なさ」の解像度がものすごく高いから。
???「切なさって200種類あんねん」
#64. ジャージ / サバシスター
なんだこの「かわいさ」と「勢い」だけで幸せの押し売りしてくる感じ........《嘘つきはどっかで死ぬからお互い気をつけようね》の「怒らせたらガチでヤバい奴」感ある歌詞を満面の笑みで歌ってるMVも狂気に満ちてて大好き。
#65. We Are The Future / KOTORI
今まで真摯すぎるくらいに音楽を届けてきたKOTORIが歌う《We are the mucic.》の歌詞は、誰のどの歌詞よりもまっすぐに心に届く。彼らが《音楽で大切なものを守れますように》。
#66. Sauna / VULFPECK
知能派ミニマルファンクバンド・VULFPECKのインストナンバー。初めて聴いたとき「ブヤドゥパドゥッパ ゥ~ブヤプップップップップップ」で完全に思考がフリーズした。ちいかわ?実はこの曲インスト曲で、バンドに日本語で言うところの「ラララ......」を入れただけらしい。サウナで7人のオッサンが無心でファンクやってるMV見ながら脳内にちいかわ降臨して温度差で脳がトビます。そう、それこそが"サウナ"ってね......。
#67. 余韻愛好性 / 以津真天
とにかくリズム隊がかっこよすぎる曲。Ba. カケミズがサビで音程駆け下りていくのと対照的な、繊細なDr. 刈り上げ戦隊ピッツァーモのバスドラの響き。ものすごく癖になるし、刈り上げ戦隊ピッツァーモは名前の癖がすごい。
#68. Q / Tempalay
Tempalay、今まであんまり手を出してこなかったんですけどこれは沼るわ.......イカれたコード進行・ベースラインでさんざんリスナーを弄んでおきながら、この世のものとは思えないくらい美しいメロディーのサビで完全勝利してくる。
#69. 紋白蝶 feat. 石原慎也(Saucy Dog)/ 東京スカパラダイスオーケストラ
タイトルの「モンシロチョウ」は「純粋」の象徴、逆に歌詞に出てくる主人公は経験豊富で「不純」な存在。そんな主人公が甘い誘い文句で「モンシロチョウ」を連れ出し飼い慣らそうとしている......それを歌うのが「恋愛ソングの帝王」Saucy Dog・石原慎也。エロすぎて声出た。
#70. mabataki / Vaundy
《もし何も 忘れられない世界で
出会い会ってしまったら
憎み合うのはやめるだろうか》
《もし何も 覚えられない世界で
すれ違ってしまったら
振り向き合うようになるだろうか》
この曲の一番伝えたいことは一番最初のバースで歌われている。
「"瞬く一瞬"を忘れてしまいそうで、振り返る。」
「"瞬く一瞬"を忘れられなくて、手を差し伸べる。」
MVと一緒に聴くと伝わってくる、"瞬き" が持つ力。
Vaundyにこんな詞を書かせてしまう世界が憎くもあるけれど、それにしても美しい曲だ。
#71. 夜をループ / 佐藤千亜妃
サビで東京の夜空を《ガラスの万華鏡/ぶちまけたみたいな空》と形容している。今までも多くの作詞家たちが東京の夜空を鮮明に描こうとして「街灯にまみれた」とか「星が見えない」とか争うように言葉を紡いできたけれど、『夜をループ』の歌詞を見たとき、この争いに終止符が打たれたな、と思った。
#72. ラリー、ラリー feat. Pii, meiyo / MAISONdes
歌詞のとおり ”ピンポン" のように進んでいく会話の"ラリー" が気持ちいい。そして冒頭からずっと裏で流れるのはもしかして"ピンポン玉"???
#73. MELODY(prod. by BREIMEN)/ 岡野昭仁 × 井口理
《メロディ 美しく尚/狂わせられ それもまた本望さ》
転調を繰り返し不安定なコードを多用してめちゃくちゃ不穏な雰囲気、気が狂いそうになるけれどそれがまた快感で、この感覚をもう一度得るために何度も聴きに来てしまう僕らのようだ......
