almost...

分析と爆発のあいだ

【歌詞・和訳】The sun and the moon / 藤井風

https://www.youtube.com/watch?v=mq4qk7Jbbr8

The sun and the moon/太陽と月
You win and I lose/あなたが勝って 私は負ける
What's the difference/何が違うのか
There's no difference/何も違わない

The day and the night/昼と夜
Accept and deny/受け入れること 拒むこと
Which is paradise/どちらが楽園なのか
Both are paradise/どちらも楽園

Yes we do have it all/私たちは全てを手にしている
But we need some control/しかしコントロールが求められる
Sometimes it is best for us to let it go/時には手放すことが最善
Yes we do have it all/私たちは全てを手にしていて
So we all have to know/だからこそ知っておくべきことがある
When to stop, when to quit/いつ立ち止まり いつ手放すのか
and just let it flow/そして ただ流れに身をゆだねるのか

The sun and the moon/太陽と月
A curse and a boon/呪いと恩恵
What is happening/何が起こっているのか
We’re all struggling/私たちは皆もがいている
Oh love/愛よ
We've been trying to find you here inside of hearts/人は誰も心に愛を探している
To fill the map with lights accross the star/彼方の星々を越えて 心を光で満たせるように

Yes we do have it all/私たちは全てを手にしている
So we need some control/だからこそコントロールが求められる
Sometimes it is best for us to let it go/時には手放すことが最善
Yes we do have it all/私たちは全てを手にしていて
So we all have to know/だからこそ知っておくべきことがある
When to stop, when to quit/いつ立ち止まり いつ手放すのか
and just let it flow/そして ただ流れに身をゆだねるのか

The sun and the moon/太陽と月
You win and I lose/あなたが勝って 私は負ける
What's the difference?/何が違うのか
There's no difference/何も違わない

Oh, love/愛よ
We've been trying to find you here inside of hearts/人は誰も心に愛を探している
To fill them up with lights accross the star/彼方の星々を越えて 心を光で満たせるように

【前半】2022年ベストソング100

2022年、何度も何度も聴いた100曲をまとめました

この記事は上半期編:50曲です。
毎日10曲ずつ更新していきます。

目次

#1. 東京(From THE FIRST TAKE)(feat.長屋晴子)/ SUPER BEAVER1月度ベストソング

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一見して東京のことをうたったものとは読めない歌詞。「東京」という言葉は一度も出てこない。だからこそ「東京」というタイトルをほかの街に置き換えても通用する懐の深い曲だ。

でも僕は東京で暮らしているからこそ、「東京」と名のつく曲にはどうしても敏感になってしまう。「東京は寂しい空」「狭い夜空」「何でもあるけど何もない」なんて歌う曲も切なくていいのだけれど、ときどき「そこまで言わないでよ」っていう気持ちになる。確かに上京してきて人波に揉まれているあなたにとっては「東京=悪者」かもしれないけど、僕にとっては地元なんだから、と。

だけど渋谷龍太は東京もちゃんと血の通った街だと歌ってくれる。なんだかちょっと救われた。そして同時に、東京にも愛が存在する。こんなことを渋谷龍太が思っていてくれたことがすごくうれしかった。

 

#2. 原罪と福音 / 東京事変1月度ベストソング

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前奏、伊澤一葉の少し揺れるピアノがいとおしい。そんな生命のリズムのような打鍵は、キラーフレーズに誘われて、壮大な鼓動となる。

それにしてもどうして亀田誠治ってこんなにもメロディメーカーなんでしょうね。人が死ぬレベルのキラーフレーズをふんだんにまき散らして僕らの心臓を奪ってしまう

 

 

#3. サンシャワー / reGretGirl

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《足りないものはなかった 余計なものがずっとあっただけ》

この歌詞を読んだとき、reGretGirlのヤバさを悟った。バラードに乗せてメンタルをグサグサ突き刺してくる。これ、別れ際に言われてグサッとくる言葉第1位だろ。

でもそれだけじゃなくて、この曲、ほんといろいろおいしいところがあって。なかなか説明しきれないけれど、もう一つだけ紹介しておこうと思う。

《部屋の隅で干される下着はなんだか今の私みたいだ シワになったまま乾いていく》

濡れた洗濯物はシワを伸ばさないまま干すと、洗濯機からとりだしたままの形でカラカラになってしまう。取り出した直後の洗濯物みたいに涙でびしょびしょになった昨日の私は、そのまま泣きつかれて眠ってしまった。翌朝起きたとき、涙は乾いていたけれど、そこにいるのは昨日の形のままの私。泣いてはいないけれど、「あなた」を忘れられないままという皮肉。

 

P.S. この曲は三か月連続リリースの『ルックバック』『車の中から』と一緒に“煙の行方” という映像作品の一部になっている。ぜひ最初から最後まで見てほしい。reGretGirlは映像作品がよく似合うバンドだ。映画の筋書きみたいな歌詞が、画を持ってきてくれる。

 

 

#4. Stand / UEBO

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Voyage / UEBO(1月度ベストソング)を「聴く"ほうじ茶"」と形容したが、こちらは「聴く"コーヒー"」。ちなみにco-composerのモリシーは永福町でコーヒースタンドを経営しています。いい店です。ぜひにどうぞ

tabelog.com

 

#5. 冷たい渦 / キタニタツヤ(2月度ベストソング

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「ボカロP・キタニタツヤ」「ベーシスト・キタニタツヤ」「ボーカリスト・キタニタツヤ」が三人同時に襲ってくる。そう、キタニタツヤとは3つの顔を持つ "ケルベロス"......

 

#6. 時のいたずら / 緑黄色社会

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《歌を歌えば君が笑う
君が笑えば僕が歌う
歌を歌えば君が笑う
君が笑えば僕は嬉しくて泣いた》

このCメロはかなり贅沢な音符の使い方をしている。一見音符が余っているようにも感じるけれど、このフレーズはこの譜割りじゃないと成り立たなかったと思う。壮大すぎる情景。生命の対話。むしろ4行では足りないぐらいだ。一音一音、時を踏みしめるように、鳴っている音を聴いていたい。

 

#7. 告白 / 崎山蒼志・石崎ひゅーい(2月度ベストソング

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崎山蒼志の"インディーズ"の部分と石崎ひゅーいの"ポップ"の部分。今年の崎山蒼志は本当にすごかった。彼はまた後でも登場します。

 

#8. Boots / KICK THE CAN CREW

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10年前、フリースタイルが日本のHIPHOP界を席巻し始めた。トラックに乗せて即興で相手をdisることこそが "HIPHOP" で、音源にこだわるのは野暮とまで言われていた。しかし彼らはそんなときもスタイルを変えず、今の今まで音源で勝負し続けてる数少ない存在。今でこそCreepy Nutsが"ポップ"とHIPHOPの架け橋みたいな捉え方をしてるけれど、HIPHOPが「ポップ」に昇華され得たのはKICK THE CAN CREWのおかげだと思ってる。

だけどKTCCの曲はサウンド・メロディだけじゃない。歌詞にも仕掛けが多くて聞き逃せない。たとえば...

《笑いあってりゃ希望も倍増 あったかくなる思考の回路》

「思考の回路」=「至高のカイロ」とかけている。"あったかくなる至高のカイロ"。後の歌詞に《ポケットに手を入れシャカシャカ》と出てくるのはこのカイロのことだろう

《まるで底に残った粒コーン》
《思い出は甘いミルクココア》
《ガードレールand缶ビールで震える身体ちゃんと感じる》

「つぶコーン」「ミルクココア」「缶ビール」=すべて「CAN(缶)」の飲み物。この3つの飲み物が三人のリリックに一つずつ登場する。アツすぎる。

 

#9. 中二 / あっぱ

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東京事変the HIATUSでの「助演・伊澤一葉」もいいけど、「主演・伊澤啓太郎」が素晴らしすぎる。というのが端的に表れている一曲。「伊澤啓太郎」を知りたければ『中二』を聴け。これはマジ。15曲の中で一番推したい。"ウニャライズ" もいい仕事してます。今年は絶対に伊澤一葉のライブに行く。

 

#10. 燦燦と降り積もる夜は / 秋山黄色

前の記事で "脳が「良い......」以外の感想を失う" とだけ書いて絶命してたんですけど、僕の脳がどこを「良い」と感じるのか言語化してみようと思う。

ギターリフ。イントロからグググっと引き込まれる。別に超絶技巧というわけではない。けれどどこか新しい。まったく聴いたことがない、"耳新しい" フレーズに心奪われる。そしてその流れを引き継いだままバースに突入していい声でいいメロを聴かされるから、ドーパミンが出ない瞬間がない。

サウンドはバンドの骨格そのまま。ソリッドで、一見無骨なバンドアンサンブル。だけどその一つ一つがいい。いらないものがない。極限まで無駄をそぎ落とした、人間が「気持ちいい......」と感じる部分だけ抽出した、聴く「エスプレッソ」

 

彼は宅録でデモを録ることで有名だけど、もしかしたらそれが作風に影響してるのかな、と思った。自分一人で、まず自分が一番気持ちいいものを作るところから製作がスタートするなら、僕らが気持ちいいのも納得だ

 

#11. Ordinary days(From THE FIRST TAKE)/ milet×Cateen

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かてぃんに嫉妬しすぎて以前こんな記事を書いた。ひどい記事だなオイ。 

almost.hatenablog.jp

にしても、最初から最後まですごすぎてもう笑ってしまう。えげつない熱量でぶつかい合いながら、miletがCateenを、Cattenがmiletを引き立ててる。原曲のオケをなぞりつつ、時に寄り道して2人が進んでいく様子はまるでランデヴー飛行.....気持ち良すぎてFly Highしてしまいそう,,,,,

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#12. ミックスナッツ / Official髭男dism

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SPY×FAMILY』OP。「ミックスナッツ=寄せ集めの家族」「ピーナッツ=アーニャの好物」「ピーナッツの花言葉=仲良し」とかアニメとパラレルになってるのもすごいけれど、何よりヤバいのはこの曲の「無効化」特性。本気で考察して前提知識ガン積みしてからこの曲聴いても結局聴いた後には「すげぇ......」しか残ってない。考察解釈分析批評全部「無効化」されてアーニャおうちかえりたい

 

#13. ジェネリックラブ / Klang Ruler

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シンフォニックでどこかに連れていかれそうなイントロ、Yonkeyとすだちひろの掛け合いが気持ち良すぎるAメロ、コーラスが多幸感半端ないBメロ、オク違いユニゾンで「デ・ジ・タ・ル」「フィ・ク・ショ・ン」「ディ・ス・タン・ス」が中毒性振り切ってるサビ。どこ切り取ってもニヤけてしまう魔物曲。

P.S. 昔からかわいいなーと思ってみてたGyoshiさんってYouTuberがいるんですけど、Klang Rulerのギターになんか似てると思ったらマジにKlang Rulerの人でした。ひっくり返ってます。

 

#14. いけないbaby / eill(3月度ベストソング

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タイトル・サムネ・イントロからは想像できないほど爽やかなサビで心臓撃ち抜かれる。《はじめてのねつに戯けたまま/君に夢中な僕を許して》とかeillにしか書けない

 

#15. パッと咲いて散って灰に / Creepy Nuts3月度ベストソング

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《今のお前にゃ誰一人 控えめに言っても敵わない》
《今のお前らは誰一人そこで収まるようなタマじゃない》

汚い言葉のなかに美しさがある、斜に構えたまっすぐな大応援ソング

 

#16. Get Back / LUCKY TAPES(2月度ベストソング

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「イントロからサビ予想つかなすぎグランプリ2022」受賞作品。イントロ・Aメロ・Bメロで積もり積もった不安感がサビで一気に解決する快感。サビにだけ登場するストリングスが希望をちらつかせる。一回味わったら抜け出せない沼曲

 

#17. 恋風邪にのせて / Vaundy(3月度ベストソング

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この記事で "「酔」を漢字一文字を極限まで噛み砕いて歌にしたのが『恋風邪にのせて』" てことを書きました。

でももっとヤバいのはリスナーを「酔」わせてしまうこと......

 

#18. One Way feat. YONCE / Ryohu

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冨田ラボ × YONCE(Suchmos)× Ryohu。音楽ファンなら流涎通り越して胃もたれするくらい最高なタッグ。ホーンセクションを贅沢にちりばめた冨田恵一のアレンジ、YONCEの「いるだけで”Tokyo Friday Night” になる」魔法、そしてRyohuのリリック。旨いもの全部乗せの"Ryohu丼"、一瞬で完食しました

 

#19. イカ大王体操第2 / 槇原敬之3月度ベストソング

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《なぜ なぜ うまくイカないの⁈》
イカ イカ イカ イカ イカ大王》

この韻踏み、この世で一番単純かつ爽快 BUT 使う場面が存在しないんですけど、槇原敬之が歌うことで日常に溶け込む「圧倒的ライフソング」になる

 

#20. まつり / 藤井風

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「秋の風まつり」を彩った最強 "ダンスナンバー"。普通のダンスナンバーと違うのは、 この曲は "盆踊り専用" だということだ。「藤井風のライブ」という"祭り"においてこれ以上のダンスナンバーはない。

2nd AL『LOVE ALL SERVE ALL』のライナーノーツで書いていたように、この曲はアルバム制作の最終版に作られた。だからこそ「今できる音楽を、今言える言葉を全部詰め込んだ」曲になっている。そしてそれが、歌詞からものすごく伝わってくるのだ。ちょっと見てみます

《愛しか感じたくもない》

→愛への回帰
《優しさでよかった ただそれだけで》/『優しさ』
《なんのために戦おうとも動機は愛がいい》/『きらり』

《何もかも既に持ってるのにね》

→「足るを知る」の精神
《ああ すべて与えて帰ろう ああ 何も持たずに帰ろう》/『帰ろう』
《特にない 渇きなどない わたし 満たされてる》/『特にない』

《その閉じた心 今こじ開けな》

→心の解放
《閉ざした扉 叩いて》/『もうええわ』

《生まれゆくもの 死にゆくもの 全てが同時の出来事》

→生と死の循環
《花は咲いては枯れ》《人は出会い別れ》/『ガーデン』

《あれもこれもが有り難し》

→"当たり前" の価値
《当たり前なんてない 自分のものなんてない》/『調子乗っちゃって』

《苦しむことは何もない》

→恐怖心からの解放
《あぁマジで何も怖くない》/『燃えよ』

《好きにしてください》

→俗世・執着からの解放
《もうええわ 自由になるわ》/『もうええわ』


どうでしょう......わかりました?『まつり』は「これまでの藤井風」を結集した最強ナンバー。

そしてスタジアムライブのテーマソングとして、オーディエンスに「これから」も見せてくれる。そう、これはまさに "第2のデビュー曲" ......