#74. 雲雀 / Pii
崎山蒼志 作詞作曲。「雲雀(ヒバリ)」を媒介にして街と私の心模様をパラレルに描いた歌詞がものすごく美しい。ヒバリは春の鳥で、街も「私」も凍える「冬」を越え、春が訪れたことを知らせてくれる存在として描写されている。歌詞中の表現がすごく好きなので2つピックアップしてみる。
《囀りながら天へ》:ヒバリは繁殖期になると縄張り争いをするために天高くへと昇っていく。「私」が自分の居場所を確保しようとしている様子と重なる。
《雲雀とさあ歌おう》:ヒバリは「日晴り」と漢字をあてられることもあるように晴れた日に囀る。つまり、街も「私」ももうすぐ「晴れる」のだ。
#75. アイラブユー / back number
『アイラブユー』というタイトルがすべてを表していると思う。「I love you」ではなく「アイラブユー」。"お洒落な" アルファベットではなくわざわざカタカナで "ダサく" している。《お洒落ではないけど 唯一のダサさで/君が笑えたらいい》この歌詞をぎゅっと詰め込んだような1フレーズに唸らされた。
#76. 돌고 돌아(Circles)/ SEVENTEEN
K-POPアイドル、SEVENTEENの4th Album『Face the sun』のリパッケージアルバム 『SECTOR 17』収録曲。韓国のアーティストなので歌詞の意味は全然分からないけれど、とにかくメロディーが良すぎる。言葉がわからなくてもメロディーの良さだけで何回も繰り返して聴いてしまう。これはメロディーの魔法。
(しかもSEVENTEENはほぼすべての楽曲をメンバーのウジが作詞作曲・プロデュースしている。すごくない?)
#77. 光るとき feat. 君島大空(THE FIRST TAKE)/ 羊文学
初めて聴いたとき、圧倒されるしかなかった。真っ白なスタジオにあるのは君島大空、ギター1本と塩塚モエカの身一つ、これだけ。なのに二人ともがピアニッシモからフォルティシモまで自在に行き来すると純白のキャンバスが色鮮やかにどんどん表情を変えてゆく。
#78. あいまいでいいよ(THE FIRST TAKE)/ 羊文学
そしてこれ(公開順はこっちが後)。さっきまでとはうって変わって、いい意味でノイジーだ。スタジオの隅まで音で満たされるのと同時に、心も満たされる。緩急で頭が追い付かないけれど、追い付かないなりに、舌足らずな心で幸福を享受する。
#79. MOON / TENDRE
ウッドベースが心地よく響くバラード。ウッドベーシストは河原秀夫、つまりTENDRE(河原太朗)の実の父親。キャリアの中で初めて父親を迎え入れて一緒に制作した曲だそうだ。父親と息子という関係性は得てして会話が少なくなりがちで、河原親子もその例に漏れず......だったそうだが、今回のレコーディングでは「音楽で会話ができた」と、尊敬する父親とのセッションを喜んでいた。
ローテンポな落ち着いた曲だけれど、その中には親子の、そしてプロミュージシャン同士の熱いやりとりや息遣いが閉じ込められている。
『MOON』制作のエピソードはこちらから ↓↓
#80. grace / 藤井風
今年は人にやさしくできなかった。叶えたい夢ができて、守りたい人もできて、大切なものたちを失いたくないがあまり、攻撃的になっていた。人を憎んでしまってどうしようもないこともたびたびあった。自分の嫌なところばかりがみえた。その責任を他人に押し付けようとする自分はもっと嫌だった。どん底のような日々。情けない自分から目を逸らせない。そんな人格もそのまま自分自身だから、避けられなくて、そのことに余計に腹が立つ。
そんな時、シャッフルしていたYouTubeからこの曲が掛かった。ライブでも聴いたし、音源でも擦り切れるほど何度も何度も聴いたこの曲。だけどあの夜は、この曲が違って聴こえた。《何が出来るかな/愛に従うのならば》これだけで十分だった。ダメな自分も、なりたい自分も、ぐちゃぐちゃな気持ちも、とがった心もすべて受け入れてくれるような気がした。否定せず、誰のことも拒まない、責めない歌が、藤井風とともにあの時もそばにいてくれた。
#81. Radio Star / Subway Daydream