almost.hatenablog.jp

 

#21. Ashes / MASS OF THE FERMENTING DREGS

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今年聴いてて一番気持ち良かったロックナンバーの一つ。洋楽でいうとGreen Day、邦楽ならSIX ROUNGEみたいに「クールに聴こえるけど芯で炎が燃えさかってる」。

 

#22. wake up call|待つ夜、巡る朝 / Laura day romance

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別れた相手を心のどこかで待ちつづける悲しい歌だけれど、聴いた後に残るのは「幸せ」の感情。その理由はきっとこのバンドが持つサウンドにあると思う。どこか幸せを纏った音色。9割の悲しみの中に1割の "幸せ" を孕む音の表情は、狙って出せるものではない。収録アルバム『roman candles|憧憬蝋燭』のジャケットのように、黄金色に染まった秋の原っぱにいるみたいだ。ゆるりと流れていく音の波に合わせて、かすかな幸せが聴き手である僕らの周りを包んでいく。

 

#23. OOOL / tricot

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Vo. 中嶋イッキュウの書く詞はいつだってミステリアスだ。いま深夜のファミレスで歌詞と睨めっこしている僕の頭の上にも「?」がいっぱい載っているに違いない。けれどなぜか情景だけは浮かぶ不思議。この秘密は彼女の立体的な声にある、と思っている。「紙=平面に書いてある歌詞」と「立体的な声」の次元の違い。きっとそこに何かがあるんだろう。何があるか知りたいような、知りたくないような。

 

#24. キャラバン / サカナクション

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キャラバン (caravan /kǽrəvæ̀n/)
1 砂漠を隊を組んで通行する商人の一団。隊商。
〈略〉
デジタル大辞泉

この歌詞は砂漠を行く行商人を描いた歌に見えて、実は2020年代の僕らに焦点を当てたものかもしれない。「砂漠=コロナ禍」と置き換えてみるとどうだろう。僕らは「コロナ禍」という砂漠を行く行商人。いつ終わるのかもわからないコロナ禍に飽き飽きしながら、生き延びるためにとりあえず前に進み続ける。"砂嵐"のなか、季節を感じられないまま春夏秋冬が一周してしまった(=《春夏秋冬は呆気ない》)。家に籠りきりで孤独を感じたり、感情が鈍って(=《この日々は不感症》)しまったり。そんな中でも《夢の里》を目指し歩き続けているんだ。そう、サカナクションという 《ラクダ》 に連れられて。

 

#25. わたしたちへ / カネコアヤノ

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「若かりし頃のわたしたち」と、「大人になったわたしたち」へ向けての愛の歌。この歌の歌詞は単独ではなかなか読み解けない。ミュージックビデオと詞で物語が完成する......これについてはちゃんと書きたいので、また必ず記事出します。とにかく言いたいのは、この曲は最高だということです。

 

#26. さよならロックスター / ザ・リーサルウェボンズ

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聴く「ルー大柴」ことザ・リーサルウェボンズだが、『さよならロックスター』は2020年6月に亡くなった伝説的ギタリストEddie Van Halenにささげた曲。《You are my hero 80年代 paradise》、こことかまさに「ルー大柴」味が深くて響き大好きなんですが、込められた意味を知ってから聴くとエディへの愛と尊敬が伝わってきて割と耐えられない。We can't stop the music ありがとう......

 

#27. 雨(feat. (sic)boy)/ AAAMYYY

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森を駆けていくような細かいビートの上、AAAMYYYが一音一音丁寧に、一歩一歩踏みしめるように音を載せている。そしてAAAMYYYの背後からsic(boy)が英詞を使って一気に追いかけていく。緩急差エグすぎる。これは邦楽界のダルビッシュ有

 

#28. あの笑み feat. ano / AAAMYYY

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今年聴いたメロディラインの中で一番と断言してもいい。Aメロで積もり積もった不安感がサビで一気に解決する。そしてが猟奇的なサビのコード進行。「E→B6/D#→E7/D→C#7/C#→F#m→F#m11/F→F#mM7/E→F#m7/B」ときて一回目は「B」だが、二回目は敢えて収まりが悪い「D6」をぶち込んでもう一度不安に戻っていく。このDコードがすごくいい働きをしていて、Aメロの「現実= "ディストピア" 」と「サビの虚構= "私の宇宙" 」を自由自在に行き来できる「潤滑油」になっている。

P.S.「あの笑み」=「あの(ano)」+「えみ(AAAMYYY)」なのもちょっとオシャレ。

 

#29. 未来時代 / mega shinnosuke

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『未来時代』というタイトルだが、むしろサウンドは'80sのシンセポップ、つまり「過去」のもの。つまりこれは過去の自分たちから見た「未来」についての曲.....こんな解釈はどうだろうか。

 

#30. YOUNG TOWN / PEOPLE 1

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PEOPLE 1を一言で言い表すなら「ミクスチャー」。

まずはジャンルの「ミクスチャー」感。ボーダーレスさ。音の鳴らし方、響かせ方一つとってもルーツがいろんなところにある。いいと思ったものをどんどん取り入れてミクスチャーしていく様子はまるで「怪獣」。

そして曲自体の「ミクスチャー」感。「PEOPLE 1」というバンド名には「人間は結局一人で孤独だ」という意味が込められている。リリックメイカーのDeuも孤独感、自己矛盾と闘っている。そしてそれが表れた歌詞も孤独感半端ない。なのにメロディは底抜けに明るい。真逆の感情が1つの曲にパッケージングされているから曲聴いてると感情も身体もミクスチャーされて「もしかして俺って実はPEOPLE 1だった?」となる魔法。

 

P.S. Vo./Gt. Itoが「OK、ギター!」って言いながら間奏のギターソロになだれ込むシーンがある。だけどギターを弾くのはIto自身だからフリも回収も全部自分で自己完結。さとり世代かな?でその「ギターソロ」だが、実はギターソロではない。Deu曰く「ギターっぽい声をだしながらエフェクターかまし、アンプを通したものを録音」したものらしい。どこまでも遊び心あるPEOPLE 1、その掌の上でまだまだ踊らされていたいです......

 

#31. Leon / 由薫

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この曲には2つの大事な"小道具" が存在する。一つはタイトル『Leon』。これは名作映画『Léon -凶暴な純愛- 』のことだろう。孤独な殺し屋・レオンが家族を殺された少女マチルダを保護し、同居生活をするなかで二人の間に愛が生まれていく。もう一つは歌詞中の『lover』。Taylor Swiftのスローバラード『lover』のことだろう。女性から男性へ宛てられた"甘々"なラブソングだ。

2つの作品を知らなくてもこの曲は十分美しいけれど、知ってからもう一度聴くと言葉に乗り切らなかった感情や表しきれない情景、言い足りないことを過去の名作が代弁してくれているのがわかる。なんてオシャレな仕掛けが隠された歌なんだろうと思った。

 

#32. AIDA / ano

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ヘッドホンで聴くと、この曲の音圧にびっくりさせられる。鼓膜も脳もどっかいっちゃうと思った。だけどそのなかにanoが確かにいる。音圧マックスのバンドに負けない女性シンガーがあと一体何人いるだろう。

 

#33. School / Chilli Beans.