ラジオへの愛とあこがれを詰め込んだ一曲。《真っ赤なエレキで浮かれた僕は/沈みそうな船に乗り込んだ》冒頭、この一文だけで主人公のラジオへの愛が痛いほど伝わってきた。TVやYouTubeに駆逐されつつあるラジオは歌詞中で《沈みそうな船》と表現されている。だけれどラジオには《確かな歴史》が紡いできた美しい文化がある。今流行りのコンテンツみたいに《ピカピカメッキ》されているわけではないけれど、ラジオには人と人をつなぐ《魔法》がある。ラジオDJもリスナーも局も、みんなでを守ってきたその魔法が、美しい歌詞を紡いでいる。
#82. 国(INSIDE THE FIRST TAKE supported by ahamo)/ 崎山創志
まるで一本の短編映画を見たような満足感。そこには一人の人間とギター、マイクしかないはずなのに、目まぐるしく変化する景色に頭がチカチカする。
#83. さよなら / 井上苑子, yonkey(原曲:オフコース)
Klang Rulerでもソロ名義でも昭和の楽曲のリアレンジカバーを数多くリリースしたyonkeyの2022年。そのどれもが原作をリスペクトしながら「yonkeyサウンド」になっていてすごく面白かった。2023年はそのカバーで培った力が最大限に活かされたオリジナル曲がさらにどんどん出てくるはず。マジで期待している。
#84. おかしな気持ち / 小原綾斗とフランチャイズオーナー
「小原綾斗とフランチャイズオーナー」は、Tempalayのギター・ボーカル小原綾斗を中心に、佐々木集(PERIMETRON / millennium parade)、松浦大樹(saccharin / She Her Her Hers)、 高木祥太(BREIMEN)等、ライブやレコーディングのたびにメンバーが入れ替わるニューバンド。(https://tower.jp/article/feature_item/2022/08/04/0703より引用)
なんだこのバンド.......錚々たるメンツなのに溢れる脱力感......神々の遊びを見せつけられてる......
#85. 可愛くてごめん(feat. かぴ)/ HoneyWorks
死ぬほど好き嫌い分かれそうだしtwitterでもすでに賛賛否否否否否否否くらいの比率で大量にツイートされてるけど僕は好き。この曲は他人への攻撃ソングではない。ただ単に自己肯定感を爆上げするための "おまじない" だと思う。
※ポリクリで指導医から理不尽に怒られたときはこの曲に限る
#86. アク / 秋山黄色
「アク」というタイトルには三つの「アク」が含まれているような気がする。
「悪」......歌詞全編を通じて「正義と悪」についての激しい禅問答が繰り広げられる
「飽く」......《なんもかんもどうでもいい》。世の中に飽き飽きして嫌気が差した
「灰汁」......5拍子に刺激の強い歌詞。とにかくこの曲は"灰汁"が強い。でも鍋物と一緒で、灰汁は取り除きすぎたら味気なくなってしまうもの。灰汁は「えぐみ」も「うまみ」も内包しているから。
#87. プレミアムワールド / 広瀬香美
アーティスト名見ずに聴いて新進気鋭の歌い手かと思ったら広瀬香美だった......デビュー30周年記念でこの曲出しちゃうのマジですげぇよ......これ広瀬香美以外誰が歌えんだよ......恐怖だよ......
《希望が手招きで待ってる 極上 future cha cha ka cha cha cha》とかもはや言葉遊びの域を大幅に逸脱したただの「広瀬香美」。聴いた直後から広瀬香美が前頭葉に住み着いてチャッチャカチャッチャッチャって繰り返してる助けて。
#88. 白 / 山内総一郎(フジファブリック)
フジファブリック・志村正彦の死について、今まで全くと言っていいほど語られてこなかった「記憶」。文章でもインタビューでもなく音楽という形で世に出したのは、人生のすべてを音楽にささげた志村へのリスペクトだと思う。
#89. 単焦点 / Penthouse
何と表現していいのか全然わからないのにめちゃくちゃ「いい」。気がついたら繰り返し聴いてる。一つだけ言えるのは「かてぃん(角野隼人)だけじゃないぞ、このバンド」。
#90. 生きろ / Mr.Children
ものすごく肉体的な歌詞。《震える手のひら》《いっそ裸足のままで》《血をたぎらせながら》。生きていくことが極限まで肉体的な行いであることを証明するように全身全霊でMr.Childrenは歌う。極めつけはタイトルでもある『生きろ』という言葉。強い言葉で生命の呼吸を鼓舞している。そしてこの言葉には愛ゆえの強さがある。相手を愛しく思い、無事を願うからこそ出る強い言葉。終盤でも《生きろ 生きろ》と繰り返し、僕らを生かしてくれる。
#91. 春は溶けて / indigo la End
「Radio Bootsy」としてyama、長屋晴子(緑黄色社会)、北村匠海(DISH//)らと共演した『春は溶けて』とはまた違う、indigo la Endなりの「春」だ。ストリングスもブラスも必要としない、バンドそのものの音がする。
#92. 優しい手 ~ Gentle Hands / Original Love & TENDRE
"TENDRE"こと河原太朗 と "Original Love"こと田島貴男 の熱い"師弟関係"が生んだセッション。音楽に惜しみなく熱量を注ぎ込む二人が起こす化学反応は愛。
2人の制作エピソードはこちら ↓ ↓ の記事からどうぞ。
#93. ふつうとは / 東京事変
23歳児が対象年齢3~5歳(←詐欺)の曲を聴くとこうなります:
#94. Landscape / 緑黄色社会
ものすごく"トクベツ"な存在も、ずっと一緒にいるとそれが"アタリマエ"になる。"Landscape"=風景の一部になるほどに。それを一度受け入れて、《忘れるほど大事なこと》と歌ったうえで、《些細だけど素敵なこと》と"アタリマエ"になった"トクベツ"な存在をいとおしむ。
ここまでだと「ありがちラブソング」のように聞こえるかもしれないが、この曲を"トクベツ"たらしめているのはこの歌詞だ:《同じ毎日が同じ声が/"トクベツ"を生み出した》。"トクベツ"は実は"アタリマエ"の積み重ねであると歌う。大事な人と毎朝顔を合わせて「おはよう」を交わせること。夜「おかえり」「ただいま」を言い合えること。そんな"アタリマエ"の毎日を積み重ねていけることこそが"トクベツ"なのだ。
"アタリマエ"と"トクベツ"にまつわる、2つ/表裏一体の自問自答が、今日も誰かの人生における"Landscape"になっているのだろうな、と想像してちょっとうれしくなった。
#95. 惑う糸 / 菅田将暉(作詞作曲・Vaundy)
ダークサイド・オブ・”おもかげ"。『おもかげ』も『惑う糸』も《僕らは こうして》からサビが始まってそこから2ルートに分岐していくわけですけど、これ何かに似てると思ったらイーブイやん。リーフィアかブラッキーか、みたいな分岐の仕方するやん......カントー地方でイーブイを相棒に連れて冒険してるとか、それもうカケルじゃん......
#96. Subtitle / Official髭男dism
おそらくこの世で一番「密度の濃い」ラブソング。音符に対する圧倒的文字数の多さだけではない。言葉数に対する意味の重さも凄まじい。そしてそれを圧倒的歌唱力でものすごい密度で鼓膜に届けてくる藤原聡。もう俺の負けでいいよ。なんもいうことない。すごい。以上です.......
#97. 鳴り響く限り / YUKI
「触れ合う身体」「熱い理由」「命が鳴り響く」の肉体感、暑苦しさ、ああ生きている実感!そして暑苦しいのにかわいい。こんなシンガーソングライターはYUKIだけ。というか彼女、今年で50歳らしい。こんなにかわいい50歳いるか??
#98. Set Me Free / Klang Ruler
現代の若者が抱く閉塞感を「暗黒世界」に喩えて歌う。叫び声に始まり、曲中はずっと何かから逃げているような荒い呼吸が聞こえ、最後はまた叫び声で幕を閉じる。最初から最後まで地下の「暗黒世界」で逃げ回ってるはずなのに、最後の叫び声を聴き終わったとき、なぜか僕の中の「閉塞感」が少しだけ溶けていく気がした。
#99. 888月 ~夏にも程がある~ / リサイタルズ(エース(しばゆー)/スター(としみつ)/カリスマ(てつや))
作詞家選定ミスった世界線の嵐?って思って聴いてたらいきなり《記憶を洗って 流したくない/シャワーヘッドをひまわりに変えた》っていう名言飛び出して温度差で風邪引いた。あとの歌詞はだいたい意味不明がわかりません(?)。聴いた時の「気持ち良さ」に全振りして、言葉は意味を失ってただの「音」になってる。それこそが東海オンエアの絶対的 "エース" こと しばゆーの強み。本能的に気持ちいい言葉を彼の感覚で並べてるから気持ち良さが保証されてる。本人によると「俺の中に『言葉の牧場』っていうのがあって、こっちに来た言葉をただ、選んでるだけ」らしい。岡崎の桜井和寿?