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ため息のようなhiF#からバースに突入する。《はあついにやっちゃった》でグッと引き込まれる。the・'90sなオルタナ全開のサウンド、反抗期を世界一かわいらしく描写する歌詞にイチコロ(古いか?)。そしてこのバンドのオカシいところは3人全員が「ソングライター」かつ「Vo」であるということ。全員書ける、全員歌える、全員もれなくうまい。ロックバンドなのに歌割りを楽しめる。デビュー1年目でここまで完成してるバンドいましたっけ......?本気で期待してるバンドです。

 

#34. グッドラック / TOMOO

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彼女の曲を聴くと、手紙を読んでいるような感覚になる。特別なことは言っていない。だけど素直で、まっすぐで、不器用な言葉が、僕宛てに届くような。優しいのに情熱的なピアノに乗ってすっと心に入ってくる。

 

#35. たぶんMaybe明治(feat. あ、たぎれんたろう) / レキシ

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atagi(Awesome City Club)の掛け合い、相変わらず世界一。相手を最高の状態に仕上げてしまう。きっと普段からオーサムでやってる経験が生きてるんだろうなと思った

 

#36. 熱海 / Kroi

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Kroiの楽曲には「音が音としてだけ存在する瞬間」がある。その快感はまるで「熱海温泉」。最近毎日この曲で踊り狂ってます

 

#37. Cry Now feat. 佐藤千亜妃 / Ryohu

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二人の「声」を極限まで楽しめる贅沢な「ハーフ&ハーフ」

 

#38. 宝探し / くるり

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《宝探しに夢中になった/だから私は大人になった》最初から矛盾したようにみえる歌詞だけれど、聴き終わった後にはなぜか納得してしまう。人生という宝探しにおいて、最高の伴奏歌。

 

#39. ふぞろい feat. Tani Yuuki & ひとみ from あたらよ

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音楽プロデューサー 蔦谷好位置の変名プロジェクト・「KERENMI」。

Tani Yuukiもひとみも完全に"役者"。男と女を演じきってた。ナルシスティックで強引な色気をまとう男と、それに振り回されて惑い続ける女。曲1つで物語が完成しているすごさ。蔦谷好位置のプロデュース作品はヒットを生み続けるけれど、でもそれはまだ本物の彼ではないのかもしれない。もっともっと濃い、純度100%の蔦屋好位置を間近で見せてくれるのがこの「KERENMI」。最高です。

 

#40. HOPE for US feat. 磯野くん(YONA YONA WEEKENDERS), AAAMYYY(Tempalay), TENDRE, 吉田沙良(モノンクル), Ryohu(CANDYTOWN)/ 冨田ラボ

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TENDREとAAAMYYYの息ぴったりで仲良さそうな姿にちょっとグッときちゃった。AAAMYYYはTENDREのサポートシンセ/コーラスでずっと長く一緒にやっていて勝手も知ってる謂わば「盟友」。そんな彼らが二人ともTomita lab.に呼ばれて一緒に作品を創ってることがすごくうれしい。

もちろんほかのメンバーも変態揃い(誉め言葉)。よなよな磯野くん、モノンクル吉田沙良、そしてRyohu。これだけ強烈な個性を五人集めて、めちゃくちゃなトラック数のコーラスもものすごく美しくまとめてしまうあたり、やっぱり冨田ラボすごい。繊細な仕事ぶりはまさに「ラボ=研究所」だよなあ、といつも思う。

 

#41~50のレビューは12/27にアップ予定ですm(__)m

#41. 痛い / wacci

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#42.  ばかまじめ / Creepy Nuts, Ayase, 幾田りら

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#43. 雨燦々 / King Gnu

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#44. Talking Box(Dirty Pop Remix)/ WurtS

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#45. 世田谷代田 / Cody・Lee(李)

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#46. Somebody(Acoustic Session)/ milet

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#47. プラネテス(THE FIRST TAKE)/ キタニタツヤ

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#48. 旅の途中(feat. Kan Sano)/ Shin Sakiura

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#49. 異世界混合大舞踏会(feat. おばけ)/ 星野源

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#50. チキンライス - 2020 ver. / 槇原敬之

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メリークリスマス。

 

後半はこちら

almost.hatenablog.jp

 

まとめ

#1. 東京(From THE FIRST TAKE)(feat.長屋晴子)/ SUPER BEAVER(1月度ベストソング)
#2. 原罪と福音 / 東京事変(1月度ベストソング)
#3. サンシャワー / reGretGirl
#4. Stand / UEBO
#5. 冷たい渦 / キタニタツヤ(2月度ベストソング)
#6. 時のいたずら / 緑黄色社会
#7. 告白 / 崎山蒼志・石崎ひゅーい(2月度ベストソング)
#8. Boots / KICK THE CAN CREW
#9. 中二 / あっぱ
#10. 燦燦と降り積もる夜は / 秋山黄色
#11. Ordinary days(From THE FIRST TAKE)/ milet×Cateen
#12. ミックスナッツ / Official髭男dism
#13. ジェネリックラブ / Klang Ruler
#14. いけないbaby / eill(3月度ベストソング)
#15. パッと咲いて散って灰に / Creepy Nuts(3月度ベストソング)
#16. Get Back / LUCKY TAPES(2月度ベストソング)
#17. 恋風邪にのせて / Vaundy(3月度ベストソング)
#18. One Way feat. YONCE / Ryohu
#19. イカ大王体操第2 / 槇原敬之(3月度ベストソング)
#20. まつり / 藤井風
#21. Ashes / MASS OF THE FERMENTING DREGS
#22. wake up call|待つ夜、巡る朝 / Laura day romance
#23. OOOL / tricot
#24. キャラバン / サカナクション
#25. わたしたちへ / カネコアヤノ
#26. さよならロックスター / ザ・リーサルウェボンズ
#27. 雨(feat. (sic)boy)/ AAAMYYY
#28. あの笑み feat. ano / AAAMYYY
#29. 未来時代 / mega shinnosuke
#30. YOUNG TOWN / PEOPLE 1
#31. Leon / 由薫
#32. AIDA / ano
#33. School / Chilli Beans.
#34. グッドラック / TOMOO
#35. たぶんMaybe明治(feat. あ、たぎれんたろう) / レキシ
#36. 熱海 / Kroi
#37. Cry Now feat. 佐藤千亜妃 / Ryohu
#38. 宝探し / くるり
#39. ふぞろい feat. Tani Yuuki & ひとみ from あたらよ
#40. HOPE for US feat. 磯野くん(YONA YONA WEEKENDERS), AAAMYYY(Tempalay), TENDRE, 吉田沙良(モノンクル), Ryohu(CANDYTOWN)/ 冨田ラボ
#41. 痛い / wacci
#42.  ばかまじめ / Creepy Nuts, Ayase, 幾田りら
#43. 雨燦々 / King Gnu
#44. Talking Box(Dirty Pop Remix)/ WurtS
#45. 世田谷代田 / Cody・Lee(李)
#46. Somebody(Acoustic Session)/ milet
#47. プラネテス(THE FIRST TAKE)/ キタニタツヤ
#48. 旅の途中(feat. Kan Sano)/ Shin Sakiura
#49. 異世界混合大舞踏会(feat. おばけ)/ 星野源
#50. チキンライス - 2020 ver. / 槇原敬之

Spotifyプレイリスト

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news zero 菅田将暉×Vaundy×有働由美子 特別鼎談【文字起こし】

https://twitter.com/ntvnewszero/status/1600863948999626754?s=20&t=ugnVeLTHjsozPuNX_sqSeg

news zero 菅田将暉×Vaundy×有働由美子 特別鼎談(2022/12/09 23:30~)全文書き起こしました。

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有働由美子毎晩「惑う糸」を聴いて1日も仕事も終わるので、おふたりがそろっていらっしゃるのが不思議な。
Vaundy:めちゃめちゃ僕が不思議ですね(笑)こんなに光当てられることないんで。
菅田将暉(笑)
有:だいぶ髭が...
菅:そうですね、今だいぶ伸びてきました。
有:これは...
菅:いろいろあったあとの残り香があります。
有:残り香なんですね(笑)。

 

菅田将暉さんが歌うzeroのテーマ曲『惑う糸』。この曲の作詞作曲を手掛けたのが、Vaundyさんです。今年なんと8曲ものシングル曲を発表。ドラマ、CM、アニメで起用されるなど、令和を代表する注目のマルチアーティストです。


有:7歳差ですっけ?その菅田さんから見てVaundyさんってどうですか?
菅:喋ってて面白いし、勉強になるし、年下って感じもしないし。俺はいつもなんか「教えて」ってスタンスで絡んでる。
V:いや~めっちゃうれしいですね。
有:逆にVaundyさんから見た菅田さんって...?
V:もう第1印象はやっぱり仮面ライダーなんですよ僕の中で。もうジャストで大好きだったんですよ、本当に「仮面ライダーW」が。
菅:それが信じらんないんだよなー。

有:一緒にクリエイティブな活動をするわけじゃないですか。新しい面が見えたというと?
V:(菅田さんは)情熱を足すのが得意な人だと思ってるので、曲自体に情熱がありすぎると菅田さんと戦いすぎちゃうというか。逆にちょっと無表情な音楽のほうが合うというか。
菅:でもちょうど同じようなことを俺も思ってたんですよ。別に自分のそこはわかんないけど、(感情を)込めなきゃいけない歌をいっぱいやっていたから、なんかそろそろね、シンプルにリズムに乗ったり、踊ったりできるのもやりたいな、みたいなところでその話をされたから、「スゲー」みたいな。本当に「それそれ!」みたいな。
有:そういうのすぐわかるんですか?相手に今、何が必要か。
V:モノづくりしていたらわかります。以前Adoさんとかyamaさんとかのお手伝いをさせてもらったときも「本当はこういうのやりたいのかな」とかなんとなくわかったりはするんですけど、それが確定ではないんで。とりあえず声色を聞いて、例えば「ア」っていう「ア」の一言出すときの発音の仕方でどうやって体に力を入れる人なのかなんとなくわかるので。
有:本当に22歳?
V:22です(笑)。
有:本当に?
V:はい(笑)。

 

初めて手掛けた、報道番組のテーマ曲。Vaundyさんならではのこんな "狙い" が隠されていました。

 

V:イメージを確定させちゃいけないとはすごい思っていて。ワードもちょっと造語というか。「惑う糸」もそもそも造語じゃないですか。
菅:そうだよね。
V:わざと冒頭に「惑う糸は今日も」って言っているんですけど、主人公は"惑う糸"なんだっていうのがそこでわかるので。自分の中で迷いがあったり、「世間の人はどういう風に生きているんだろう」、そういう不安から僕は見ているんだと思うんですよね、人はニュースを。
菅:今ツアーをライブでやっていて毎回歌っていて思うのは、虚構でもないっていうか。「道を進んでいく」とかっていう言葉とかはものすごく現実感があるんだけど、でもそのために「眠る」ってとこに行くことによってそこだけは変わらない日常感が出る。

有:音楽の話もなんですけど、この前たまたま大学生たちと話したら「テレビないんでテレビのニュースは見ません」「家にテレビありますけど時間ないんでお母さんがテレビのニュース見てその中で言ってくれるやつをニュースだと思っています」って言われて。ニュースの見方って変わってきたりしました?
菅:僕はでも年々見るようになってきたので。生活を大事にし始めたからかもしれないですけどね。だからより興味を持つようになったのかなーとかは思いますけどね。選挙とかもそうだし。
V:正直僕あんまり見なくて。自分のやらなきゃいけないことを常にこなしていかなきゃいけないから。自分のことで精いっぱいな人っていうのは。
菅:特に10代後半~20代前半はやっぱり、好きなこととなんかよくわからないエンジンがずっと「バババババババ」ってなってるから。
V:常にスマホの中の可処分時間でニュースを見てるのか、ツイッターを見てるのか、インスタを見てるのか、それの組み合わせパズルして毎日みんな生きているので、その中に新しいことを入れるとなると相当ハードルが高いんですよね。

有:さっき(菅田さんは)「生活を大事にする」とおっしゃいましたけど。
菅:単純に家にいることも多いし、あとまあ親と話すことも増えるっていうのも。奥さんを含め、何か会う機会も増えるからかもしれないですけどね。仕事しかしてなかったから、そっちが面白いってだけなのかもしれないけど、戸籍のこととか、テレビで話すことかわかんないけど(笑)、結婚すると戸籍でおやじが筆頭者のところから自分は抜かれて自分が筆頭者になるんだみたいなところとか。やっぱり目で見るとドキッとするわけですよね。頑張んなきゃ!みたいな。筆頭者!みたいなことになるじゃないですか。
一同:(笑)。

 

さらに今年5月、zeroのインタビューで菅田さんからこんな言葉も。
―「判断能力も鈍っているな、みたいな。ちょっと休もう、みたいな気持ち」

 

有:菅田さんがお休みしますよっていうニュース、zeroでもお伝えしたんですけど、
菅:そんな大したニュースじゃないんだけど(笑)。精神的な疲れって目に見えないじゃないですか。親を殺されましたとかってやっぱりお芝居なんだけど、やっぱりハートとしてはなかなかなダメージをこっちも受けるんですよね。追体験じゃないけど。いろいろなところ骨折してたり捻挫してたりって状態なわけですよ、心とかは。で、それを単純に通院するような気持ちで。
有:休むのって怖くないですか?走り続けてて。
菅:多分休まないともう2年も3年も持たないからそっちの方が怖くないですかって俺は思うかな。
V:なるほど。
菅:逆にどうされてます?
有:私はあれです、「ごまかす」。休むと多分認識しちゃうから、疲れを。だから休まないことでごまかしごまかしして。
菅:思うのが、相対的に体力がある気がする、今の俺ら世代よりも先輩陣のほうが。
V:山下達郎さんとか小田(和正)さんも、なんていうんだろう、尋常じゃないパワーを一つに注ぎ込む力があって。僕それすごい悩みますもんやっぱり。絶対に70年代の人たちがやってたことが、僕らにはできない。まず山に入ってすべての電子機器を捨てるところから始めないと無理だなと思うぐらい。忍耐力とかエネルギーっていうのは絶対にもう取り返せないと思います。

 

エンターテインメント業界の第一線で活躍する2人が見据える未来は?