#100. The sun and the moon / 藤井風
『それでは、』と対になる"サウンドトラック"。『それでは』が春の訪れをありありと描写する「視覚的な劇伴」なのに対して、『The sun and the moon』は「観念的な劇伴」。光と影、勝利と敗北、受け入れることと拒むこと、手にすることと手放すこと、呪いと恩恵、そして愛。目に見えないものを題材として、藤井風自身が「人生の勝利とは何か」という問いに悩みもがく過程を描いた歌詞は、『それでは、』と同等以上に "現実的" 。東京五輪の "リアル" を切り取った映画『東京2020オリンピック SIDE:A 』と、人間の "リアル" を描いた『The sun and moon』。両者は響きあって心を満たしてゆく。
年末のご挨拶
100曲お付き合いいただきありがとうございました。
2022年も大変お世話になりました。去年よりもかなりたくさんの方に文章を読んでいただいて、あたたかいコメントやDMを頂くことも増えました(ものすごくうれしい!ありがとうございます)。2023年も「分析と爆発のあいだ」のコンセプト通り、分析とも爆発とも分類できないような代物を世に出していきますのでどうぞご贔屓に......
まとめ
#51. ひとりごつ / ハチワレ(CV:田中 誠人)
#52. 恋だろ / wacci × 松下洸平(THE FIRST TAKE)
#53. HAVE A NICE DAY / TENDRE
#54. It's All For Us / Nulbarich
#55. 月曜のダンス / YONA YONA WEEKENDERS
#56. NIGHT DANCER / imase
#57. 飛行船(THE FIRST TAKE)/ 三浦大知
#58. What's up / Rin音、クボタカイ、asmi、A夏目
#59. ナンバー / ポルノグラフィティ
#60. オセロ / TOMOO
#61. 体温 / 松下洸平
#62. 潮風の人 / Laura day romance
#63. ユメ ユメ ユメ / Awesome City Club
#64. ジャージ / サバシスター
#65. We Are The Future / KOTORI
#66. Sauna / VULFPECK
#67. 余韻愛好性 / 以津真天
#68. Q / Tempalay
#69. 紋白蝶 feat. 石原慎也(Saucy Dog)/ 東京スカパラダイスオーケストラ
#70. mabataki / Vaundy
#71. 夜をループ / 佐藤千亜妃
#72. ラリー、ラリー feat. Pii, meiyo / MAISONdes
#73. MELODY(prod. by BREIMEN)/ 岡野昭仁 × 井口理
#74. 雲雀 / Pii
#75. アイラブユー / back number
#76. 돌고 돌아(Circles)/ SEVENTEEN
#77. 光るとき feat. 君島大空(THE FIRST TAKE)/ 羊文学
#78. あいまいでいいよ(THE FIRST TAKE)/ 羊文学
#79. MOON / TENDRE
#80. grace / 藤井風
#81. Radio Star / Subway Daydream
#82. 国(INSIDE THE FIRST TAKE supported by ahamo)/ 崎山創志
#83. さよなら / 井上苑子, yonkey(原曲:オフコース)
#84. おかしな気持ち / 小原綾斗とフランチャイズオーナー
#85. 可愛くてごめん(feat. かぴ)/ HoneyWorks
#86. アク / 秋山黄色
#87. プレミアムワールド / 広瀬香美
#88. 白 / 山内総一郎(フジファブリック)
#89. 単焦点 / Penthouse
#90. 生きろ / Mr.Children
#91. 春は溶けて / indigo la End
#92. 優しい手 ~ Gentle Hands / Original Love & TENDRE
#93. ふつうとは / 東京事変
#94. Landscape / 緑黄色社会
#95. 惑う糸 / 菅田将暉(作詞作曲・Vaundy)
#96. Subtitle / Official髭男dism
#97. 鳴り響く限り / YUKI
#98. Set Me Free / Klang Ruler
#99. 888月 ~夏にも程がある~ / リサイタルズ(エース(しばゆー)/スター(としみつ)/カリスマ(てつや))
#100. The sun and the moon / 藤井風
Spotifyプレイリスト