 

菅:僕はだからそれをみつけるために今、っていう感じなので。この先どうしようかなーっていう。で、見つかったものもあるし、まだ見つかってないものもあるから、お芝居とかの中で、何が必要かな、みたいな。
有:"Vaundy"ってどうなっていくんですか?
V:続けるしかモノづくりの正しい方法ってないと思っているので、僕は。僕はもともと映画監督になりたいという大きな目標が今1個あるんですけど、ただまだ全然ワクワクすることがいっぱい残ってるので100年くらいじゃ足りないですよね。

「そうだったらいいのにね」

家族が減った。飼い犬が死んだ。


小1の時からだから、15年の付き合い。噛まれ、吠えられ、甘えられ。実家から電話で「○○ちゃん、永眠しました」と告げられて、感情がぐちゃぐちゃだ。


僕は5年前に実家を出ているから、老いて萎んでいく様子をほとんど間近で見てはいない。だから「え?もう?」というのが正直な思いだ。


アイツとの思い出は書かないでおこうと思う。死者を想う悲しみはその人がそばに居てくれている証拠だから落ち込むことはない、という話を聞いたことがある。アイツが死んだ今、これを実践すべきだと思ったけれど、とてもそんな気分になれない。喪失と向き合うのは、何より難しい。


電話を切って、横に座る彼女に、「アイツ、死んだよ」と告げた。彼女はかれこれ4、5回は僕の実家に遊びに来ているから、アイツとは顔見知りの関係だ。よく懐いていて、いつもかわいがっていた。彼女はこう呟く。


「誰も死ななきゃいいのに。
みんなそうだったらいいのにね。」


何気ない「そうだったらいいのにね」で僕は涙が出そうになって、慌ててそっぽを向いた。普段は極端に理性的で現実主義者な彼女が、あまりに純粋無垢な言葉を発した驚きと、そんなことを言わせてしまった罪悪感。ふと横を見ると、彼女も大粒の涙を流していた。そうだよな、"生き死に"に、合理も不合理もないもんな。現実主義者だからこそ、そこから逃げる手段として「そうだったらいいのにね」を使おうとしているのだ、と気づいた。大きすぎる現実が自分を飲み込んでしまう前に。


そして僕もまた、彼女がくれた「そうだったらいいのにね」を繰りかえして、現実から逃げている。ちょっとだけ、悲しみが和らいだ気がした。たぶん今は、これでいいのだと思う。

俺と北枕

最近、ヤバいことに気づいてしまった。

5年前に引っ越して、部屋をレイアウトして、いい感じの暮らし(※当社比)して、プレバトに「男子大学生の生活才能査定ランキング」があったら常に「凡人」をキープし続けるくらいの22歳。割とちゃんとやってるつもりでいました。あるとき風水の動画を目にするまでは......

てかそもそも僕、「風水」というものが好きじゃないんですよ(各方面にケンカを売るな)。「水回りには神が宿るのできれいにしておくことが運を呼び込みます」って何だよ。言われなくてもきれいにしますって。「風水」というかただの「掃除のアドバイス」じゃん。主婦の友

まあ僕の溺愛する芸人が出演してたこともあって一応風水のコーナー全部見たんですよ。で、見終わった後せっかくだしちょっとぐらい気にしてみるかと思って、手始めに枕の方角を調べてみたわけです。すると...


いや、いくらなんでも真北すぎるだろ。

ゴリッゴリの北枕やないかい。5年間これで寝てたの俺?真北中の真北。マキタスポーツもびっくりの真北。

しかしまあこの5年間でヤバイことあったかって聞かれると、別にそこまでないんですよね。逆流性食道炎を拗らせて揚げ物一切NGになったとか、雨の日にタコ焼き食べながら歩いてたら滑って腕に割りばしぶっ刺さったとか、コロナ禍で行きつけの店が4つとも潰れたりとか、バ○トルの単発バイト初日に寝坊してほぼヤ○ザのオッサンから電話口で3分間怒鳴られ続けた挙句アカウントがブラックリスト入りしたりとか、ほかのバイトでは面接受かってシフト入った初日に来月閉店を知らされるとか、スーパーで買ってきた袋入りのジャガイモが6個とも虫食いだったとか。ね、別に大して運悪くなんかないんですよ。

......


......?


......え、これもしかして北枕のせい?



この後めちゃくちゃ東枕にした


 

すべてあなたのGrace【Fujii Kaze LASA STADIUM LIVE 2022】

2022年10月15日、またしても歴史の証人になってしまいました
Fujii Kaze LOVE ALL SERVE ALL STADIUM LIVEに参戦してきた私「ほとんどちゃん」が心の動きを生々しくレポしていきます。

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 モニターにプリズムのような色彩が映し出される。流れる光線の中、バンドメンバーが現れる。スピーカーが震え始める。バスドラがオーディエンスの手拍子を巻き起こし、スタジアムは興奮の渦に飲み込まれる。そして...

 ステージ上に階段が出現し、その背後から藤井風がゆっくりと現れる。ん......?なんか座ってない?......!!!!座禅!!座禅してる!!MVとは反対に白装束(?)で座禅。2時間のショーは『何なんw』から幕を開ける。「na, na, na......」この時点で興奮、爆笑、号泣、驚嘆、愕然の嵐で会場がすでにカオス。「Welcome to LOVE ALL SERVE ALL Stadium Live, 立ちたい人は立ってもええで〜!」で総立ち。たった一人、藤井風を除いては。「あんたのその歯に~」え、そのまま歌うんですか、え、何なんw

 でもいっぺん歌い始めたらもうなんていうか凄すぎて。「えげつないパフォーマンスするんやろなあ」と予想して、十分に心構えして参戦したつもりだったんですけど、一曲目からなんか凄すぎて笑うしかありませんでした。あの夜を共有してくれた人ならわかると思うんですけど、一曲目で何故か笑けてくる。言葉でうまく言い表せないけれど、たぶんこれが「エクスタシー」なんだと思う。4万人を絶頂させて一気に自分のフィールドに引きずりこむ。「令和の怪物」ってコイツのことだったんですね、完全に理解した。歌い終わるとセンターステージ上までゆらりゆらり、歩いていき、鍵盤に手を伸ばす......伸ばしてしまったが最後、そこは藤井風の独壇場。ジャズピアニストが嫉妬と畏れで寝込んでしまうほどのピアノパフォーマンス。こいつにゃ勝てねぇ、とスタジアムにいる全員が思ったはず。

 ウッドベースのリフから一気にボリュームを上げ、2曲目『damn』へ。バスドラとベースで心拍コントロールされてる。勝手に心臓のBPM130にしてくる「藤井風ペースメーカー」で死ぬ。人生初・生"藤井風"でこんなん聴かされたら誰でも好きになる。"まさかこんなに惚れてまうとは" 言うてますけどmore

 尺八のソロ。あれ、ここ皇居?さっき渋谷スクランブル交差点にいたはずなんですけど......贅沢な前奏がスタジアムのボルテージを圧倒的に高めていく。「将山〜!!」。尺八奏者・長谷川将山を叫びで讃える藤井風。3曲目『へでもねーよ(LASA edit.)』。立ち回りがスタジアムライブ20年目のそれだった。貫禄と熱量で4万人を「へでもねーよ」してた。そしてsingle ver.の『へでもねーよ』と圧倒的に違うのはやはり色彩感。映像も手伝って、かつてのライブより鮮やかで、落ち着いていて、でもちゃんと"暑苦しい" 仕上がりになっていた。

「よぉ来てくれました。素晴らしい。本当にね、大変なこともいっぱいあったと思うけど、無事にこうやって来てくれて......ほんまにありがとう!」「ここの、Panasonic Stadium Suitaで音楽イベントをやるのは初めてのことで......ありがとうございます。」「どうか自分がいいように、自分をちゃんとコントロールして、自由に、みんなが気分良く帰れるように、お互い助け合って。よろしくお願いします。」本当に彼らしい、等身大のMCに泣きそうになる。

「Just be Free, just be happy. This is our time, this is our world, This is our “Garden”」と言い、始まったのは『ガーデン』。モニターに「庭」が映し出される。庭でくつろぐ藤井風、咲き誇る花々。四季の移り変わりを丁寧に描写した歌詞とシンクロする。1stアルバム『HELP EVER HURT NEVER』を制作して燃え尽きたところからのスタート、その最初にできた曲が『ガーデン』だった。庭に咲く花に水をやるように、オーディエンスを潤していく。社会で必死に闘う僕らを、音が蘇生していく。必死に間髪入れずに5曲目『やば。』。自分の中の「天使と悪魔の痴話喧嘩」が爆音で心を揺さぶる。喧嘩はやがて終わりを迎え、Yaffleのピアノとパラレルに遠くへと消えていく。6曲目『優しさ』。カッティングギターを軸にした新しい雰囲気の『優しさ』。キーも原曲から-1して、原曲の「冷たいピアノ」「エモーショナルなストリングス」「緊張感のあるビート」(セルフライナーノーツより)とは違う”あたたかい”『優しさ』だった。ある意味このパフォーマンスも"LASA edit."と言えるのかもしれない。

 「I'd like to perform new song」。新曲だ。会場がざわつく。そして「Feel free, and be free. Feel the "grace".」写真撮影、動画撮影OKと藤井風から告げられて、会場がさらに色めき立つ。英単語 "grace" にはいろんな訳がある。原義はギリシャ神話の三美神だそうだ。そこから近代、現代と経るにつれて「優雅さ」「気品」など様々な意味に派生していった。今日大阪に放たれた"grace"は、そのすべてを内包していた。「神の恵み」「恩寵」という原義から、「優雅さ」「気品」「愛嬌」「魅力」「親切」「祈り」まで......。432hzの響きは4万人を"grace"で満たし包んだ。

 ここでメンバー紹介。「Bass, 真船勝博!Drums, 佐治宣英!Keyboard, Yaffle!Guitar, TAKIKING!」HELP EVER ARENA TOURから変わらないメンバーに、最後の1ピース、Yaffleが加わった。藤井風の曲をもっともよく理解している男だ。もう準備は整った。

 周波数は432hzのまま8曲目『帰ろう』へ。魂がスタジアムから↓ のスタジオまで強制ワープした。くだけていて、落ち着いていて、でも洒落ていて。4万人が「寝そべりStadium」してた。

https://www.youtube.com/watch?v=RDIe6SF5IrE&t=3s

 少しの静寂の後、9曲目『さよならべいべ』。スタジアムの温度が上がる。ロックチューンの始まり。上京前夜、号泣した藤井風の心境を4万人が追体験して狂ったように手を振る。「疲れたやろ、座ってもええんやで」。センターステージに置かれたピアノに歩み寄り、鍵盤を叩く。ピアノのカデンツァから導かれるようにして『ロンリーラプソディ』が始まる。「みんな呼吸しましょう......きれいなもんだけ吸って......ネガティブなもん全部吐き出して......」4万人の「すーはー」。そういえばこんな世の中になってから深呼吸なんて全然してなかったな......と考える。11曲目『それでは、』。ピアノ一台なのに背後にオーケストラが「聴こえる」。壮大なミュージカルのよう。夕焼けとOSAKA WHEELが哀愁を添える。心地よい寂しさに浸りながら、でももうすぐ終わりなのかな、と切なくなる。

 2ndアルバム『LOVE ALL SERVE ALL』をなぞるように12曲目『"青春病"』。『LOVE ALL SERVE ALL』がこの世に出てからというもの、この曲は『それでは、』とセットでしか聴けない。だからこの二曲を連続で演ってくれるのはとてつもなくうれしかった。アルバムの曲順を決めるとき、藤井風がものすごく置き場所に困ったように、きっとこのライブでも置き場所に悩みまくったに違いない。のだけれど、ここに置いてくれて、ありがとう。あとは"青春ダンス"を無心で踊り、"青春の病"を振り落とすだけ。青春の儚さを......

 藤井風が"お色直し"。白装束から赤法被へ。目の覚めるような鮮紅色。「ここからが "祭り" の本番だ」とオーディエンスに宣言しているような。サックスソロ。真鍮を携えた立ち姿がサマになる。13曲目『死ぬのがいいわ』。そしてこれまた昭和レトロな歌詞・メロディがスタジアムに溶け込んでしまう。 "場違い" もサマになる。それが "藤井風" 。

 「ハァー~~ェエ~ィ~...ィエェェ~イ~ィエェエェ~イィエェエエェッッッッ!」とはじまった『燃えよ』。"祭り"だ。恥じらいを捨てて大の大人が4万人、夢中で腕を振っている。汗流して、恥を燃やして、手拍子して。この「風」にのって、僕らは先に進んでいく。そして『きらり』。正直この曲が一番気になっていた。"GOOD GROOVE"を体現したこの曲が、スタジアムでどんな "GROOVE" を巻き起こすのか。結果は期待以上だった。リズム隊が渦を重く、強く、けれどもしなやかなものにする。その上に3人の音が乗って、空気を揺らしていた。「Suita Stadium~~!!」 風が、その渦の中に僕たちを誘おうとしている。大丈夫です、とっくに溺れさせてもらってます。盛り上がりはそのままに『まつり』へ突入。「祭り」はいよいよクライマックス。秋の大盆踊り大会。20年生きてきてスタジアムで「ラッセーラ」するとは思わなかった。この踊り、気持ち良すぎて中毒性あるかも。花火が吹き上がり、風は高く高く"番台"へ。曲の終盤に行くにつれてスタジアムのボルテージは最高潮に。そして「ハッ!」で大爆発。心臓がトビました。

 『燃えよ』〜『きらり』〜『まつり』が3連チャンライブで大化けしてて気失いそうになった。すごすぎてむしろドン引きした。正直ここまで化けると予想してなかった。「秋の風まつり」の副題は間違ってなかった。というかドンピシャだった。完全に全生物に捧げる "祭り" だった。

「せっかくあんな花火ぶち上げてしもーてこれが最後の曲なんか思うたら、次が最後の曲ですw」「みんながperfectな存在やから。それと同時にわしらは人間じゃし、まだ学ぶこといっぱいあるなぁって感じで。わしらはみんなこの長い長い旅路の中に一緒に歩いていく同志として存在しとるので。みんなね、愛すること、生きること、諦めないでほしいなって思います。LOVE・ALL・SERVE・ALL!」と始まった17曲目、最後の曲『旅路』。「いろいろあるけど」という歌詞にグッとくる。「"いろいろあるけど" なんて歌詞に入れるのは作詞家の怠慢、歌詞は具体化すべき」というような批判をついこの間目にしたが、そうじゃないんだよなー、と。僕たちの人生には「いろいろあるけど」としか言い表しようがない「いろいろ」がある。それを一つ一つ具体化しようって方が野暮で、ここは敢えて「いろいろ」とひっくるめて受け止めてくれる、そんな歌詞なのだ。

 

 

全プログラムが終了し、「grace」を背に藤井風がステージを練り歩く。オーディエンスに感謝を伝えながら。

それを遠目に長めながら僕は、日産スタジアムでのライブを思い出していた。
今日は、あの時とは、あらゆるところが"正反対"だった。
弾き語りとバンド。
雨と晴れ。
"祈り"と"祭り"。
"静"と"動"。
"モノクロ"と"色彩"。
何もかも"正反対"なのに、なぜ、同じように幸せを感じるんだろう。

そして気づいたのは、結局、何をやっても「藤井風」だということ。
どんな会場であろうと、天気がどうであろうと、周りでどんな音がなっていようと、世界がどうなっていようと、藤井風は藤井風なのだ。

僕らがどんな状態であろうと、風は音を届けてくれる。
限りない愛と優しさをもって。
そうだ、僕らは何度も救われてきたんだ。

藤井風の"grace"に。

セットリスト

1. 何なんw
2. damn
3. へでもねーよ
<MC>
4. ガーデン
5. やば。
6. 優しさ
<MC>
7. grace
8. 帰ろう
9. さよならべいべ
<Cadenza>
10. ロンリーラプソディ
11. それでは、
12. "青春病" 
<SE>
13. 死ぬのがいいわ
14. 燃えよ
15. きらり
16. まつり
<MC>
17. 旅路

 

藤井風『HELP EVER HURT NEVER』セルフライナーノーツ書き起こし

藤井 風(Fujii Kaze) - "HELP EVER HURT NEVER" Listening Party (LiveStream) -  YouTube

2020/05/18  "HELP EVER HURT NEVER" Listening Partyで公開された「セルフライナーノーツ」を書き下ろしました。Listening Party 全文書き起こしはこちら(準備中)。

《目次》

01. 何なんw / WTF lol

デビューシングルを作ろう、と思って作ったデビューシングル。
どこを切っても、自分らしいと胸を張って言えるような曲にしたかった。
だから、口癖をサビに持ってきて、大好きな90年代風R&Bサウンドで、自分の心地いい方言で、気持ちよく歌って、タイトルに草も生やした。w
「何なん」縛りで考えようとした歌詞は、何か月も寝かせたけど、ふと「誰しもの中に存在するハイヤーセルフが、ダメな自分に語りかける」というコンセプトが降ってきた。
結果、これ以上考えられないようなデビューシングルになった。言うてますけどmore

 

02. もうええわ / I'm Over It

もしも「何なんw」がデビューシングルにできなかったら、「もうええわ」でもええわと思えるくらい、思い入れの強いセカンドシングル。
ヒップホップに影響されたサウンドに乗せて、ちょっと汚くて、暗くて、ワルい世界観を表現できた。
「俗世・執着からの解放」を裏テーマに、人生におけるあらゆるネガティブなエネルギーに「もうええわ」する、自由の歌。

 

03. 優しさ  / Kindness

「優しさ」は「強さ」。
「優しさ」って、最強。
人と接するうちに、そんなことを感じるようになった。
冷たいピアノ、エモーショナルなストリングス、緊張感のあるビートにのせて全力で歌った、「優しさ」へのラブソング。

 

04. キリがないから / Cause It's Endless

スリリングなベースに、トラップ風のビートが絡む。
Yaffle氏のアレンジが冴え渡る、疾走感と高揚感にあふれたクールな楽曲。
要らんものを断ち切って、変化を恐れず、進化し続けることを誓った、決意の歌。

 

05. 罪の香り / Flavor Of Sin

プログレ、ジャズ、ラテン、などいろんな香りの漂うサウンドが圧倒的。罪への恐れを歌った楽曲。
アルバムで唯一、ホーンセクションが入っていることもあり、熱気や世紀にあふれた、アツい仕上がりになっている。

 

06. 調子のっちゃって / Oops I Pushed My Luck

ジリジリと、徐々に盛り上がっていく。
噛めば噛むほど味が出てくるスルメ曲!
お笑いラブ(ゆりやんレトリィバァよりインスパイア)なタイトルからは想像できない、とにかくアダルトなムードの曲にしたかった。
この自分への戒めのような曲を書いてからは、多分あまり調子に乗ってない。(と思いたい)

 

07. 特にない / Not Particularly

Lo-fiヒップホップの心地よさ、暖かさを意識した、アルバムの折り返し地点となる一曲。
日本語と英語のセクションが混在した歌詞で、「足るを知る」の精神を、淡々と、かつ切々と歌っている。(つもり)

 

08. 死ぬのがいいわ / I'd Rather Die

上京後、買い物帰りに「あなたとこのままおサラバするより死ぬのがいいわ~♩」というフレーズが降りてきた。ずいぶん昭和な歌詞とメロディだなと思ったけど、それがイマっぽいトラップ風ビートと合わさったおかげで、絶妙にオモロい個性的な曲になって大満足!

 

09. 風よ / Hey Mr.Wind

自分のルーツの一つである、昭和歌謡を前面に押し出した一曲。Yaffle氏の現代解釈による。極力シンプルにそぎ落とされたアレンジが、この曲の哀愁をいっそう引き立ててくれた。
神さまを、吹く風に重ね合わせて、導いて欲しいと願う祈りの歌。

 

10. さよならべいべ / SAYONARA Baby

上京するときの心情は、歌にしといたほうがいい。と言われた。自分でもそう思った。
それがまさかの、こんなロックチューンになろうとは!自分でも思ってなかった。
アルバムの中で異彩を放っているリアルな上京ソング。

 

11. 帰ろう / Go Home

この曲を発表するまでは死ねない。
この曲を発表するために日本語の曲を作ろう。
とまで思わせられた曲。
それまででたらめな言語で曲を作っていた自分にとって、この曲のサビのメロディが日本語で降りてきたことが、日本語の曲を書き始めるきっかけになった原点。
「死ぬために、どう生きるか」人生を帰り道に重ね合わせて、自問自答した。ファーストアルバムの締めくくりには、この曲以外には無い。

 

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